比企谷八幡は選択する   作:calpass

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こんにちは!
最近も少しずつではありますが、お気に入り登録して下さる方々が増えてまいりました!本当に有難いことです!初めてこう言った活動をしているので、内心不安しかありません。ですが、皆様のご声援や貴重なご意見が私の創作意欲を掻き立てるカンフル剤となっております。これからも、矛盾点や面白いと言ったコメントを頂けると、とても嬉しいです。まだまだ完結まで先は長いですが、お付き合い頂けることを心より願っております。


それでは、第10話スタートです!




比企谷八幡と葉山隼人は相容れない

 

 

「は、葉山!?」

 

 

「やっと気づいたか、いくら相手が君でも俺はショックだよ。」

 

 

苦笑いを浮かべる葉山だったが、内心俺は動揺を隠せなかった。何で選りに選ってこいつと同じクラスなんだよ。ていうか今の状況海老名さんだったら......考えるのは止そう、HPが0になる。

 

 

「お前も同じクラスだったのか、意外すぎて言葉もでねえよ.....」

 

 

「それには同感だね。選りに選って君と同じクラスになってしまうなんて。」

 

 

こいつ!!新学期早々喧嘩売ってんのか?俺がの●太君だったらあの手この手でこいつを社会的に抹消する道具を、あの青いタヌキに頼み込んでやる。早く来いよ22世紀。

 

 

「そんで、スクールカーストトップのお前が、最底辺の俺に何の用だよ。」

 

 

「特に用事がある訳じゃないよ。ただ、元同じクラスだった君がいたからね。一応挨拶をしに来ただけさ。」

 

 

「ああ、そうかよ。お前と仲良いって思われるのは癪だから、さっさとどっか行けよ。」

 

 

「あはははは。言われなくてもそうするつもりだよ。それじゃ。」

 

 

葉山と同じクラスにしたのが、誰かの計らいだった場合俺は一生その教師を恨む。俺はあいつが嫌いだ。俺とあいつが似ているとか言ってくるやつもいるが、真逆だからな?スケッ●ダンスみたいに生き別れの兄弟じゃねえからな?違うよね?絶対違うと誰か断言して!!

 

 

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まさか比企谷と同じクラスになるとはな....。彼は俺を嫌っているが、俺も彼を嫌っている。というより、彼より劣っていると感じている自分が嫌いだ。雪乃ちゃんやいろは。それだけじゃない。彼を取り巻く人々は皆良い意味で変わってしまった。全てを丸く収めようと考える俺を、彼は彼自身のやり方でそれすらも丸め込める。彼の自己犠牲により、雪乃ちゃんや結衣は傷付いた。自分が大切に思う人が傷付いたやり方が.....俺は嫌いだ。

 

 

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始業式を済ませた俺たちは荷物をまとめ、帰る者もいれば部活へと足を運ぶ者もいる。俺も部活へ行くため荷物をまとめいてると、葉山を取り巻く葉山帝国の国民たちに目がいった。

 

 

「葉山くん今日からよろしくね!」

 

 

「葉山くんと前から話したかったんだー!」

 

 

「葉山くんマジかっけえよ!!」

 

 

「葉山くんと同じクラスになったとかみんなに自慢だわー!」

 

 

みんな葉山に洗脳されているようだ。異常すぎる葉山信者の言動に、俺はドン引きした。あいつの何がいいのかさっぱり分からん。俺は絶対あの国民にはならん。やはりぼっちこそ至高。俺は改めて決意を固め、奉仕部へと向かった。

 

 

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と思ったが、

 

 

「我だ。」

 

 

えっと、どちら様かな?知らない人に声を掛けられても、絶対付いて行っちゃダメって子供の頃から教わってるしな。それに習おう。うん、そうしよう。

 

 

「ちょっと!?やめて!無視だけはやめてー!!」

 

 

「何だ材木座か。用が無いならさっさと帰れ。」

 

 

「今絶対分かってたよね?絶対分かってて無視したよね?」

 

 

「いや、お前が何言ってるのかさっぱり分からん。」

 

 

「はちえも〜ん....。」

 

 

さすがに材木座が涙目で訴えてきたので、いじるのはここまでにした。別にいじめじゃないよ?いじめじゃないからね?

 

 

「そんで、何の用だ?」

 

 

「けぷこんけぷこん。....実はだな、我もB組なのだ。これは

何かの陰謀、いや運命と言っても過言ではないだろう。やはりこの剣豪将軍材木座輝義、八幡菩薩の....ってちょっと待って!無視だけはお願いだからやめてー!!」

 

 

俺は材木座を置いて、奉仕部へと向かった。

途中何度も「はちえもーん、はちえもーん」と悲願する声が聞こえたが、幻聴に違いない。

 

 

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「うーっす。」

 

 

「あ、ヒッキーやっはろー!」

 

 

「こんにちは、比企谷くん。新しいクラスにはもう慣れたかしら?」

 

 

「お前絶対分かりきって言ってんだろ。」

 

 

本当にこいつは俺を貶すといい笑顔を浮かべる。チクショウ、可愛いじゃねえか。言っとくが俺は別にドMではない。違うと信じたい。違うよね?

 

 

「ヒッキーは知り合いいた?」

 

 

ナチュラルにぼっちの俺にこういうこと言ってくるけど、由比ヶ浜には悪意はない。悪意がない分残酷ではある。繰り返し言うが悪意はない。ないよね?

 

 

「実は葉山がいてだな.....ついでに材木座も。」

 

 

「中2はともかく、隼人くんと同じクラスだったんだ!今年も大変そうだね....あはは。」

 

 

今サラッと材木座disったよね?このことは材木座には内緒にしておこう。さすがに俺もそこまで鬼じゃない。

 

 

「そうね、中2さんはともかく葉山くんと一緒だなんて、今年の比企谷くんもヒール役続行ね。」

 

 

お前もかよ。材木座に幸あれ。

 

 

「なんで俺がそんなことしなきゃならん。その悪意全部葉山に向けてやる。」

 

 

「さっそく悪意が滲み出たわね、万年ヒール谷くん。」

 

 

「おい、全然名前とカスってねえぞ。」

 

 

「ヒッキーヒールになるの?誰かの靴になるの?」

 

 

「「.....」」

 

 

お前ほんとどうやってこの学校に受かったんだよ......

 

 

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俺たちは受験生ということもあり、これからは依頼人を待つ間は各自受験勉強をすることにした。由比ヶ浜は雪ノ下に懇願し教わっている最中だ。本当に雪ノ下さんは由比ヶ浜さんに甘い。小沢さんより甘い。

 

 

しばらくするとドアの方から何者かがノックする音が聞こえた。

 

 

「どうぞ。」

 

 

ガララッ「し、失礼しまーす....」

 

 

無理もないよね。別棟に存在すら知らない部活があるもんね。そうなるのも無理ないよね。

 

 

「って、大志か!?」

 

 

「あ!お久しぶりです!お兄さん!!」

 

 

こいつ....。お前にお兄さんと呼ばれる筋合いなどない。

 

 

「川崎さんの弟の川崎大志くんね。どうしたのかしら?」

 

 

「去年は本当にありがとうございました!大変お世話になりました!それと....えっと、今日は小町ちゃ....小町さんはいないですか?」

 

 

俺の愛する妹に「ちゃん」付けで呼ぼうとしやがって....馴れ馴れしい。大人気なく思わず睨んでしまった。やはりあの時こいつを排除しなかったのは一生の不覚であった。

 

 

「あ、そういえば小町ちゃん来てないね!ヒッキー、何か知ってる?」

 

 

「今日新学期始まったばっかだぞ。本入部どころか、仮入部も始まってない。」

 

 

ちなみに総武高校では新入生を対象に、新学期が始まって1週間後に仮入部。その1週間後に本入部となっている。つまり、小町は1週間後にこの奉仕部へと参加することとなる。

 

 

「それで、お前の用事はそれだけか?」

 

 

「えっと....実は小町さんに関して、その、相談したいこ「断る。」

 

 

「ヒッキー決断早すぎだし!!」

 

 

「大志、お前小町に告白するとか、そういう浅はかな考えだったら帰れ。もくしは帰れ。」

 

 

「帰ることしか選択肢にないんだ.....あはは。」

 

 

「由比ヶ浜、仮にもこいつは小町の知人だ。さすがに俺も鬼じゃない。本当ならば今すぐにでも排除したいまである。」

 

 

「シス谷くん少し黙りなさい。まだ依頼人の依頼を最後まで聞いてないわ。」

 

 

「雪ノ下先輩すみません、ありがとうございます。えっとですね、小町さんに告白したい訳じゃないんです。小町さん先月誕生日だったじゃないですか?春休み中だったってこともあって、その....誕生日プレゼント渡しそびれちゃって。タイミングを逃しちゃったんです。」

 

 

「それなら俺が渡しておくが。」

 

 

「いえ、お兄さんのお気持ちはありがたいですが、自分で直接渡したいんです。」

 

 

「分かったわ。私たちはその手助けをすればいいのね?比企谷くん、そのくらい許してあげたら?」

 

 

「そうだよヒッキー!友達として渡したいだけだよ!」

 

 

「ぐっ....。しゃーねーな。今回だけだからな。それ以上のことをしてみろ、俺が許さねえからな。」

 

 

「はぁ、全くこの男は....」

 

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 

こうして、新学期初の依頼が始まることとなった。

 

 

 






記念すべき第10話目はこんな感じです!果たして大志くんは小町ちゃんにプレゼントを渡すことができるのでしょうか!?


それではまた次回お会いしましょう!

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