ゼロの使い魔 ご都合主義でサーヴァント! 作:AUOジョンソン
久しぶりなので前よりも文章が支離滅裂な部分あるかもしれませんが、それでもいいよという方は、新しい世界で繰り広げられる主人公君の物語をお楽しみください。
それでは、どうぞ。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール」
多くの生徒たちに囲まれ、桃色の髪の少女がタクトのような杖を振り上げて言葉を紡ぐ。
すでに目の前の大地は何度かの魔法の失敗によってクレーターが出来ており、少女自身も少しだけ煤けているように見える。
失敗するたびに聞こえる周りの生徒達からの野次なんかはもう言われすぎて気にならなくなってきたところだ。
先ほど、彼女はこの『召喚の儀』を監督する教師より、次がラストだと最後通告されてしまったので、先ほどよりもゆっくり、一つ一つ丁寧に言葉を続けていく。
「五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、『使い魔』を、召喚せよ!」
裂帛の気合と共に振り下ろされた杖は、大方の見物人の予想に反して、何の反応も示さなかった。
今までは杖を振り下ろすと同時に大きな爆発が起き、それで周りを囲む生徒たちが笑いや呆れの声を上げていたのだが……。
誰かがその違和感に口を開くより早く、変化は始まった。杖を振り下ろした先。少女が使い魔を召喚しようと意識していた場所に、独りでに魔方陣が描かれていく。
それと同時に、自分の左腕に走る痛みに少女は気付いた。……例えるなら、焼き鏝でも押されているかのような(実際に体験したことなどもちろんないが)、今まで味わったことのない苦痛。
「い、づぁっ……な、何よこれ……何が起きてるの?」
思わずへたり込んでしまった少女に、監督役の教師が近づいてくる。無事かと問う教師に頷くことで答え、その問答の間も勝手に描かれていく魔方陣に視線を向ける。
どうにも頭の回らない少女は、教師を見上げて口を開く。
「こ、コルベール先生……これは、どういうことなのでしょうか……?」
「私もこのような事態は初めてですが……もしかすると、これより使い魔が召喚されるのかもしれませんね」
魔方陣の動きが止まる。どうやら完成したようだ。
教師……コルベールが興味深そうにその魔方陣を覗こうとした瞬間……暴風が吹き荒れる。
およそ自然には巻き起こることの無い、暴風と言っても過言ではないその風は、近くに居た少女とコルベールだけではなく、その周りを囲んでいた生徒達まで吹き付ける。
他の人間が吹き付ける突風からそれぞれスカートや目を守っている中、少女は近くにいたコルベールが庇っていてくれているためこの突風の中でも余裕を持って魔方陣を見ていられた。
そして、彼女は見た。魔方陣の上、黄金の光が何かを象っていくのを。
「凄い……」
ただ、その一言が漏れた。こんな召喚方法は見たことが無い。ならば、これから召喚されるであろう使い魔は、きっとどの使い魔よりも素晴らしいはずだ。
確信とも言えるそんな思いを胸に、ルイズは光が形作られるのを見守った。
そして、ついに光の中より、『彼』は姿を現す――。
・・・
というわけで、かなり短いですが第ゼロ話でした。
……これから召喚される『彼』とは一体誰なんだ……という謎たっぷりの導入にできたと思います! 自信ありです! きっと誰が召喚されるかみなさん次のお話まで分からないでしょう!
……なんて某スロットさんみたいなネタをぶっこんだところで、失礼いたします。
誤字脱字のご報告、ご感想お待ちしております。