……そして頭痛、発熱、鼻水、咳……
風邪引きました。orz
すみません。そして短いです、ごめんなさい。
では、どうぞ!
それを教えた当の本人は、あっけらかんとそれを根本から否定する。
「『無限の精霊契約者』って言うのはね、その名の通り無限の『精霊』と契約した人の事なの」
常識を根本から覆す発言。『精霊学科』に入り、『精霊』と関わり始めてから日の浅い俺でもその異常性が分かる。
たった二体と契約しても精神破壊、死が待っているのだ。それに『精霊』は人間を超えた力を持つ存在。一人と契約し、その力を使えるだけでもその人間は周囲の人間を超えたと言っても過言ではないのに、それが、無限。
上限無しで、『精霊』の力が使える。
それが『無限の精霊契約者』なのだ。
「……その存在を、蘇らせようとしているのが、[アマテラス]……?」
「そういう事。だから、その彼を倒してほしいのよね」
「待って下さい、『無限の精霊契約者』も人間ですよね!? なら自我もあるんじゃないんですか? どうして世界侵略を始めると言い切れるんですか?」
重なる疑問。半ば叫ぶように、認めたくないという風に放たれた言葉を聞き、夕張先生はしっかりと返す。
「[アマテラス]にはかなり高度な催眠がある。知ってたら避けるのは簡単だけど、知らなければ回避は難しい。……[光あれ]って言うと、[アマテラス]から光が放たれるの。それを二秒みたらアウト。直ぐに[アマテラス]の言いなりになるわ。体育館に居る時に襲ってきたのも催眠された人たちだしね」
人狼と黒フードだろう。確かにあいつらは、「光あれ」と呟いていた。
あの日の事を思い出して、俺は取りあえず納得した。が、もう一つの疑問は解消されずに、俺はもう一度夕張先生に尋ねる。
「……でも、何故俺と涼花が[アマテラス]を倒すんですか? 隼人とかの方が強いし、俺はポゼッション・リンクも出来ないんですよ?」
俺と涼花よりも、隼人と涼花のペアの方が全然強い。それは誰の目から見ても明らかだ。
夕張先生はきょとんと首を傾げ、口をそっと開く。
「んー、まあそれは追々、かな。まだ時間はあると思うしね。取りあえず、今日の事だけは覚えておいてね?……涼花ちゃんの戦う理由は、涼花ちゃんに聞いてみな?」
夕張先生はそう言うと、白いチョークを腰のポーチに入れてチャックを閉めた。そのまま俺に手を振って教室を出ていき、空が赤く染まり始める寸前の光が満ちる教室の中で、俺は一人取り残される。
「……[アマテラス]……光あれ? ……」
何故だ。どうして、どうしてか―――――、
「聞き覚えが、ある……?」
一人困惑し、立ち尽くす。
フィニティは何も言わず、ただ黙っていた。