俺のこんな学校生活も悪くない   作:天然水いろはす

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天然水いろはすです!
約1ヶ月ぶりですね。
では今回から本編です。


第7話

チャイムが鳴り4限が終わった。ある者はダッシュで購買に走り、ある者は机を動かして弁当を広げ、またある者は彼女と思わしき人とイチャつき始める。

 

……ていうか最後!最後の奴だけは爆発しろ!!

 

 

昼休み、今日のように雨が降っていると俺には行くところがない。普段なら昼食をベストプレイスで女テニの子の自主練を眺めn……この言い方だと俺が変態みたいじゃねえか。

 

話が逸れたが、さすがに濡れながら昼飯を食う趣味はない。俺は仕方なく教室で1人、小町の愛妻弁当…もとい愛妹弁当を食べていた。

 

所謂、ぼっち飯というやつだ。まあ、ぼっち飯って言うとなんだか可哀想なイメージしかないそうだ(小町談)。そこでだ、何処かの黒の剣士がぼっちプレイヤーと言わずにソロプレイヤーと名乗るように、ぼっち飯もソロ飯…て語呂悪いな。ぼっち飯もソロランチと言った方がなんだかカッコイイ気もする。

 

 

「比企谷くんって教室にいますか〜」

 

そんな事を考えていると教室の前の扉の方から俺の苗字を呼ぶ声が聞こえた。

 

声がした方に目を向けると、お下げ髪に前髪をピンで留めた女子生徒がいた。

 

はっきり言って知らない。何なら俺がこの学校で知ってる人って雪ノ下と由比ヶ浜しかいない。いや、もう1人いたな。

 

それよりも今はあの女子生徒についてだ。今ここで俺が取るべき行動は………

 

 

1、無視して弁当を食べる

2、様子を見ながら弁当を食べる

3、あの女子生徒の元へ行く

 

 

 

え?なに?

1も2もやってる事は同じだろだってぇ?

いや、ほらアレだよアレ。気持ちの問題っていうやつだよ。さすがに無視するのは失礼だしな。3は論外だ。もし、呼ばれたと思って行ったら実は別の人でしたーみたいなオチだったらって考えてみろよ。恥ずかしくて死にたくなるだろ。だから、

 

「……2だな」

と小声で呟く

 

 

再び弁当を食べながらその女子生徒の様子を見る。

 

その女子生徒は教室を出ようとする青みがかった長い白髪のクラスの女子と思われる人を呼び止めた。

 

「あの、比企谷くんって教室にいますか?」

 

「………ひ、比企谷ならあそこで昼飯を食べてますよ」

 

「ありがとう!えっと……」

 

「……川崎です」

 

「川崎さん、ありがとう!」

 

 

俺の方にトテトテと歩いてくる女子生徒。

 

「君が比企谷くんかな?」

 

「はい、そうですけど。それでどちら様ですか?」

 

そっちは俺の名前知ってるみたいだけど、俺はこの人の名前すら知らない。

 

「あ、ごめんね。私は3年の城廻めぐりです。生徒会長やってます」

 

え?この人が生徒会長なのか。なんか意外だな。

 

「あ、今、意外とか思ってたでしょ。これでもちゃんと生徒会長なんだよ〜」

 

なんかこの生徒会長、見てるだけで癒されるな

 

「それで生徒会長h」

 

「生徒会長って言われると堅苦しいから名前で呼んでもらえると嬉しいな」

 

「それで城廻先輩は俺に何の用なんですか?」

そう言い、城廻先輩を見るとなんかむっとした表情になっていた。

 

この感じ、どことなく陽乃さんに似てる気がする。

 

「めぐり先輩は俺に何の用なんです?」

そう言い直すと、パァと明るい表情になる。どうやらこれで正しかったようだ。

 

「あ、そうだった。比企谷くん、ちょっと来て欲しい所があるんだけど……」

 

ん?来て欲しい所?

 

……というか視線を感じる。まあ、普段から1人でいる俺が生徒会長のめぐり先輩と話してるからなのか。

 

「それってどこですか?」

とめぐり先輩に尋ねる

 

「それはね〜、行ってからのお楽しみ♪」

 

「はぁ、そうですか」

弁当を片付けて鞄の中にしまう。

 

「それじゃあ、行こっか」

 

「はい」

 

 

教室を出て行く際、教室の後ろの方で誰かが揉めている声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

廊下をめぐり先輩と歩いていると、ふと思ったことがあったので聞いて見る。

 

「そう言えば、めぐり先輩ってどうして俺の事を知ってるんですか?」

 

めぐり先輩は人指し指を自分の顎に当てて

 

「あ〜それはね、はるさんがよく比企谷くんの事を話してるから知ってるんだよ〜」

 

はるさんって誰?あっ、もしかして…

 

「もしかして陽乃さんの事ですか?」

 

「うん、そうだよ」

 

やっぱりか……

 

「陽乃さん、きっと俺の悪口とか言ってるんですよね」

そう言うと、めぐり先輩は目を大きく見開いていた。

 

「え?比企谷くん、なに言ってるの?悪口なんて言ってないよ。………むしろ、はるさんってば、八幡くんが可愛いとか会えなくて寂しいとか大好きみたいな話しかしてないよ……。あのはるさんが好きになった男の子がどんな人か気にはなっていたけど、まさかこんな人だとは思わなかったよ。はるさんも大変だなぁ……」

 

途中から声が小さくなって聞こえなかったけど、陽乃さんに悪口を言われてなくてよかった。

 

「あの、めぐり先輩?目的の場所ってまだ何ですかね?」

 

「え、……着いたよ」

 

どうやら目的の場所に着いたようだ。めぐり先輩に連れてこられた場所とは生徒会室だった。

 

「来て欲しい所って生徒会室だったんですか?」

 

「うん、そうだよ〜」

 

めぐり先輩はポケットから鍵を取り出し、扉の鍵を開けながら言ってくる。

 

「さあ、比企谷くん。入って入って〜♪」

 

俺はめぐり先輩に背中を押されながら生徒会室に入る。

 

「え、ちょっとめぐり先輩。押さないでくださいよ」

 

そう言い、めぐり先輩の方に振り返ると誰もいなかった。そして、次に聞こえてきたのはカチャという扉の鍵が閉まる音。

 

 

は?いやいや、ちょっと待って。何これ、新手のイジメかなにかなの?

 

俺は扉を開けようとしたが、無理だった。どうやら、生徒会室は内側から鍵を開けられない仕組みになっていた。

 

 

「はぁ……、マジでどうすっかなー」

 

 

すると、背後から人の気配を感じたので後ろを振り返ようとした時、目の前が真っ暗になった。

 




めぐり先輩の登場でした。陽乃さんの時もそうでしたがキャラが違いますね。

感想をお願いします。次回の投稿はいつになるか分かりませんが次回も読んでもらえると嬉しいです。

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