比企谷八幡は選択する   作:calpass

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こんにちは!なんか途中まで書いてたら急に全部消えました!笑 めげずに頑張った自分を褒めたい、そうしたい!どうでもいい話から入りましたが、第12話始まります!


どうぞ!




比企谷八幡は振り返る

 

 

あれから俺は由比ヶ浜と雪ノ下に、それはそれは丁重に扱われた。さすがにあいつらも追い打ちをかける程鬼じゃないらしい。

 

 

「あ、お兄ちゃんおかえりー!」

 

 

「あ、小町さん、いらっしゃったんですね。」

 

 

「何で他人行儀なの!?」

 

 

「それより小町、いつから大志のこと好きだったんだよ。それに俺の目の前で言わなくても......」

 

 

「去年から大志くんのこと好きになったんだよ。優しくって、少し頼りないけどそんな所が可愛くって.....お兄ちゃんの目の前で言ったのは、きちんとあの2人を見て欲しかったから。小町知ってるんだからね?結衣さんも雪乃さんも、お兄ちゃんのことを大切に思ってる。でもそれは友達としてじゃなくて、1人の男の子として。だからきちんと、あの2人を見て欲しかったの。」

 

 

「そうか.....お前には何でもお見通しってことか。」

 

 

春休み前、そうあの依頼を俺は少しだけ忘れようとしていた。

 

 

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「私の依頼、聞いてくれるかしら?」

 

 

「うん、聞かせて......」

 

 

「私の依頼は、卒業式の日に......比企谷くんに私の想いを聞いて欲しいの。由比ヶ浜さんが私の問題を解決して、全て貰うのはフェアじゃないわ。それに私の問題は私が解決しないと意味がないの。だから由比ヶ浜さん、あなたも私と同じ気持ちなら、あなたもそうして欲しい。」

 

 

「......やっぱゆきのんには敵わないな。うん、分かった。私もゆきのんと同じ。ヒッキー、私たちの想い....卒業式の日に聞いて?ヒッキーが選んで欲しいの。」

 

 

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忘れていたって、卒業式は日々迫ってるのにな。それにあいつらの想いを踏みにじるのは、絶対に駄目なことだ。俺はもう分かっている。存在しないと分かっていても本物を追い続け、思考に思考を重ね、探し求めていた物。由比ヶ浜と雪ノ下、あの2人のうち俺が選んだ先に、俺の考えていたのとは違う本物があるのかもしれない。俺はずっと小町に依存していた。生徒会選挙の時だって小町を理由に、自らの行動理由に繋げていた。だが、もう小町には大切に想う人がいる。小町を理由にしてはならない。俺自身、俺の気持ち、俺がやりたいことを求める。それが俺の選択する行動理由になるのだ。

 

 

「小町、サンキューな。これからもきっと、小町のことは大切に想うよ、家族だしな。でも、もう俺だけの小町じゃない。それに俺も選ばないといけないんだ。ちゃんとあの2人をこれから見守っていくよ。その上で、俺の選んだ方が俺自身の答えだ。」

 

 

「お兄ちゃん.....今最高の顔してるよ。.....相変わらず目は死んでるけどね。」

 

 

「おい、一言多いわ!」

 

 

ある意味、今回大志の行動は全てが上手くいく良い機会を与えてくれたのかもしれない。まあ、小町を奪われたのは内心ショックだが...。これから俺のできる最大限の努力はしよう。俺にしか出来ないことならば。

 

 

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新学期2日目。怒涛の初日を終え、正直俺は疲労困ぱいしていた。俺の人生で間違いなく5本の指に入るくらい、濃い1日だっただろう。

 

 

小町は大志と通学し、ついに俺は本当のぼっちへと進化した。なんだかもの凄く寂しい。

 

 

「せ〜んぱい!」

 

 

「おう、一色か。」

 

 

「あれ!?いつもみたいに、あざといとか言わないんですか?」

 

 

「そんなこと言ってる気力なんて俺にはない。小町に彼氏ができてだな.....」

 

 

「ははは....それは先輩的にはかなりショックですね。」

 

 

「ああ、かなりショックだ。だからもうシスコンは卒業だ。」

 

 

「えええ!?シスコンじゃない先輩なんて、殻のないカタツムリみたいなもんですよ?」

 

 

「それ人のことナメクジって言ってるからな。とりあえずだな、俺には目標ができた。自分が解決しなければならない問題がある。それに突き進むだけだ。」

 

 

「へー、なんか今のカッコいいですね。」

 

 

「馬鹿野郎、格好付けてんだよ。」

 

 

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3-B

 

 

「比企谷、ちょっといいか?」

 

 

「葉山....何だよいきなり。」

 

 

「奉仕部に....いや、君に折り入って頼みがあるんだ。」

 

 

「は?お前が俺に?」

 

 

「俺だって自分の力で君みたいに解決したい。....けど、1人じゃどうしようもないことだってある。君にももう分かるだろ?」

 

 

それは痛い程味わった。だから俺は人に頼るという選択をすることができた。以前の俺なら逃げだと感じていただろう。1人でできることに何故他人を巻き込むのだろう。.....と。

 

 

「分かった。お前の依頼は俺が引き受ける。俺以外の奉仕部メンバーには言えないことなんだろ?」

 

 

らしくもないな。以前だったら葉山の頼みなんて、絶対に聞かなかった。まあこいつに借りを作る良い機会だと考えておこう。

 

 

「意外だな、君が簡単に俺の頼みを聞くなんて。」

 

 

「お前頼みたいのか頼みたくないのか、どっちなんだよ。まあお前の依頼内容は大方予想がつく。雪ノ下のことだろ?」

 

 

「さすがだな、話が早くて助かるよ。」

 

 

「お前と雪ノ下の間に、以前何かあったのは見て分かる。理由は雪ノ下のためにも聞かないでおいてやる。」

 

 

葉山のことだ、全てを丸く収めようとした結果、雪ノ下を更に陥れる形となったのだろう。しかし1年間こいつを見ていた俺には、悪意があってそんなことをした訳ではないことくらい予想がつく。こいつはただ単に、みんなの求める葉山隼人を演じていただけだ。出来損ないのピエロだ。

 

 

「ああ、助かるよ。」

 

 

「だが、その依頼は長期的になるぞ?一朝一夕で解決する問題じゃない。由比ヶ浜ならともかく、相手は雪ノ下だぞ?」

 

 

「ああ、分かっている。だから今日依頼したんだ。去年1年間...いや、これまで何もできなかったからだ。」

 

 

「あまり期待はするな。それと、場合によっては、いや、最終的にお前を裏切ることになるかもしれない。」

 

 

「それでもいい。それでも俺は、雪乃ちゃんとの止まっていた時間を進めたい。君に雪乃ちゃんを奪われようとも、1からまた始めたいんだ。」

 

 

葉山は雪ノ下が好きだ。しかし雪ノ下がああなってしまっては.....まあ葉山の心中お察しする。

 

 

「お前の気持ちはよく分かった。その代わり、俺と取り引きしないか?」

 

 

「取り......引き.....?」

 

 

続く

 

 






葉山と八幡、相容れない2人がまさかの協力関係に!?次回もお楽しみに!

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