一月中旬。思いも寄らぬ事態が起きた。
艦娘達
「提督が鎮守府に着任できない!?」
信長が鎮守府に来れなくなっていた。
大淀
「なんでも提督の
長門
「修理にはどれくらいかかる?」
大淀
「約4週間とのことです。」
長門
「1ヶ月か。」
隼鷹
「どうするの?
長門
「それまでに着任出来なければ今回の
吹雪
「司令官とは連絡取れないんですか?」
大淀
「残念ですが、現在提督の所在が掴めていません。」
不安が募る艦娘達だった。だがその時、一通の通信が届いた。
信長
『ワシだ。』
今まで連絡が取れずにいた信長だった。
吹雪
「司令官!今何処にいるんですか!?」
信長
『五稜館学園だ。』
長門
「五稜館学園?」
大淀
「おいヒゲ。今
艦娘達
「は?」
ちなみに五稜館学園は女子校である。
信長
『その話は置いといてだ。』
吹雪
「置いとかないで下さい。何ですか女子校って?」
信長
『話進まんから後にしてくれ。』
信長から今後の命令が下された。
信長
『お前達艦娘の中から『提督代理』と『秘書艦』を決め、行動してもらう。
大淀
「『大淀ドロップ作戦』ですね。」
信長
『違うし、しつこいなお前も。』
翔鶴
「ところで提督。一つ質問が。」
信長
『何だ翔鶴。』
翔鶴
「なぜ女子校なんかに滞在してるのでしょう?」
信長
『ワシにもいろいろ事情があるのだ。』
翔鶴
「失礼しました。提督は私以外の
信長
『そんなことしてないし、挑発的な単語を載せるな!』
???
『隊長さん。少しよろしいでしょうか。』
すると謎の少女が艦娘達の前に姿を現した。
椿芽
『初めまして佐世保鎮守府の皆さん。『フィフスフォース』チーム『アルタイルトルテ』のリーダー『美山椿芽』と申します。』
吹雪
「佐世保鎮守府秘書艦の特型駆逐艦吹雪です。」
携帯アプリゲーム『スクールガールストライカーズ』主人公『美山椿芽』は信長とは親しい人物なのだ。
椿芽
『隊長さんは私達フィフスフォースが責任を持って預かりますので、皆さんは安心して任務を実行して下さい。それではまた。』
信長
『おい切るのか!まさか切・・・・。」
五稜館学園の通信が切れた。
吹雪
「全艦!五稜館学園に向けて出撃!!
艦娘達
「了解!!」
大淀
「お前ら落ち着け。」
提督不在の今、艦娘達で提督代理と秘書艦を決める為の会議を始めた。
吹雪
「長門さん。今回だけ秘書艦をお譲りします。」
長門
「なんだと!?」
吹雪は、長年勤めていた秘書艦の席を長門に譲ろうとしていた。
長門
「どう言う風の吹き回しだ?」
吹雪
「私も大人気なかったです。長門さんがあれだけ秘書艦を希望していたのに、意地を張ってあなたに譲ろうとしなかった。だから今回は良い機会かもしれないって思ったんです。」
長門
「吹雪・・・・やっとわかってくれたか。」
大淀
「いいんですか?一ヶ月間、吹雪さんにこき使われるんですよ?」
長門
「は?」
長門が秘書艦になると言うことは、吹雪が自動的に秘書艦から提督代理の権限を持つ事になる。
長門
「ちょっと待てぇ!!なんでこいつが提督代理になるんだ!?おかしいだろ!!」
吹雪
「大丈夫です!!長門さんはとっても頼りになる佐世保鎮守府最強の艦娘ですから(プロレスラーをこき使うだけ使って、最後はボロ雑巾のように捨てますから)!」
長門
「カッコが本音だろ!!」
吹雪と長門の喧嘩は今に始まった事ではないが、艦娘達に不安が積もる一方だった。
由良
「ハイハイ!二人ともそこまで。」
そこに一人の艦娘が名乗りを上げた。
由良
「これじゃいつまで経ってもキリがないから私が提督代理として皆さんを指揮をします。」
長良型軽巡洋艦四番艦『由良』。山城同様この鎮守府の古株にして軽巡洋艦で最初に着任した艦娘で、面倒見がいい。
由良
「では賛成の方挙手をお願いします。」
その為、艦娘達からは彼女の信頼があるので迷わず全員賛成した。
吹雪
「うん。確かにそうだね。」
長門
「悔しいがあいつなら任しても問題ないな。」
この二人ですら、由良に意見出来ないくらいである。
由良
「じゃあ次は秘書艦を決めましょう。誰かやりたい人はいる?」
長門
「ならこのビッグセブンに任せてもらおうか!」
吹雪
「ちょっと!なに抜け駆けしてるんですか!!」
長門
「いやさっき秘書艦を譲ると言っていたのでな。問題ないだろ?」
吹雪
「何言ってるんですか!!あれは長門さんをこき使う為に秘書艦に任命したんです!それ以外の理由なんて認めません!!」
長門
「大淀。私の図鑑のプロフィールを一部訂正してくれ。「
大淀
「出来るわけねーだろ。何怖い事言ってるんですか。」
だが由良は吹雪と長門を秘書艦にするつもりはなかったようだ。
由良
「吹雪さんはずっと秘書艦やってるから、ここらで気分を入れ替えて遠征に行ってもらいましょう。」
吹雪
「え?なんで遠征?」
由良
「長門さんはアニメでずっと秘書艦でしたから待機でいいですね。」
長門
「いやそれ私であって私じゃないし。関係ないよね?」
由良
「だってアニメじゃ威張るだけ威張っといて自分から出撃しなかったじゃないですか。」
長門
「そりゃアニメじゃ秘書艦だからね。それに最終回は出撃してたよ。」
由良
「でもそれって大和さんが攻略艦隊の指揮してるのを横取りしたような感じですよね?大和さん怒ってましたよ。」
長門
「いや怒ってたのアニメ版の大和だからね。」
大和
「そうですね。DVDで見ましたがあれは流石に頭にきました。」
長門
「お前もか。」
由良
「いいですよね。お二人はアニメに出られて。私なんて比叡さんのミラーリングシステムのサポートぐらいでしか出てないのに。」
比叡
「由良?それ艦これじゃなくて別のアニメの
由良
「さらにその比叡さんは陽炎型
比叡
「またさらに別のアニメの
由良
「と言うわけでお二人は秘書艦やらなくていいですね?」
吹雪、長門
「あの納得できないんですけど?」
由良
「ね。」
吹雪、長門
「はい・・・・。」
大淀
(たまにあの「ね。」が怖いのは気のせいかしら?)
由良
「秘書艦は榛名さんにお願いします。」
榛名
「はい!榛名でいいならお任せください!」
提督代行長良型軽巡洋艦四番艦『由良』と、秘書艦金剛型三番艦『榛名』を中心に、鎮守府の生活が始まった。
その翌日。
山城
「艦隊が帰投しました・・・・。」
由良
「お疲れ様。戦果はどうでした。」
山城
「ぶっちゃけ提督が指揮してた時より楽に攻略できた。」
それからと言うのも、由良が提督になって以降、艦娘達には大好評だった。
そして月日が経ち、
榛名
「提督・・・・着任しませんでしたね。」
霧島
「もう
由良
「現時刻を持って予定していた
信長
「今戻った!」
誰もが諦め掛けていたその時、信長が鎮守府に着任して来た。
由良
「提督さん!」
榛名
「提督!」
霧島
「よく戻られました!司令!」
信長
「今日修理を終えたと業者から知らせを受けてな、ヨドバシまで取りに言っていた。」
霧島
「あれ?ですがそれって司令が本業で働いている製造業のお仕事を終えてからですよね?それにしてはいつもと遅いような気もしますが?」
榛名
「確かに。平日ならヨドバシ寄ってもテレ東の子供向けアニメが始まる頃には鎮守府に着任してるのに、
信長
「いやその後、劇場版『相棒』の夜間の部を観て『牛角』でメシ食ってたら遅くなった。」
榛名、霧島
「こんな大事な日になに劇場版『相棒』観に行ってるんですか。」
イベント海域解放日だったこの日は、劇場版『相棒』の上映日だったのだ。
由良
「提督さん。お帰りなさい。」
信長
「やはりお前が提督代理を務めていたか。苦労を掛けたな由良。」
由良
「いいえ。提督さんが無事に戻って来られただけでも由良は嬉しいです。」
信長
「心配を掛けた。だがこれから忙しくなるぞ!」
霧島
「既に作戦は上層部から発令されていますが、作戦開始は明日の正午になりそうです。」
信長
「バカを申せ。今夜には前段作戦を攻略するつもりだ。」
榛名
「ですが作戦会議は!?」
信長
「必要ない。阿武隈、鬼怒、吹雪、睦月、如月、夕立を呼んできてくれ。直ぐに出撃させる。」
大淀は直ぐに信長が指名した艦娘達を連れてきた。
信長
「これより『光』作戦の前段作戦を行なってもらう。トラック泊地の偵察戦力を増派するための準備として物資を舞鶴湾に運んでもらう。」
阿武隈
「なるほど!だから『大淀ドロップ』作戦攻略艦隊の阿武隈達が選ばれたんですね!」
鬼怒
「なんか納得!」
信長
(こいつらの中で『輸送船団護衛』が『大淀ドロップ』作戦になっとる。)
輸送船団護衛作戦のプロである阿武隈達が選抜された。
信長
「これより偵察戦力緊急展開!『光』作戦を発令する!!全艦!作戦海域に向けて出撃せよ!!」
2月10日。信長は
由良
「ところで提督さん。
信長
「まあいろいろと・・・・。」
榛名
「ではゆっくりと取調室で洗いざらい喋ってくださいね?」
信長
「いや・・・・それは。」
由良、榛名
「ね?」
信長
「はい・・・・。」
霧島
「流石の提督も、二人の前では顔が上がりませんね。」
続く
今年に入って、足を骨折したり、パソコンが壊れたり、間宮アイスが買えなかったりと出だしから不吉な年になりました。
パソコンが壊れている間はスクールガールストライカーズとオセロニアをやっていました。