World escape 1
クソがッ!!………………こんな世界、何度ぶち壊してやろうと思った事か、酷く理不尽な世界なんてよ………………………
ある日突然、俺は神と名乗る人物に殺され、異世界に転生された。俺に与えられたこの呪いの力と共に、俺はあいつへの復讐とあいつの監視から逃れる為に、
俺の復讐劇が始まる………………………はずだったのだが。
ドンッ、
壁際に責め立てられるものとそれを逃さぬように壁に手をドンと押し付けるもの、世間一般では壁ドンと呼ばれているものだ。
実際は男が女にやるものらしいが、
「ねえ、大くん、もう逃げられないよ♪」
ジリジリとやって来るピンク髪の美少女『小山そに子』はこの世界の幼馴染であり同じ転生者である。
そして、伸びて来る腕や肩を押さえつけ必死に抵抗する少し白毛の入った髪の少年、転生者『戦道 大虎』
「チィィッ!!クソがッ!やめろっつーの!!!」
俺はそに子の腹に強烈な一撃をお見舞いし気絶させる。そしてそいつを抱き抱えると保健室に運んだ。今に始まった事じゃない。
私、小山そに子!!!愛しの大くんに壁ドンしちゃった!!!キャァァァァアーーーーーー私が大くんを好きになったのはあの時からなんだよね〜♪私がまだ一年生の始めの頃、大くんが初めて転校してきた時、
「戦道 大河だ、夢は医者になる事だ。…………まあこんな髪してっから闇医者にならない事を願いたいぜ」
そんな彼を見た時、私は心を撃たれた。一目惚れだった。ニコポナデポを使われたわけじゃ無いのに、私の心はドキドキと高鳴っていた。
それから、私は事あるごとに大くんにアピールしていった。
でも、大くんいつも怒ってばっかり、もー照れちゃってさー♪
ぞくッ!!背筋に氷を入れられたかの如く寒気がしたぞ。く、なんなんだこの学校は………………あのクソ神め!!手当たり次第に滅茶苦茶に世界を融合しやがって、学校の過半数がアニメキャラとかどうかしてるぞ。
まあいい、この一年でわかった事は、この世界は『リリカルなのは』の世界で、オリ主枠と踏み台は確定していると言う事だ。
まずオリ主枠だが、俺の席から右斜めにいる茶髪の男、
『神狩 一輝』特典は、『一刀修羅』
準オリ主枠は一輝の真横にいる赤毛の男
『平賀 智樹』特典は『ガンダールヴ』
そして、踏み台枠、一輝の前にいる金髪の男
『神城=エンペラー=帝』
当然、特典は『王の財宝』
特に注意なのは一番上の神狩だ。奴は主人公補正に守られているからな、計画に支障は無い。
今夜、物語が始まる。計画の実行は奴らがジェイルシードとの戦闘終了時だ。
「おい、戦道、話がある」
ボーっと窓の外を眺めている時だった。ん、神狩が話しかけてきた。
「あいにく俺はお前の話を聞く暇はないんだ。向こうで高町たちに絡みやがれ」
無視する俺に食ってかかる神狩、
「ッ!!お前は、原作の人達を助けた後は思わないのかッ!!!」
「所詮、他人だろ。あんな奴らを助けて俺になんのメリットがあるんだ?お前の申し出なんぞノーサンキューだ」
俺はそう言って教室を後にする。後ろで奴が悪態をついていたがどうでもいいか。
屋上の入り口の屋根の上、ここが俺の特等席だ。そこで俺は1つのガジェットを握る。それには、
『MichyActionX』
そして、『ゲーマドライバー』、実際はこれ以外にもドライバーを持っているが今日はこれと、
ガシャコンバグヴァイザーを持って来ている。
「………………俺は絶対、脱出してやる。このくそったれな世界からな」
『マイティアクションX』
ゲーム画面が空中に映し出される。ゲーマドライバーを腰に装着しガジェットを反転、ゲーマドライバーに差し込む。
「変身」
『レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ウォッチャネーム!アイム・ア・カメンライダーッ!!!』
ずんぐりむっくりとした二頭身フォルム仮面ライダーゲンムレベル1へと変身した。
『ゲームを始めようか』
ボイスチェンジャーで変えたくぐもった声で俺は戦闘の行われていた公園へと向かった。
「行くぞッ!!!隠鉄ッ!!!」
刀を持ち、異形の怪物に攻撃を仕掛ける神狩、と平賀、後ろでバンバン宝具を射出して行く神城、そして共に戦う高町なのは、
そしてジェイルシードを封印したなのはは回収しようとするが、
ズキュウンッ!!!
ジェイルシードは突然の光弾に弾かれる。
「ッ!!誰だッ!!!」
そこには仮面ライダーゲンムレベル1が立っていた。そして、ゲーマドライバーのレバーを展開する。
『ガッチャッ!!レベルアップ!!マイティジャンプ!マイティキック!マイティアクションX!!!』
仮面ライダーゲンムレベル2へとレベルUPしたのだった。
「誰だ、貴様!!」
『私はゲンム、貴様らが持つその宝石を奪いに来たのさ』
そう言うと、ゲンムはジェイルシードを手に取る。
「ハッ、何者か知らないが貴様如きこの俺が粉砕してやる」
神城の宝具がこちらに展開される。ふ、とマスク越しでも奴が笑みを浮かべている事がわかった。
「死ね………………」
射出された宝具、だがゲンムは持っていたガシャコンバグヴァイザーを払いながら光弾を連射する。光弾は宝具に命中すると爆発を起こし、それが連鎖して他の宝具を巻き込んで爆発する。
しかも、数発は神城にあたり爆発を起こしながら肉を焦がして行く。
ガァァァァァァァアッッッ!!!?!?
叫び声と共に神城は落ちて行く。ゲンムはそのまま帰路につこうとするが、
ズドォンッ!!!と足元にクレーターができた。そして向こうには地面に拳を打ち付けている人影が、
『貴様、何者だ………………』
その人影は立ち上がるとバッ、とゲンムの上を飛び越す。
「ふふふ、そんなに知りたい?私の正体………」
バッ!!ゲンムは構えてしまった。その声が誰よりも知っていた人物の声だったのだから。
黒いフリフリのドレスに身を包み、ツインテールの黒髪に見慣れたヘッドホンを付けた少女、
「闇を従え悪を討つ!!純粋なる闇の使者ッ!!キュアダークネスッッッ!!!」
キュアダークネスこと、小山そに子が立っていたのだった。