その日の夜に俺が寝ようとしている時、ある人から電話が掛かってきた。はっきり言って出たくない。……出たくない。大事なことだから2回言った。でも、これに出ないと後々めんどくさいので、渋々電話に出た。
『ひゃっはろー、八幡くん』
どこかバカっぽい挨拶をしてきた
「…どうも、何の用ですか?雪ノ下さん」
『陽乃って呼んで』
不機嫌そうな声で言ってくる
「雪ノ『陽乃』下さん」
「雪『陽乃』…被せてこないでください」
『だって八幡くん、名前で呼んでくれないんだもん』
だもんとか可愛すぎるだろ…。
「はぁ……陽乃さん」
『まぁ今はそれでもいっか…』
「それで、こんな時間に何の用ですか?」
もう、このやり取りで疲れたから早く寝たい…。
『そう言えば、雪乃ちゃんの部活に入ったんだね』
「…そうですけど、何で知ってるんですか」
『たまたま雪乃ちゃんのカバンに入ってた盗聴器から、八幡くんの声が聴こえてきたからね』
怖いよ…この人。なに妹のカバンに盗聴器入れてるんだよ…。シスコン過ぎるだろ。
「妹になにやってるんですか……」
『そんなことより、どんな部活なの?』
…そんなことで済ましちゃダメだろ
「奉仕部って言って、釣った魚をあげるのではなく魚の釣り方を教えるみたいな感じで依頼を受ける部活ですかね」
『へぇ、それでどんな依頼があったの?』
「まだ、俺が入ってから1件しかありませんが、クッキーの作り方を教えてみたいな依頼でしたね」
『クッキーを、ねぇ……』
「はい、その時に雪ノ下がクッキーを作ったんですけど…」
俺が寝ようとした所を邪魔した仕返しだ
『雪乃ちゃんの……クッキー』
流石、シスコンの陽乃さん。大ダメージだな
「そのクッキーがそれはもうおいしかったですね」
『…八………ず…い』
ん?声が小さくてよく聞き取れなかった
「え?何て言いました?」
『…八幡くんばっかりずるい!!』
「うぉっ」
いきなり大きな声を出す陽乃さんに気持ち悪い声を出してしまった
『もう、八幡くんばっかりずるいよぉ』
やばい。何がやばいかって言うと、陽乃さんの子供っぽい一面がやばい。
「は、陽乃さん、本当にすみません。意地悪してしまったことには謝りますから」
『…ほ、本当に?』
「もちろんです。今度埋め合わせします」
『絶対だよ、約束ね!』
ようやく機嫌が治ってくれた…
「はい。約束します」
『うん、わかった。おやすみ、八幡くん』
「おやすみなさい、陽乃さん」
そして、八幡が寝たのは日付が変わった後だということは言うまでもない。
陽乃さんの登場でした!もうキャラ崩壊してますね。
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