番外編の方を進めちゃいましたー笑
いやぁ、舞踏会って、表現するの難しいね
さてさて、波導の勇者を決める大会を無事に終えたサトシたち。アランとコルニ、マノンを加え、城下町で行われているお祭りを巡り、出店を回り、かなり充実した時間を過ごすことができた。セレナと再会できたことに、マノンが大喜びしているのを、アランが微笑みながら見ていたが、その辺りは割愛しよう。
道中、サトシが子供達はもちろん、バトルを見ていた大人たちからも大人気だったのはいうまでもない。子供達一人一人と丁寧に向き合う彼の姿勢は、まさに町の勇者のようで、サトシはロータでは有名人としてのちに語られることになるのだった。
そして楽しい時間はあっという間に流れ、空は既に暗くなっている。サトシの仲間たちは舞踏会の会場に、既に集まっている。玉座のすぐ前、アーロンとルカリオの壁画のすぐそばに、サトシが立っている。サトシにアイリーンが近づき、杖を差し出す。アーロンの使っていた、勇者の杖。
「波導の勇者、アーロンの杖です。サトシ」
「はい」
説明はいらなかった。前に手にした時、それ以上にサトシはその杖を手にすることの重みを理解していた。杖の先についている鉱石が、部屋の照明を受け、鈍い光を放っている。
(やっと……約束の時が……サトシ……)
「ではこれより、波導の勇者に捧げるパーティを。皆様、存分に楽しんでください」
アイリーンの一声を受け、待機していた音楽家たちが曲を奏でる。人とポケモンがともに奏でる音色を合図に、人々は踊り始める。煌びやかな衣装に身を包んだ男女が踊るその光景は、さながら御伽噺の一ページのようにも見える。
「ほら、アランも踊ろ!」
「わかったから、転ばないように気をつけろよ、マノン」
黄色のドレスを着たマノンに腕を引かれ、黒騎士姿のアランが踊り場に出る。2人とも踊り方をよく知っているわけではない、けれどもとても楽しそうに音楽に合わせて回っている。
楽しそうなマノンと、穏やかな表情のアランを見て、ふわっとセレナが微笑む。それを見てコルニが首をかしげる。
「どうしたのセレナ?」
「ううん。あの2人、楽しそうでよかったなって」
「2人でマスタータワーに来たときも元気そうだったよ。アランも、前よりバトルを楽しんでるぽかった」
「そっか。それにしても、コルニのドレス姿もなかなか決まってるわね」
「そ、そうかな?なんだか慣れなくて……」
頬をかくコルニ。今の彼女はパーティに合わせて、衣装を変えている。普段のボーイッシュな印象のある服装から一転、白いドレスと長い髪は、とても女の子らしさを前面に出している。
「そういえば、サトシは踊らないのでしょうか?」
「というより、ご馳走食べに行きそう」
「うん……もしかしたら、あそこから動いちゃいけないのかな?」
「サトシと踊れるかと思ったんだけど、やっぱり上手く行かないなぁ」
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ガールズが少し離れた場所から見つめる先、勇者の席に座るサトシ。その隣には、今回大活躍したゲッコウガが立っている。
「波導の勇者の役割だってのはわかってるんだけど……やっぱり動いちゃいけないのは辛いなぁ」
そうはぼやくものの、ちゃんと背筋を伸ばし、不機嫌そうな顔をしていないあたり、サトシの精神的成長が見える。
と、彼の膝の上に、ピチューが飛び乗ってくる。何故かこのピチュー、えらくサトシを気に入ったのか、バトル大会後からずっとサトシのそばにいる。
「ピィチュ!」
「えっ、俺に?」
「ピチュ!」
ピチューが両手できのみをサトシに差し出す。小さな体でわざわざ取ってきてくれたのだろうか。
「ありがとな、ピチュー」
「ピィチュ!」
頭を撫でられて嬉しそうに目を細めるピチュー。と、モクローやルガルガンたちもやってくる。動けないサトシのために、みんなで食べ物を持ってきてくれたようだ。
「みんなも、ありがとな」
「クロッ」
「ニャブ」
「ガウッ」
「コォン!」
「ピィカァ!」
「流石サトシのポケモンたちだね」
「あぁ」
ダンスから離れたテーブルのそばに、カキたち男性組が固まっている。2人とも踊りに関してはからっきしなため、ご馳走をいただく方に集中することにしていた。ククイ博士はそんな2人とともにサトシを見ている。
「まさに勇者って感じだな。それよりお前らは踊りに行かないのか?」
「俺はこういう場所での踊り方を知らないので」
「僕も……博士は?」
「いやぁ、ははは……いい感じに空いている人が、ね」
と、ここで踊る人たちを眺めていたアイリーンが、立ち上がり、サトシの元へと歩いていく。ピカチュウとピチューを両肩に乗せ、ロコンを撫でていたサトシ。アイリーンが近づくと、不思議そうに見上げている。
「女王様?」
会場の注目が集まる。人々は踊るのを止めてまで、女王の一挙手一投足を追うかのように、2人を見ている。キョトンとするサトシに対し、アイリーンがドレスのスカートをつまみ、お辞儀をする。
「波導の勇者、サトシ。私と一曲、踊っていただけますか?」
会場から、その瞬間に音が消えたかのように錯覚してしまうほどに、シーンと静まり返った。
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女王の言葉をようやくのみこめたのか、サトシがあたふたしながら立ち上がる。
「えっ、あっ、でも俺、ダンスとか下手で、あのっ!」
クスリと笑い、アイリーンが片手をサトシに差し出す。その仕草と笑みを見て、サトシはゆっくりと自分の手を伸ばし、その手を取る。わずかに体を折り、軽くお辞儀をする。
「その……女王様の指名なら、その、光栄です」
「ありがとうございます、サトシ」
誰もが見守る中、サトシとアイリーンがダンスフロアの中央へと歩いてくる。サトシの方はかなり緊張しているようで、表情も動きも固い。
アイリーンがサトシの手を取り、もう片手を腰に添えさせる。身長はまだアイリーンの方が大きいため、どうしてもサトシは見上げる形になってしまう。そんな少し不思議な構図のまま、ゆっくりと音楽に合わせ、2人が踊り始める。
最初は少し不安そうに下を向きがちだったサトシだが、アイリーンのリードに合わせて動くのに慣れていく。最初のガチガチとした固い雰囲気もなくなり、楽しそうにも見える。
もともと習うより慣れろタイプのサトシ。ダンスのコツも掴めてきたようで、もうリードされるがままではなく、自分から動くことまでしている。
ほぅ、と息を漏らしたのは誰だったか。会場の全てが見守る中、アイリーンとサトシ、2人だけの踊りが終わる。
「ありがとうございます、サトシ」
「俺のほうこそ。上手くできたかはわからないけど、とても楽しかったです!」
「ふふ」
笑顔で答えるサトシに、アイリーンも楽しい気持ちになる。と、ここでサトシ、そして会場に向けてアイリーンが声をかける。
「波導の勇者、サトシと踊ってみたい方は他にもいると思います。サトシ、誘いを受けてあげてくれますか?」
「えっ、あ、はい!」
「では、皆様。この後も存分にお楽しみください」
アイリーンが玉座へと戻っていく。と、早速サトシの周りに若い女性陣が集まりだした。サトシたちより少し年上の子、同い年くらいの子、子供まで。サトシも戸惑いつつ、一人一人に対応していく。
「すごい人気……」
「仕方がないだろ。何せ波導の勇者になったんだからな」
セレナの呟きに答えたのは、いつの間にかダンスフロアから離れてきたアランだった。隣にはマノンが飲み物を片手についてきている。
「楽しかったー!セレナたちは踊らないの?」
「うーん。踊りたいは踊りたいんだけど、」
「えぇと、その……」
チラリとマオたちの視線がサトシの方へ行くのを見て、アランとマノンは察した。
ああ、みんなサトシと踊りたがってるんだなぁ
「声をかければいいんじゃないかなぁ。サトシなら断らないと思うけど?」
「それはそうなんだけど……」
「流石にあの中に入って行くには……」
一曲の間に、サトシは次々に違う女の子と踊っている。あまりにも数が多いため、交代形式になったらしい。流石にもう慣れたのか、ミルフィと踊っていた時のぎこちなさは全然感じられない。
「いいなぁ」
思わず呟くマオ。口にこそ出さないが、スイレンとリーリエ、それにセレナも同じ気持ちだ。
2曲目、3曲目と音楽が変わる。サトシと踊りたがっていた子達の列も、もう終わりに近づいている。そして最後のこと踊り終わるちょうどその時、音楽が終わった。
お辞儀をするサトシと女の子。少し顔を赤らめながら、女の子は一緒に来たらしい友達たちの元へとかけて行く。サトシを見ながら、女の子たちが踊りの感想をお互いに話し合うのを見て、マオたちは少し悔しいような、羨ましいような気持ちになる。
と、アイリーンが玉座から立ち上がる。
「次が今晩最後の曲です。皆様も是非、最後まで楽しんでください」
食事をしたり、休憩したりと、ダンスフロアから離れていた人たちも、最後の曲だからと言わんばかりにフロアに進みでる。アランの手を引きながら、マノンもフロアへと向かう。それを見ながら、マオたちも最後くらい誰かと踊ってみようかと考えていると、彼女たちの前に青い手袋をつけた手が差し出される。
手の持ち主は、やはり彼女たちの予想していた、けれどもまさかとも思った相手だった。既に何人とも踊っていて疲れているはずなのに、そんな様子は全く感じられない。
へへっと楽しげな笑みを浮かべ、サトシが彼女たちに話しかける。
「マオ、スイレン、リーリエ、コルニ、それにセレナ。俺と踊ってくれないか?」
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ダンスフロアにサトシが立つと、すぐに注目の的になる。先ほどサトシと踊っていた女の子たちも見つめているが、中にはサトシに誘ってもらったセレナたちを羨望の眼差しで見つめる子までいる。
一番最初にサトシと踊ることになったのは、マオだった。最初のサトシみたいに、かなりガチガチになっている。
(どどどど、どうしよう。そりゃサトシと踊ってみたいとは思ってたけど、まさかサトシから誘ってもらえるなんて)
「マオ?」
「あっ、ごめん!その、初めてだから緊張しちゃって」
「あーその気持ちはわかるなぁ。俺もどう動けばいいのか全然分からなかったしなぁ。けど、やってみると楽しいからさ、俺の動きに合わせてみて」
「う、うん」
(これ、近っ)
ヒールのおかげでサトシの顔を真正面から見ることはないが、思っていたよりも互いの距離が近いことに、マオは戸惑いっぱなしだ。そんなことはつゆほども気にせず、サトシが一歩また一歩とマオをリードする。
(なんかこれ、楽しいかも!)
音楽に合わせてステップを踏み、時に回り、時に大きく動くように。少ししたら、マオは既に踊りを楽しんでいた。
続いて踊るのはスイレン。元の運動神経がいいのか、マオよりも早く踊りに慣れている。
「上手いな、スイレン」
「うん。すごく楽しい!っ、わわっ!」
「おっと」
慣れないヒールのせいか、スイレンが態勢を崩してしまい転びそうになる。しっかりと手を引かれ、ポスンと小さな衝撃をスイレンが感じる。
「大丈夫か?」
マオとは違い、サトシよりも背の低いスイレン。しかし今回はヒールを履いているわけで、必然、いつもよりも互いの顔が近くなる。
「ひょわぁ!?」
「あ、ちょっ、スイレン?」
ポシュー、と効果音がつきそうな勢いでスイレンの顔が真っ赤に染まる。あわあわとするスイレンの顔をサトシが覗き込む。さらに顔を熱くするスイレン。もう煙が出てくるんじゃないかと思うほどだ。そのままリーリエたちの元へ戻るまでも、頬の熱が引くことはなかった。
(サトシの鼓動、聞こえた……優しい音……)
3番手はリーリエ。黒と青を基調としたサトシの衣装と対照的な白いドレスを着たリーリエ。2人が踊ってる姿は、まるで映画や漫画の世界から飛び出したかのようにも見える。
「リーリエもうまいな。もしかして、昔やってたとか?」
「いえ、そこまでのことは。母が昔教えてくれたことがあったので」
「お母さんに?」
「はい。お母様は、わたくしにいろんなことを教えてくれました」
「そっか」
曲が少し盛り上がりを見せる。と、サトシがリーリエの腰に両手を置き、持ち上げながらくるりと回る。突然のことに驚きながらも、着地してすぐに踊りに戻れるのは、リーリエが慣れている故か。
「あの、サトシ……今のは?」
「さっき向こうで男の人がやってるのみてさ。リーリエはダンスに慣れてるみたいだったから、いけるかと思って。ダメだったか?」
「いえ、ダメというわけでは……」
(突然すぎます!うぅ……重くはなかったでしょうか)
「それにしても……」
「?なんですか?」
「リーリエって結構軽いんだな」
「あっ、ありがとう、ございます……」
「?」
(心を読む力でもあるのでしょうか……)
4人目のコルニは、流石女版サトシと言いたくなるほど、サトシと呼吸もうまくあっている。
「なんか、ダンスって意外と面白いね」
「ああ。慣れるまでが難しいけどな」
「でもなんか、不思議な感じ。サトシとこんな風に踊るなんて、思ってもいなかったから」
「俺もだ。でも、悪くないよな」
「うん!」
なんだか会話だけ聞くと付き合いたてのカップルみたいに聞こえてくる、不思議。しかし実際は2人の間にあるのはあくまで友情と信頼、そんな甘酸っぱい関係ではないのだ。
それでも笑顔で踊る2人は楽しそうで、嬉しそうで。なんだか微笑ましくなる。この2人はこうだからこそ、あれほどまでに心が湧くバトルを繰り広げられたのだろう。
「でもやっぱり変な感じ。こういう女の子っぽい格好って、ずっとしてこなかったから」
「そうなのか。似合ってるのに、もったいないな」
「……えっ!?」
……どうやら、変化が訪れる可能性も……なくはなさそうである。
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コルニとの踊りを終えるサトシ。もう曲がいつ終わってもおかしくない。なんだか前のダンスパーティーのことを思い出してしまうセレナ。あの時は、本当に直前で曲が止まってしまうという、タイミングの悪さに見舞われてしまったため、今回もまさかそんな、なんて思ってしまう。
けれども、流石に神様もそこまで意地悪ではないらしい。
「セレナ」
そう言って差し出されるサトシの手。ずっとこの手を取り、またこの手に自分の手を取ってもらいたかった。幼い頃から、ずっと想い続けてきた。旅の中で、もっと彼のことを知って、もっとそばにいたいと思った。でも、叶えたい夢があるから。彼に負けたくないと思えたから、自分は別の道へ進んだ。
寂しいときもあったけど、それでも、今こうして隣に居られるのは、それぞれが夢を追い続けたからだと、そう思える。
そっと手を伸ばし、サトシの指先に触れる。サトシが優しく手を握り、セレナをダンスフロアにエスコートする。始まる前に、軽くお辞儀をするサトシ。セレナもアイリーンがしたように、スカートをつまみ、膝を曲げる。
サトシがセレナの手を取り、その腰に手を回す。セレナは腰に回された腕に、自分の手を添える。
音楽に合わせて踊り出す2人。他と違い、言葉を一切交わさずに踊り続ける2人。けれども、彼らの間では、確かに会話があった。通じあわずとも理解し合える、そんな不思議な会話が。
踊る間、視線をそらさずに、互いに見つめ合うサトシとセレナ。
男の子の成長期のおかげだろうか、少しとはいえヒールを履いているセレナの視線と、ほぼ同じ高さにサトシの目線がある。いつの間にこんなに大きくなって居たのだろう、なんてセレナが思う。自分の方が背が高かったはずなのに、あの頃から彼の背中はずっと大きく思えた。今は、きっともっと大きく感じるんだろうか、と想いを馳せる。
髪が伸びているのには気づいて居たけれども、改めてこういう服装になると、長くなった髪は本当に綺麗だ、なんてサトシは思う。ピンクで統一された衣装の中、胸元の青いリボンが一際目立っている。こんなに大事に持っていてくれている、そのことがたまらなく嬉しかった。
ここまで2人の距離が近づいたのは、あの時が最後だった。カロスからの旅立ちの日、セレナが別れ際に、サトシへと贈った、とても大切で、とても優しいもの。その時のことは、2人もしっかり覚えているため、なんだか思い出さずにはいられない。それだけあの旅は、あの日は、彼らにとって大きなものとなったのだから。
「あの2人、凄いね」
離れて見つめるコルニが呟く。彼女もマオも、スイレンもリーリエも、そしてカキたちも。サトシとセレナの纏っている、独特の空気に、なぜか魅了されたかのように目が離せない。
「なんだか、セレナって凄いなぁ」
「うん」
セレナのサトシへの想いを教えてもらったマオとスイレン。恋ではなく、もはや愛と呼べるそれと比べると、今の自分たちの想いは幼稚なもののように思えてしまう。
「でも、わたくしは諦めません」
「「「えっ?」」」
目はサトシたちを見たままではあるが、リーリエは強い意志を持ってその言葉を言った。セレナに対するサトシの想い、2人の絆。それを知ってなお、いや、知っているからこそ、リーリエは決意を持って言う。
「わたくしたちは、まだまだこれから、いろんなサトシを知っていくのです。そしてサトシもいろんなわたくしたちを知っていきます。わたくしは、もっといろんなことをサトシに知ってほしいですし、知りたいと思います。だから、諦めません」
笑顔で締めるリーリエに、なんだかマオたちも元気をもらったような気になる。このどこまでも前向きで、積極的な姿勢は、サトシに影響されたのだろうか。
「そうだね。あたしも!」
「私も」
友であり、そしてライバルでもある。そんな関係は今までの自分たちの間にはなかった。新しい関係を生むきっかけになったのは、やはりサトシだ。これからどんなことがあるのか、まだわからないけれども、きっとみんなでいれば、なんでもいい思い出にできる、そんな気がする。
最後の音が響き渡る。周りの人が演奏に対し拍手を送る中、サトシとセレナは互いに見つめあったまま動かなかった。
「ありがとう、サトシ。サトシに誘ってもらえて、すっごく嬉しかった」
「あの時はセレナと踊れなかったから……それに、俺も楽しかったぜ」
「良かった。今度ユリーカにお話しないと」
「ははっ。なんか凄く楽しく聞いてくれそうだな」
「うん」
繋がっていた手を放し、少しだけ互いに距離を取る。なんだかまだまだ色々と言いたいことがあるような気もしたけど、うまく言葉にできないからやめておくことにする。
「俺、勇者の席に戻らなきゃ。最後の仕事が残ってるから」
「うん。頑張ってね、波導の勇者様」
「ああ」
ウィンクしながら様付けするセレナに、サトシは衣装の帽子を直しながら頷く。そしてサトシは、玉座へと向かい、セレナはマオたちの元へ戻っていく。
この直後、またもや驚愕するような出来事が起こるとは、本当に誰1人、想像すらできなかった。
(……やっと、来たな……サトシ……)
次回、オルドラン編最終回!
波導の勇者としての仕事、来客の見送りを行うサトシ
しかしその時、眩い光とともに現れたのは……
って、お前まさかっ!?
次回
勇者の再来!重なり合う、二つの波導!
みんなもポケモン、ゲットだぜ!