この素晴らしい世界にもっと祝福を!   作:部屋長

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この友達以上恋人未満の関係でイチャイチャを!(3)

 

 めぐみんと何やかんやあって少しして。朝っぱらからこんなことをしているのでまだ昼にもなっていない。

 ダクネスは何かしらの用事があるらしいし、アクアに関してはきっちり夕方5時に帰ってくるからまだ時間的には余裕があるだろう。

 つまりあと数時間はめぐみんと色々し放題ということだ。今回に関しては、俺から動いたということもあって邪魔が一切ないからある意味怖いくらいだ。

 ここに来て俺の幸運度の高さが活かされたのかもしれん。やったぜ。

 

「ふふ、カズマ……」

「んー、どうした。ていうかお前、さっきから俺の名前呼んでばっかだけど楽しいのか?」

「楽しいかと言われれば別にそうではありませんね」

「は、はぁ、じゃあ何でだ?」

「ただ、こうしてカズマの名前を呼んでいるだけで私は幸せですからね」

 

 頬をうっすらと赤くして微笑むめぐみんを見て、可愛いと思うと同時に一周回って恐怖すら覚えた。

 こ、こいつ本当にめぐみんか……? 改めて考えると、今日は変に大人しいしいつもより甘えてくるしで怖いんだけど。

 

「へ、へー、そうなのか。つーかめぐみんは頑張ってるけどゲームにそんな勝ちたいのか? 無駄に熱心だな」

「無駄とは失礼な。これは私のカズマに対しての本心ですよ。無駄もへったくれもありません」

「うぐ……」

 

 その変に素直なのは本当にやめて欲しいんだけど。それにこいつソファー座ってからずっと距離近いし手は繋ぎっぱなしだしでいい加減暑くなってきた。

 決して恥ずかしくて暑くなってきたとかそういうことでは断じてない。

 

「あ、あー、そうだめぐみん。何か暑くないか?」

「いえ、私は特に暑くないですよ? ……ああ、なるほど。そういうことですか」

「は? 何が?」

「もう、カズマは素直じゃないんですから。我慢ができなくなったのなら早く言ってくれればよかったのに」

 

 何を急に言い出したんだこいつは……と思っていると、口元をニヤリと歪めためぐみんはおもむろに服の胸元をパタパタとさせて。

 

「はー……何だか暑くなってきましたね」

「いや、そういうのは全く期待してないんで。それはもっと色々と成長してからにしてください」

「なっ! それは私に対して喧嘩を売っているんですね! カズマがその気なら私はいつでも受けてたちますよ!」

 

 俺の言葉にめぐみんは恥ずかしそうに顔を赤らめて、胸元を腕で抱きしめて隠すようにする。でもめっちゃ怒って目を紅くしてるからちょっと怖い。

 

「おいおい、そんな怒るなって。めぐみんはあれだ。もっと他のとこで勝負しようぜ、な?」

「その言い方は本当に不満なのですが……まぁいいです。それなら一つありますよ」

「お、何だ」

「カズマが以前言っていた『ジョシリョク』というものを見せてあげましょう」

 

 あれ、そんなこと俺言ったっけ……。日本の無駄な知識をペラペラ言いすぎるのも良くないな。

 

「というと?」

「料理です」

「え?」

「料理です」

 

 2回も言わなくても理解はできてますよ。まぁこいつが家事能力高いのは知ってるけど色々と不安要素が多くてな……。

 

「いや、もうザリ……ロブスターみたいな高級食材はたまにでいいんだよ。だから俺に任せてくれ」

「いえ、今回は家にあるものだけで作るので。カズマが驚くものを作って見せます!」

 

 お前が自信ある表情をする時は大体ろくなことにならないって知ってるから不安なんだけど……。

 

××××××

 

 昼も近くなっていたのでめぐみんが本当に昼飯を作ることになった。不安に思いながらその姿を眺めているが、やはり家事能力は高いのか意外と様になっている。

 これなら心配はいらなそうだな……と安心していると、少ししてドヤ顔のめぐみんがキッチンから戻ってきた。

 

「できました」

「お、おお……」

「ふふ、驚きましたか? この前カズマが作っていたチャーハンという食べ物です」

 

 その言い方だとめぐみんもこの前まで知らなった感じだな。王族や貴族は知らなくても納得はしたけど、めぐみんの場合は……うん、まぁ気にしないでいいや。

 

「じゃ、じゃあ、いただきます」

「はい、めしあがれ」

 

 見た目も普通で平気そうだし、とりあえず一口頬張ってみることにした。少しだけ不安げな表情でめぐみんがそれをじっと見つめてくる。

 

「ど、どうですか?」

「旨い」

「ほっ……それならよかったです」

 

 やっぱり家事能力は高いんだよな。他で勝負しろって言った俺が言うのも何だが、普通に勝負できてるから反応に困ってしまう。

 

「カズマカズマ、ちょっとスプーンを貸してください」

「ん? ほい」

 

 何も気にせずに渡すと、それを受け取っためぐみんはチャーハンを掬って。

 

「あーん」

「は?」

「あーん、ですよ。知らないんですか?」

「いや、それは知ってるけど」

 

 何でそんな可哀想な物を見るような目してんだこいつ。いくら俺でもそんくらい分かるわ。

 それでも何で急にそんなこと……と思って俺が訝しげな視線を向けるとめぐみんは。

 

「さっきのゲームはまだ続いてるんですよね?」

「ああ、それで」

「はい。ですので、あーん」

 

 少しだけ楽しそうに俺を見つめるめぐみんに抵抗する気もなくなってしまう。

 まぁ、こんくらい今さら恥ずかしがることじゃないしいいか。

 

「あ、あー……ん」

「美味しいですか?」

「さっきも言ったじゃねーか」

 

 言うと、めぐみんは嬉しかったのかにへっと頬を緩ませる。……うん、やっぱ小っ恥ずかしい。俺だけこんな目に合うのもなんだし少し反撃するか。

 

「めぐみんも食うか?」

「はい、お願いします」

「お、おう。……んじゃ、あーん」

「あーん」

 

 え、嘘だろ? こいつ俺があーんしたのに普通に食っただけなんだけど。

 もっとこう、何かないの? 俺が知ってるシチュエーションと全然違うぞ?

 

「少しは恥じらいくらい持てよ……」

「何を言っているのですか。これくらい私は慣れていますからね。するのもされるのも」 

「は? 誰相手にだよ」

「妹です」

「いもうと」

 

 え、なに。俺は妹と一緒の扱いなんですか? ちょっとそれは今までのことを考えると複雑なんですけど。

 だが、なぜか今さらになってめぐみんは頬を朱に染めて、恥ずかしそうに俺のことをちらちらと見てくる。

 

「どうした?」

「い、いえ、そういえば同じスプーンを使ってしまったことに気づいてしまって……」

「……」

「ど、どうしました?」

「……別に」

 

 頬を赤らめながら不思議そうに首を傾げるめぐみんから顔を逸らしつつ。

 ……そこで反応すんのは色々とずるいと思います。そういう反応を期待はしてたけど、いざされると恥ずかしいだけじゃねーか。

 うん、まぁさっきまで色々とハードだったしこういうのも少しはありか。

 




アニメのめぐみんが可愛すぎてまためぐみん√を優先させてしまいました……。多分アニメの影響でこれからもめぐみん√や他のヒロインの√を書くと思うので、アイリス√はもう少し話を練ってからゆっくりやっていこうと思います。

ではでは今回もお読みいただきありがとうございました!

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