前回までのあらすじを説明していきますね~
イッセーちゃんの家へとお呼ばれして遊びに行ったら冥界のトンデモ特撮番組を見させられる羽目になっちゃったのよね~......。
まさかその番組に私(のそっくりさん)まで出ているんだから驚きを隠せなかったわ~
さて、これであらすじ説明は終わり♪あとは本編を楽しんでいってくださいな~
side幽々子
「修学旅行?」
本日の授業も終わり、部室で寛いでいた時に小猫ちゃんがそんなことを伝えてくる。
「......はい、この時期は駒王学園の二年生は二泊三日で何処かへ修学旅行に行くんです」
あぁ...確か今朝の朝礼の時に先生方が何か言っていた気がするわね~......。
聞いた話だと京都に二泊三日で旅行に行くんだとか......。
幽々子先生もどうですか?って言われたからついお願いしちゃったけれど、正直そこまでよくしてもらっていいのかって思ったりしてるのよね......
私、こう見えても随分年上だし......。
それにしても京都ね~...。
私が知ってる京都は随分昔の
と、そんなことを考えていると、今まで優雅に紅茶を飲んでいたリアスちゃんが不意に口を開いたの。
「修学旅行?そういえば二年生はそろそろ修学旅行だったわね」
「部長たちは修学旅行は何処に行ったんすか?」
イッセーちゃんの問いに答えたるように口を開いたのは朱乃ちゃんだったわ。
「私たちも京都ですわ。部長と一緒に金閣寺、銀閣寺と名所を回ったものですわ」
リアスちゃんもそれに頷いて答える。
「そうね、あの時は楽しかったわ...。
あなた達、幽々子先生も、京都に行くのであれば綿密な計画を立てておいた方がいいわよ。あまり高望みしすぎると時間が足りなくなって後悔することになるから」
あらあら、そんなことを言うという事はリアスちゃんが実際に経験したからかしら?
そんなことを思っていると、朱乃ちゃんがクスクスと笑いながら話し出す。
「移動の時間も含めて計算しておかなかったのが痛かったですわね、部長ったら、これも見るあれも見るとやっていたら、時間が足りなくなってしまって、最後に行くはずだった二条城に行けなくて駅のホームで悔しそうに地団駄踏んでいましたのよ?」
「リアスちゃんらしいわね~」
そんな風に話していると、話を傍で聞いていたリアスちゃんが顔を赤らめて言った。
「もう、それは言わない約束でしょう?でも、私もはしゃぎ過ぎたわ。日本好きの私としては憧れの京都だったから、必要以上に街並みやお土産屋さんに目が行ってしまったの...。それと、私らしいってどういう意味よ幽々子先生......」
「あら、なんの事かしらね~」
「むっ...なんだか小馬鹿にされてる気がしてならないわ...」
そう言って小さくむくれるリアスちゃん。
そういう子供っぽい所があなたらしいのよ?気が付いていないみたいだけれどね~♪
朱乃ちゃんと二人してクスクス笑っていると、不意にリアスちゃんが話題を変えてきた。
「旅行もいいけれど、そろそろ学園祭の出し物についても話し合わないといけないわ」
また聞いたことのない単語が飛び出したわね~......。
「学園祭?」
「......駒王学園が開催する学校行事の一つです。校舎を一般開放して生徒たちがお店を出したり展示を飾ったりするんです」
へえ、学校総出でのお祭り行事なのね~
隣ではアーシアちゃん達教会トリオがワイワイと話し合っている。
「確か去年はオカルト研究部の出し物ってお化け屋敷でしたっけ?俺、その時は所属してませんでしたけど、結構本格的な作りだったって評判でしたよ」
「えぇ、だって本物のお化けを使っていたのだもの、それは怖かったでしょうね」
・・・・え?
「ちょっとリアスちゃん?本物つかってやってたの......?」
「...?えぇ、人間に害を与えない妖怪に依頼して、お化け屋敷で脅かす役をやってもらったわ。その妖怪たちも仕事がなくて困っていたみたいだったからお互い丁度良かったのよ。おかげで大盛況だったわね」
それは大盛況でしょうね......。
リアスちゃんて悪魔だからか、何処か少し抜けているというか...人間とはズレた感覚を持っていることがあるわよね......。
後に続くように朱乃ちゃんが話す。
「後で生徒会に怒られましたわね。当時副会長だったソーナ会長から、『本物を使うなんてルール無視もいい所です!』って怒られましたわ」
それもそうよね......
まさかお化け屋敷に本物のお化けを連れて来るだなんて普通考えないもの......。
「じゃあ今年もお化け屋敷にしますか?それとも段ボールヴァンパイアのサーカスでもやります?」
「幽々子先生ええぇぇぇぇっ!先輩がいじめてきますぅぅぅぅっ!」
私にしがみついてしくしく泣き始めるギャスパーちゃん。
「ほらほら泣かないの~男の子でしょ?」
「うぅ...でもぉ...」
こうしてみると時々本当に男なのか分からなくなるのよね......。
そんなことを考えていると私を除く全員のスマホが鳴り出したの。
それを聞いたみんなは静かに頷き合う。
「幽々子先生、少し出かけてくるけど、先生はどうするの?」
リアスちゃんが神経そうな声音で聞いてくる。
これは何かあったわね......。
なら、私のやることは一つよね。
「えぇ、私も行くわ」
その言葉にリアスちゃんは小さく頷いていった。
「―—―行きましょう」
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街のある廃工場......。
そこに私達は来ていたの。
既に日は落ちていて辺りは真っ暗。
暗い工場内に多数の気配を感じ取った。
その気配達からはさっきと敵意が向けられている。
「―—―グレモリーの眷属と亡霊の姫か、嗅ぎ付けるのが早い」
そう言いながら暗闇から現れたのは黒いコートを着込んだ男性だった。
男性の周囲からは人型の黒い異形の存在が複数顔を覗かせている。
ざっと見ただけでも百近くはいるわね......。
リアスちゃんが男性に話しかける。
「『
男性はその言葉に口の端を吊り上げながら言う。
「あぁ、存じ上げておりますとも。魔王の姫君。そして、人間に仇成す邪悪な亡霊姫。我々の目的は貴様たちを浄化し、この街を救うことなのだからな」
ふぅん...この街を救う...ねぇ~......。
これは自分の力に酔って他種族を見下しているタイプの人達ね......。
こう言う人達には一度、キツーいお灸を据えてあげないといけないわね~♪
「リアスちゃん、それに他の子たちも下がってちょうだい。ここは私がやるわ」
リアスちゃんたちの前に出ながら言う。
「幽々子先生...分かったわ、でも危なそうだと判断したらすぐさま加勢するから。あなたなら心配は必要ないと思うけど」
さすがリアスちゃんね、私の事をよく分かってるわ~♪
グレモリー眷属が下がったのを確認して、私は男性に向き直る。
「さあ、私が相手してあげますわ。全員、どこからでもかかっていらっしゃいな」
挑発するように扇子で口元を隠し、薄く微笑む。
「お前一人で我らを相手するだと?大きく出たな、消えて後悔するがいい!!」
暗闇から一斉に攻撃が私に向けて放たれる。
白い炎、青い光の矢、緑の光の矢等々様々な攻撃が私に迫る。
しかし、私はそれらの攻撃を何一つ被弾することなく躱していく。
敵が油断するように敢えて当たりそうな紙一重でギリギリ躱していると思わせるように......。
しかしそれでも被弾することや服の裾を掠ることすらしない。
そんなやり取りがしばらく続くと、英雄派の方々が痺れを切らしだしたかのように叫び出す。
「なんでだ!なんで当たらない!」
「さっきから全部ギリギリで躱してやがる!もうちょっとで当たりそうなのに!!」
「早く...ッ!早く当たりやがれよおぉぉぉっ!!」
キャンキャンキャンキャン煩いわね~......。
私がわざとやっていることにも気が付かないなんてお頭が悪いにもほどがあるんじゃないかしら?
そろそろ飽きてきたし、終わりにしてあげましょうか。
「終わらせてあげますわ!スペルカード!
―――死符『ギャストリドリーム』―—―」
私がスペルカードを宣言すると、高密度の弾幕が英雄派に向かって撃ち放たれる。
「そんなものはこうしてくれる!」
英雄派の一人がそう言うと、影が盛り上がり、弾幕の前に立ちはだかる......けど。
「そんなものは無駄よ~」
弾幕は影をすり抜け英雄派の者たちに次々と被弾していく。
「「「「「なっ!なんだこれは!ぐあぁぁぁぁぁ」」」」」
(ピチュピチュピチュピチュピチュピチューンッ!!!!)
避けることもままならず、英雄派の人達は全身満身創痍となり膝から崩れ落ち、倒れた。
「お仕置き...完了♪」
そう決めてリアスちゃん達の方を見ると、みんな引きつった顔をして私を見ていたの。
どうしてそんな顔してるの?あなた達だってこのくらいできるでしょう?
「「「「「「「「そんなこと出来るのは幽々子先生だけです!!!」」」」」」」」
えー...そんなこと無いと思うんだけど...酷いわ~......