俺のこんな学校生活も悪くない   作:天然水いろはす

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天然水いろはすです!
次回で比企谷八幡の過去を終わりにしてその次から原作の方に入りたいと思います。では、どうぞ!!


比企谷八幡の過去④

「失礼します」

と言い、入って来たのはひとりの少女……いや美少女だった。

 

「えっと…どちら様ですか?」

と、小町が聞く。

 

俺より交友関係が広い小町でさえ知らないとなると、当然俺が知っているはずがない。でも…雪ノ下さんのようにあの事故の関係者かなんかだろうな。

 

「私の名前は雪ノ下雪乃。…そこにいる比企谷くんの事故の関係者と言った方がいいかしら」

 

やっぱりあの事故の関係者だったか。ん?雪ノ下雪乃……てことは、こいつがあの雪ノ下さんの妹なのか。雪ノ下は姉と違って仮面みたいなものはついてないっぽいな。安心したわ。

 

「それってどう言うことですか?」

 

「その質問を答える前にあなたは誰なのかしら?場合によっては退出してほしいのだけれど……」

と言い、小町を睨む雪ノ下

 

おい、雪ノ下。俺の大事な妹を睨むじゃねえよ

 

「…雪ノ下。俺の妹の小町だ。つまり関係者でもある。」

 

「…え?」

目を見開く雪ノ下

 

「どうかしたか?」

 

「い、いえ。あまりに貴方と似てないものだから…」

 

おーい、雪ノ下。俺の目を見ながらそんな事を言わないでもらえる?地味に傷付くから…。それに小町が俺と似てないのは当然だろ。小町は天使みたいに可愛いんだ。」

 

「お兄ちゃん、人前でそんなこと言わないでよ///」

 

「もしかして、声に出してたか?」

 

「う、うん」

 

「悪かったな。人前では気をつける」

と小町の頭を撫でながら言う

 

「そうしてよね、お兄ちゃん。人前だと恥ずかしいし…」

 

「ふふ、仲がいいのね」

 

「まあ、兄妹だからな」

 

「話が逸れてしまったわね。比企谷くんの妹さんなのね。比企谷さん、さっきは睨んでしまってごめんなさい。」

 

「いえいえ、気にしないでください。それと、小町って呼んでくれませんか?お兄ちゃんと区別がつきませんので……」

 

「わかったわ。…比企谷くんと小町さん。実は私……あの事故の時に比企谷君を轢いてしまった車に乗っていたの。だから、謝罪をしにここに来たの。本当にごめんなさい。」

雪ノ下は頭を下げて言ってきた

 

実は…もなにも、雪ノ下さんから全部聞いたから知ってたんだけどな。

 

「謝る必要はねぇよ。あの車に乗っていただけだろ。だから、その雪ノ下は悪くない」

 

「え、でも……」

雪ノ下はどうやら納得できないらしい

 

「雪乃さん、お兄ちゃんがこう言ってるので気にしなくても大丈夫ですよ」

 

「雪ノ下、あの時は俺が勝手に飛び出したのが悪い。それに車に轢かれる体験なんて早々ないから、むしろ貴重な体験をさせてくれたことに感謝してるくらいだ」

 

「ふふ、そうね。比企谷くんって結構捻くれているのね」

 

「ほっとけ。だからあの事故の話はこれでおしまい」

そう言い、この話を終わらせた

 

 

 

 

「そう言えば、雪乃さんって総武高校に通ってるんですね」

 

「ええ。今日が入学式だったわ」

 

「じゃあ、お兄ちゃんと同じなんですね。もしかして、同じクラスだったりしますか?」

 

「確か、国際教養科のクラスに比企谷くんはいなかったわよ」

 

「ねぇ、お兄ちゃん。国際教養科って何なの?」

そう言えば、俺が普通科のクラスとしか小町に言ってなかったな。

 

総武高校には普通科と国際教養科の2つのクラスに分けられる。国際教養科は普通科より偏差値が2か3程高いクラスだ。しかも、クラスの8割以上を女子生徒が占めていると言われている。

 

「簡単に言うぞ。国際教養科っていうのは普通科より頭がいいクラスのことだ。」

 

「え?だったら、お兄ちゃんは国際教養科じゃないの。主席なんでしょ?」

 

小町の言いたい事はわかるぞ。でもな俺が女子が8割以上を占めるクラスにいたら、変な目で見られるだろ…

 

「…小町さん、比企谷くんが主席というのは本当かしら?」

 

「はい、そうですけど…」

 

「…比企谷くん?」

雪ノ下に呼ばれてそちらを見ると、そこには悪魔がいた。

 

「ひゃいっ!」

怖すぎて噛んだ。2度目だ。顔は笑ってるのに目が笑ってない…。姉妹揃って怖すぎる

 

「比企谷くん。貴方、主席だそうね。」

 

1歩ずつ俺の所にくる雪ノ下。逃げたいけど、体が動かない…。小町に助けを求めようと小町を見ると

 

「〜〜〜♪」

全くできてない口笛で無視された…

 

そして、遂に俺の所にきた雪ノ下が何故か前屈みになり、俺の耳元に…

 

 

「次は負けないわ」

え?

 

雪ノ下は俺の所から離れ小町に「小町さん、私そろそろ帰るわね。」

とだけ言い残して、病室から去っていた。

 

「お兄ちゃん、次は負けないってどういうこと?」

 

「いや、よく分かんねえけど。たぶん雪ノ下は負けず嫌いなんだろ。俺が主席って知った時にあんな反応したから…」

 

「なるほどね。そろそろ暗くなってきたから、小町は帰るね」

小町に言われて外を見ると、もう夕日が沈みかけていた。

 

「気をつけて帰れよ、小町」

 

「うん、また来るね。お兄ちゃん」

 

 

 

 

今日はやけに疲れたな。それに小町以外の人と長い間話すのも久しぶりだった。あの雪ノ下姉妹、特に雪ノ下さんはよく分からない人だったな。強化外骨格のような仮面はどうやってできたのだろうかと考えていると、だんだん眠くなり、俺は深い眠りについた。

 




今回は入学式の時の雪ノ下との話でした。感想等をよろしくお願いします。次回もお楽しみに!!

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