カズマ、ニートやめるってよ。
「女の子とイチャイチャしたい……」
そう、俺は部屋で一人呟いた。その言葉は切実で、切実で、切実であった……。
別に欲求不満なのではない。だってサキュバスサービスにはいつも世話になってるしな。
でも、でもだ。それでも俺は女の子とイチャイチャしたくなってしまったのだ。こんなことを思ってしまう辺り、心の底では実は欲求不満なのかもしれないけど。
まぁ最近、セクハラの頻度が高いと言われたりもするから絶対欲求不満ですねこれ。
それでも許容されてる辺りこの街の倫理観はちょっとおかしいと思う。
そりゃ最近は、めぐみん、それとダクネス辺りともそれなりにそれなりな関係なのかもしれないけど、あのくらいじゃ今の俺には満足できないのだ。
もっと、こう、何ていうか、したい。そう、したいのだ。自分でも直球すぎて引くな。
あ、アクアはもちろん論外な。あいつは何かもう、……えっと、ほんとあいつって何なんだろうな。
うん、あいつはどうでもいいや。
「はぁ……だとしてもどうすればいいんだろうな……」
改めて考えると、俺の周りには思ったより女の子が多い。それも、ギャルゲみたいに複数のルートが存在してもいいくらいにはいる。
しかし残念なことに、常識人枠は本当に数少ないのだ。まぁ性格さえ除けば全員美少女と言っても過言ではないんだけど。
その性格があるせいで全然発展しないってことだってもちろん知ってる。別にそれが嫌なわけではないが、そろそろ少しは進展してもいいんじゃないだろうか。
だから決めた。誰かと2人きりになれたらちょっとだけ攻めてみよう、と。
あ、もちろん法令に触れない程度で。ヘタレではないからな。
日本にいた頃はそれなりにギャルゲをやったこともあるし女の子に対する扱いは完璧なはずだ。
それに俺はもうこの世界に来てから一年以上も経つ。好感度メーターとかあったら、全員ほぼマックスに近いんじゃないだろうかってさえ思っている。
いや、さすがにそれはねぇな。でも一部を除けば全員好印象は持ってくれているはずだ。
それに今の俺はこの世界で魔王軍幹部を一番多く倒したパーティーのリーダーだしな。きっと恋愛においても本気を出せばきっと引く手あまただろう。
うん、これはもう余裕でいけるな。こういう時の謎の自信ってほんと何なんだろう。
「よし、やってみるか」
というわけで、本気出してみます。
いや、どうせ無理だろうけど。最近暇だしちょっと試してみるってだけだ、うん。
そう、本当に少しだけな。
……保険かけとかなきゃ失敗した時心へし折れちゃうからね。
プロローグはカズマの心情の動きだけなので短めです。今回だけ連続で投稿させてもらうので、よろしければ次話も読んでください。