暗殺教室外伝 ~龍の覇道~   作:覇王龍
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サヨナラの時間

いよいよ殺せんせーとの別れが近づいていた。

殺せんせー「これが最後の出欠確認です。全員が返事できたら殺して良し!では呼びます。」
せんせーの言葉に、皆の鼓動が早くなる。

が、突然殺せんせーは思い出したかのよう上半身をむくっと起き上がらせて、その前に先生方に挨拶しておかなければと、烏間とビッチ先生に声をかけた。

殺せんせー「イリーナ先生、参加しないでいいんですか?賞金獲得のチャンスなのに」

するとビッチ先生は少し微笑みながら自分は今までたくさんの絆と経験を貰った、この暗殺は生徒たちとアンタの絆だと告げる。

ビッチ先生の言葉に満足そうに笑う殺せんせー、そして烏間にはこれから生徒たちの相談に乗ってやってほしいと言葉をかける。
生徒たちを成長させてくれたのはアナタこそだ、と。
烏間は落ち着いた顔で後のことは自分に任せろとでもいうように殺せんせーを見、「さようなら」と言葉をかけた。

そして先生たちへの挨拶がすみいよいよ出欠を取る時間になった。・・が、

出欠を呼ぼうと言う時せんせーは少し不安になった。「まさか早退した人いませんよね?」と。

もしこのタイミングで返事しない人がいたら先生は自殺すると。
そーいえば殺せんせーの弱点は肝心な時に段取りが悪かった。

殺せんせー「赤羽 業くん。」

カルマ「はい。」

殺せんせー「磯貝悠馬くん。」

磯貝「はい。」

殺せんせー「岡島大河くん。」

岡島「はい。」

殺せんせー「岡野ひなたさん。」

岡野「うん。」

殺せんせー「奥田愛美さん。」

奥田「はい。」

殺せんせー「片岡メグさん」

片岡「はい。」

殺せんせー「茅野カエデさん。」

茅野「はい。」

殺せんせー「神崎有希子さん。」

神崎「はい。」

殺せんせー「木村正義くん。」

木村「はい。」

殺せんせー「倉橋陽菜乃さん。」

倉橋「はいぃ~...」

殺せんせー「潮田渚くん。」

渚「はい。」

殺せんせー「菅谷創介くん。」

菅谷「はい。」

殺せんせー「杉野友人くん。」

杉野「はい。」

殺せんせー「竹林孝太郎くん。」

竹林「はい。」

殺せんせー「千葉龍之介くん。」

千葉「はい。」

殺せんせー「寺坂竜馬くん。」

寺坂「おう。」

殺せんせー「中村莉桜さん。」

中村「はいよ。」

殺せんせー「狭間綺羅々さん。」

狭間「....はい。」

殺せんせー「速水凛香さん。」

速水「...はい。」

殺せんせー「原寿美鈴さん。」

原「はい。」

殺せんせー「不破優月さん。」

不破「はい。」

殺せんせー「前原陽斗くん。」

前原「....ん。」

殺せんせー「三村航輝くん。 」

三村「...はい。」

殺せんせー「村松拓哉くん。」

村松「おう。」

殺せんせー「矢田桃花さん。」

矢田「....はい。」

殺せんせー「吉田大成くん。」

吉田「はい...」


殺せんせー「律さん。」

律「はい。」

殺せんせー「堀部イトナくん。」

「はい。」

殺せんせー「覇波龍河くん。」

龍河「はい。」

殺せんせー「辰鮫瀧くん。」

瀧「はい。」

殺せんせー「飛燕竜刃くん。」

竜刃「はい。」

殺せんせー「黒帝辰哉くん。」

辰哉「...うす。」

殺せんせー「斎藤冷羅さん。」

冷羅「...はい。」

殺せんせー「竜胆美舞さん。」

美舞「...はい。」

〈若き暗殺者たちよ.....今から1つの命を狩り取る君たちはきっと誰よりも命の価値を知っている。
たくさん学び悩び考えたはずだから〉

〈私の命に価値を与えてくれたのは君たちだ、君たちをはぐくむことで君たちが私をはぐくんでくれた、どうか今最高の殺意で収穫してほしい、この34人の未来への糧になれたなら・・死ぬほど嬉しい事だから幸あれ・・〉と。

殺せんせー「本当に本当に楽しい一年でした皆さんに暗殺されて・・先生は幸せです。」


渚「僕が殺ってもいいかな。」

寺坂「誰も文句は言わねえよ。」

龍河「ああ。」

カルマ「この教室じゃ、渚が首席だ。」


渚が覚悟したようにナイフを抜き殺せんせーの前に立つ。殺せんせーの表情は穏やかだった。
旅立つものから旅立つ者へ命丸ごとのエールを。

渚は殺せんせーの上に乗りネクタイの上にナイフの刃先を当てる。
心臓に狙いを定めて、もうやらなくちゃいけない時間に来ている....渚自身が自覚していた。

渚とシンクロするようにクラス全員の中に今までの一年間が走馬灯のように駆け巡った。

皆が暗殺する喜びではなく緊張に震えていた。渚の手にもどうしようもない震えが沸き起こっていた。

震える手を必死で抑えものすごい形相でナイフを振り下ろそうとした時、渚の首に殺せんせーの触手がそっと触れた。

その瞬間渚の表情が和らぐ。殺せんせーはそんな渚を諭すように優しく告げる。

殺せんせー「そんな気持ちで殺してはいけません。落ち着いて笑顔で。」

優しく笑う殺せんせーを見て渚はギュっとナイフを両手で包み今までの思い出を胸に思い出していた。

自然に渚の目から涙があふれ出した。そして怖い形相だった生徒たちも落着きを取り戻し始めた。
トクントクンと脈立つ心臓の音を聞きながら渚は微笑み告げた。

渚「さよなら、殺せんせー。」

殺せんせー「はい さようなら。」

余計な言葉はそれ以上必要なかった。
振り下ろす刃に感謝や惜別、すべての思いを込めて魂を注ぐように、全身で礼をするように渚は殺せんせーの心臓に向けてナイフを振り下ろした。

「卒業おめでとう」そんな先生の声が聞こえた気がした。
振り下ろしたナイフと共にまばゆい光が粒子となってまぶしく優しく生徒たちの前から消えた。
まもなく12時。椚ヶ丘中学校卒業の日、3-Eの生徒たちは一足早く暗殺教室を卒業した。


生徒達は泣き叫んだ。珍しく、カルマ、中村、寺坂、龍河達四天龍も泣いていた。