こんにちは!本業に追い込まれ今月いっぱいまでバタバタしております!笑 ですが、更新は出来る時にきちんとしたいと思いますので、よろしくお願い致します。
ではスタート!
俺は全てを話した。事の始まりから、終わりまで。一色には悪いが、このままというのもさすがに後味が悪い。べ、別に陽乃さんに言われたから言った訳じゃないんだからね!あくまで自分の意志で奉仕部に相談したのだ。これはマジで。
「ごめんなさい、比企谷くん。私たちのせいで、あなたを悩ませてしまったわ。」
「ヒッキー、あたしもごめんね。」
「いや、お前らは何も悪くないだろ。俺の答えが曖昧だったからだ.....。」
「ヒッキー、でも正直に伝えてくれてありがとう。ヒッキーのことだから、この1ヶ月間沢山悩んだんでしょ?」
「ああ.....すまん。」
そう、俺は1ヶ月間毎日悩んでいた。別のことを考えていても一色のことを考え、思考を停止してもたまに廊下で会ったりと....あいつのことを忘れる日なんて1日たりともなかった。そのくらい俺にとって、あいつの存在が大きくなっていたことは言うまでもない。
「いろはちゃんとあれから喋ってないの?」
「実はだな、廊下や昇降口ですれ違っても避けられる。」
「まるで比企谷くんがフられた様ね。」
「それは否定できねえな。」
「ところで、私たちは比企谷くんに何をしたら良いのかしら?」
「.....すまん、そこまでまだ気持ちの整理がついてないんだ。相談したは良いものの、こういう経験は初めてだからな.....」
「そっか....ゆっくりで大丈夫だよ。ヒッキーのペースでね。......あたしたちも絶対協力するし!」
「そうね、私も力になるわ。」
「サンキューな。」
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「ところで今日小町さんは?」
「小町なら少し遅くなるって今朝言ってたぞ。」
そう、小町は仮入部を終え5月から正式な部員となった。今回のことは小町にはまだ話せていない。
「すみませーん!遅くなりましたー!」
「あ!小町ちゃんやっはろー!」
「こんにちは、小町さん。」
「よ!小町。」
「お2人もお兄ちゃんもこんにちはです!」
「そういえば小町ちゃんって相談聞いたの?」
由比ヶ浜早速打っ込むな.....別に悪くはねえけど...
「え?何のですか?」
「え!?ヒッキー話してなかったの!?」
「あ、ああ。最近小町が大志に付きっ切りで、話す機会がなかったんだ。」
「本当にあなた妹離れしたのね....未だに信じられないわ...」
まあ無理もない。元々あんなんだったしな俺....
「奉仕部に誰かから相談ですか?」
「えと.....実は....あはは...」
「はあ、大丈夫だ由比ヶ浜。俺から説明する。小町、実はだな.......」
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「ええええ!?お兄ちゃんいつの間にいろはさんまで!?.....これが天然ジゴロというやつですかね......」
「誰がジゴロだ。」
「そうね、そのスケコマシ谷くんのために今色々考えてるところよ。」
「なるほどですね....ふむふむ.....お兄ちゃんっていろはさんのこと、正直どう思ってるの?」
「え、どうした藪から棒に。」
「だって今聞いた話だと、雪乃さんや結衣さんのためを思ってフッた訳だよね?お兄ちゃんの本心は何1ついろはさんには伝わってないと思うよ?」
「確かに!さすが小町ちゃん、彼氏持ちは言うこと違うなー!」
「うへへへへ〜、それにお兄ちゃんいつも言葉足らずなんで。」
「さすが小町さん。お兄さんの生態系に詳しいのね。」
ちょっと雪ノ下さん、俺が別の生物みたいになってるんですけど。それと全国のお兄さんに謝れ。
「分かった?お兄ちゃん正直に言って!いろはさんのことどう思ってるの?いつもみたいに屁理屈こねずに、お兄ちゃんから見たいろはさんについて答えて!」
「う.....そ、そうだな...一色は最初すごくあざといって思ってたな...まあ今も変わらんが。」
「そういうこと聞いてるんじゃないの!いろはさんの性格じゃなくて、これからいろはさんとどうしたいの?」
「こ、これから!?もちろん前の関係に戻りてえけど....」
「それで?いろはさんに言うこととか他にあるんじゃないの?あの回答はさすがに失礼だよ。恋する乙女がやっと本物の恋を見つけて、告白したら告白待ちがいるから無理って.....小町的にちょーポイント低い。」
あの、小町さん?あちらで顔を真っ赤にされてる雪ノ下さんと由比ヶ浜さんがいるんで掘り返さないであげてね?
「ぐ、確かによくよく考えたら失礼なこと言ってたんだな俺.....分かった。お前らの前だ。本心で話す。」
3人から注目が集まり、生唾を飲み込む音が聞こえる....プレッシャー半端ないんですけど....
「俺は...一色ともう一度話したい。失礼な回答を伝えてしまった旨も謝りたい。俺の素直な気持ちを伝えて、しっかりあいつと向き合ってもう一度あの頃に戻りたい。」
「だそうですよ。」
は?
ガララッ「........」
「い、一色さん!?」
「いろはちゃん!?」
「い.....一色.....」
「先輩、今の.....本当....ですか?....」
「え......」
「ごみいちゃん。早く答えて。」
「い.....一色.....本当に申し訳なかった。あの日は本当に驚いたし、嬉しかったのは本当だ。.....だが、俺の気持ちをしっかり伝えてなかったな......。実は俺さ、雪ノ下と由比ヶ浜のどちらかを卒業式の日に選ばないといけないんだ。あの日言葉足らずな俺のせいで、深く傷つけてしまって本当に申し訳ないと思っている。」
「......」
「それで俺は.....あの日、お前が目の前から消えて気付いたことがあった.......」
一色との思い出が溢れる。あの時とは違った、罪悪感のない過去の思い出が.....。初めてここで出会った日のこと。一緒に推薦人名簿を書いたこと。クリスマスのこと。デステニーランドのこと。初めて2人で出掛けた日のこと。バレンタインのこと。2回目に出掛けた日のこと。花見のこと.....一色の笑顔や、あざとい表情、怒った顔....全部....全部....本当に良い思い出だ.....だが....あの日の涙だけは........俺は.....俺は......
「......お前は俺にとって、大切な存在だってことに気付いたんだ。けど、雪ノ下と由比ヶ浜も同じくらい大切で、俺は....まだ、選ぶことができない.....だから一色、もう一度俺にチャンスをくれ。これからのお前を俺はもっと近くで見ていたいんだ。だから....卒業式の日に、それでもまだ俺に想いを寄せてくれているのなら......もう一度、もう一度、お前の言葉を聞かせてくれ。自分勝手かもしれない、まだ俺に想いを寄せているとか自意識過剰かもしれない。それでも俺は......」
「本物が欲しい.....ですか....?....本当に先輩はバカです....どうしようもないくらい.....バカ....ですよ.....グスッ.......口説いてるんですか?.....でも....ものすごく嬉しくて.....グスッ....やっと2人と肩を並べることが....できて....うっ.....これで心置きなく....先輩にアタックできます.....この上なく幸せです....でも絶対....絶対......グスッ.....大好きな先輩を......うっ....誰にも渡しません....ので....よろしく.....お願いします.....うっ....うう....先輩!」
一色は俺に抱きつき、その日は大声を上げて泣いた。やっとだ......やっと止まっていた時間が動き出した感覚だ......久しぶりの一色は、いつもより綺麗に見えた。
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「死にたい.....」
「お兄ちゃん帰って早々なーにやってんの.....」
無論俺は帰宅してからというもの、今日の公開処刑を思い出し恥ずかしさの余り死にたくなって悶えているところだ。何であんなこと恥ずかしげもなく言っちゃったの俺?バカなの?本当にバカなの俺?前にも同じようなことしたよね?学習能力皆無なの?
「まあ、あの答えには小町もさすがにビックリしたけどねー。まさかお兄ちゃんが、結衣さんや雪乃さんと同じくらい、いろはさんに想いを寄せていたとは.....」
「な、なんだよ俺が想いを寄せてるとか......べ、別にまだ俺の気持ちも分かんねえし.......てか小町、お前なんで一色が外にいたこと知ってたんだよ?」
「え?だって小町の依頼人だもん。」
「は!?」
「いろはさんから直接相談がきたの。それで、さすがに皆さんには話せないから個人で受け持ったって訳。そんな所にタイミング良く陽乃さんから連絡がきてねー。」
なるほど.....つまり俺が一色について、雪ノ下個人に相談するのではなく、奉仕部に相談することも陽乃さんにはお見通しだったって訳だ。それに本人が目の前にいたら、間違いなく気持ちを伝えることもできないということも、2人にはお見通しだ。だからこそ一色を廊下で待機させ、俺から自然に気持ちを聞き出したってことだな。小町と陽乃さん.....こんな恐ろしいカードがあるんだな.....
「また俺は一杯食わされたってことか....ははは.....」
「細かいことはいーの!良かったじゃん、いろはさんと復縁できて。」
「それリア充に使う言葉だからな。」
「なーに言ってんの、あんな姿小町に見せといて......」
「うぐっ.....あ、あれは.....」
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「せ〜んぱいっ♡大好きです♡もう私は絶対先輩から離れませんからね〜♡結衣先輩にも雪ノ下先輩にも絶対渡しませんからね♡」
泣き止んだ一色は今までのタガが外れたかのように、俺に素直になりすぎだろこれ!?!?一色さん?これ本当に一色さん?どこかで強く頭打ち付けて人格変わったんじゃなくて?でもなんかいい匂いするし近いし胸に顔スリスリしてくるしお腹に何か当たってるしいい匂いする!!!!
「い.....いろは....ちゃん....?」
「い...一色...さん.....ええ......」
「うわあ.....」
3人ともドン引きじゃねえか.....おい、どうすんだよこの状況.....でもこれはこれで悪くはないですねえ、うん。いや、ねえよ.....
「いや、その....一色...さん?そろそろ帰るしさ....離れよっか?」
「え〜、まだ1ヶ月分の先輩成分足りないです〜!」
先輩成分って何!?俺からハチミツみたいな濃密度の成分かなんか摂取できんの?商品化でも検討してみよう。売れねえな。
「一応俺も年頃の男子だし?人目も気になるっていうかさ......」
「え?もしかして先輩私で発情してますか?それはそれでかなり嬉しいですし先輩になら私の初めてを捧げるので今夜良かったら襲いに来てくださいお願いします。」
「い、いろはちゃん!?ズルい!!」
「そうよ!一色さん、抜け駆けは卑怯よ!」
「いや、お前らマジで何言ってんの......」
「いくらお二人でも〜、先輩だけは譲れませ〜ん。私に対してあんな情熱的な言葉をくれたんですよ?絶対に私が先輩の正妻です♡」
ギャーギャーワーワー!!
俺っていつからハーレム属性なんてついたんだろうな......
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「ほーら、あんないい思いしてこの天然ジゴロは.....」
「おい、だから俺はジゴロじゃねえ。確かに専業主夫希望だが.....」あれ、ジゴロなの俺?
あ、そういえば陽乃さんにも今度報告しとかないとな。一応助かった訳だし。
「小町、今日はサンキューな。お前のお陰だ。」
「はいはーい。」
大志に取られたせいで、最近小町がお兄ちゃんに冷たい.....やはり消すべきだったか.....
「今何か悪いことでも考えてたでしょ?」
「そっそんなことないでしゅ!!」
うっわー、思いっきり噛んじまったよ。それにしても今日は疲れた.....明日は束の間の休日。やっと土曜日だ。2日間勉強しつつ自堕落な生活を過ごそう......過ごせることを切に願う俺であった。
いやー、やっと暗黒期からの脱却!またラブコメというか微エロ展開へと発展しましたね。そんなアツい絡みとかそういうのは健全な高校生にさせませんのでご心配なく....それでは時間もよろしくお願いします!