これは本編よりも大分後の話になりますが、
外伝なので気楽に見ていただけると嬉しいです。
改めてダイヤさん誕生日おめでとう!
外伝 金剛石の輝き
1月1日午前9時。俺はとある場所へ向かっていた。
(まずい、完全に遅刻した!きっと怒ってるだろうな…)
待ち合わせ場所まで全速力で走っていくとすでに彼女はそこにいた。
「海藤さん!遅いですわよ!」
「すみません…」
「もう!どれだけ待ったと思ってるのですか?」
「あれ?ダイヤさん。まだ待ち合わせ時間から五分しかたってませんけど…どういうことですか?」
「そっ//それはですね…そ…そうです!少し早くついてしまっただけですわ!」
「そうですか。では行きましょう」
「はい!」
────────────────────────
(無理ですわ…言える訳ないですわ…海藤さんとのデートが楽しみだからといって三十分も早くついてしまったことなんて!)
こんなことを考えていたダイヤさんであった。
(それにしても…お誘いを断わられなくて本当によかったですわ)
私、黒澤ダイヤは海藤さんとお付き合いをしているわけではありません。いずれはそうなって欲しいと願っているのですが…
何故この二人がデートをすることになったのか。時は数日前に遡る。
────────────────────────
(リラックスですわ…緊張していることを彼に悟られたら大変ですわ…)
「も、もしもし…海藤さんですか?もしよかったら元旦の日に一緒に初詣に行きたいのですが…」
「元旦の日ですか?予定は何もないので大丈夫ですよ」
「ほ…本当ですか?ありがとうございます!」
「では、元旦の日に会いましょう!楽しみにしていますよ!」
彼はそう言って電話を切った。ダイヤはしばらくの間受話器を置くことが出来なった。
(やりましたわ!海藤さんとのデートですわ!)
それからというもの何をするにも上機嫌なダイヤのことが気になったのかルビィがダイヤに尋ねてきた。
「~♪」
「お姉ちゃん?なんだか嬉しそうだね?何かいいことでもあったの?」
「まぁ そんな感じですわね♪」
「もしかして…」
ルビィはダイヤの元へ駆け寄ると小声で言った。
「もしかして海藤先輩とデート?」
それを聞いたダイヤの顔は一瞬で真っ赤になった。
「なっ//なななななんでそれが…」
「だってお姉ちゃん、海藤先輩の話をするときはいつも嬉しそうなんだもん♪」
(ふ…不覚ですわ…まさか妹に気づかれているなんて)
「大丈夫だよお姉ちゃん。デートの日の服は私が選んであげるね!とびっきり可愛いの!」
「うふふ…期待していますわよ」
ルビィは当日の服装に浴衣を選んだ。何故かと聞いてみると
「お姉ちゃんには浴衣が一番似合うからね!それに今日はお姉ちゃんにとって特別な日でしょ?」
「…ありがとうルビィ。本当に貴女は自慢の妹ですわ」
「えへへ…ありがとうお姉ちゃん!」
「それでは行ってきますわ!」
────────────────────────
「ダイヤさん」
「何ですか?海藤さん?」
「その…今日の服装…とても似合ってますよ//」
「あ、ありがとうございます//」
本当に海藤さんにはドキドキさせられっぱなしですわ。少し悔しいのでやり返してみることにしました。
「あの…海藤さん//」
「どうかしましたか?」
「その…手を繋ぎたいです…なんて//」
海藤さんの顔を見てみると今の私と同じぐらい顔を真っ赤にしていました。
「勿論…いいですよ//」
海藤さんの手が私の手に重なる…そして伝わってくる彼の手の温もり…それからはお互いに無言だった。やがて 神社に到着すると…
「海藤さん。御神籤を引きに行きませんか?」
「いいですよ」
「こっ…ここの神社の御神籤は…その…恋愛運を占ってくれるのですよ」
「そうなんですか!知らなかったですね」
「折角なので…引いてみませんか?」
「そっ…そうですね…俺も少し気になりますし…」
二人は恋愛の御神籤を引きに行った。勿論、手は繋いだままだったので周りからの目線がすごかったとかすごくなかったとか…
「海藤さん!私、大吉でしたよ!」
「よかったですね!俺は小吉でしたよ…」
「すみません…一人ではしゃいでしまって…」
「ダイヤさんってこういうのに興味のあったんですね。誰か好きな人でもいるんですか?」
海藤さんはとんでもないことを聞いてきました。そんなの言える訳ないじゃないですか…だって私の好きな人は…貴方なのですから…
「い…いませんわ…少し気になっただけですわ」
「そうなんですか…」
「そういう海藤さんは好きな人がいるんですか?」
「俺は…いますよ//」
「そ…そうですか」
海藤さんの好きな人…少しだけ気になりましたが聞かないでおきました。自分のことは話さないのに人のだけ聞くなんてずるすぎますし…聞いてしまうのが怖かったのです。
「ダイヤさん。少し移動しませんか?」
「はい?いいですわよ」
私には海藤さんの考えはわかりませんでしたが、彼からのお願いは断る訳がありません。
「それでは、行きましょうか」
「は…はい!」
私達は彼の目的の場所へと向かって歩き出しました。
──────────────────────
歩くこと五分、私と彼がいるのはいつも練習で使っている浦の星学院の屋上だった。
「やっと二人っきりになれましたね」
「……そ…そうですね//」
今日の海藤さんはいつもと違いますわ…なんか…いつもより格好いい気がします…そして、彼は私の方へ向き直って言った。
「ダイヤさん。誕生日おめでとうございます!」
正直、私は驚きましたわ。彼が私の誕生日を覚えているわけがないと思っていましたから…
「あ…ありがとうございます//」
「あの…これ…受け取って下さい//」
彼が差し出してきたのはダイヤのネックレスだった。
丁寧にカットされたダイヤの輝きはとても美しかった。
「あなたへのプレゼントですよ。ダイヤさん…いつもお世話になっています。本当にありがとうございます!」
「嬉しいです…海藤さん…ありがとうございます!」
私は彼に抱きつきながら言った。嬉しいのに涙が止まらない…きっとこれが本当の幸せというものなのだろうか。
「ダイヤさん…これからもよろしくお願いします!」
海藤さん…こちらこそよろしくお願いしますわ。今はまだ伝えられないけどいつかはこの気持ちを貴方に正直に伝えます。
それまで待っていてくださいね…
To be continued…
これからも誰かの誕生日にはこのような外伝を投稿しようと思います。遅刻はしないように頑張ります!
それではまた。