あと、オリジナル解釈的なのも入ってますので、できるだけノーツッコミでおなしゃす!
ポフレづくりを終え、ポケモンたちに振る舞ったサトシたち。流石、セレナが先生を務めただけあって、みんな中々の出来だった。喜んで食べるポケモンたちを見ながら、サトシたちも満足そうだった。
「そういえば、セレナはどうしてここに?」
「うん。カントーで出張ポケモンコンテストがあるって聞いて、参加したの。それで、せっかくだからサトシの育った町を見たくなって。それで、オーキド博士とサトシのママにも挨拶をしに来たら、サトシが修学旅行で戻って来るからそれまでここにいたら、って誘ってもらったの」
「じゃあ、セレナは今、」
「うん。サトシのママに誘ってもらったから、サトシの家に泊めてもらってるの」
羨ましい。なんて約三名思っているとは知らないサトシ。折角だからということで、今晩はセレナもマオたちとともに泊まることに決まり、なんだか賑やかになりそうだな、なんてくらいにしか捉えていない。そんなサトシだからこそ、険悪な雰囲気にはならないのかもしれないが。
「さて、午後の授業じゃが、みんなには将来の夢はあるかの?」
セレナとハナコは一先ず家に戻ることにし、サトシたちは研究所の一室に集まった。黒板を背にオーキド博士がサトシたちに質問する。
「俺はうちの牧場を継ぐつもりです。アーカラの島の恵み溢れるあの土地、そこでポケモンたちを育て、多くの人にもその恵みを分け与えたい。それから、強さを磨き、祖父と同じように、島キングとなって、島の人々を守ることです」
「あたしはアイナ食堂を継ぐことかな。新しい看板メニューを完成させて、パパにも負けない美味しい料理をいっぱい作って、たくさんの人に食べてもらいたいな。美味しいもの食べたら、きっとみんな幸せな気持ちになれると思うし」
「うーん、僕は研究を続けたいかな。でんきポケモンの力の応用もそうだけど、ポケモンと人の力を合わせて、もっと暮らしやすいプログラムとか作ってみたいし、新しい発明品とか作りたいし」
「私はみずポケモンともっと楽しく過ごせる方法、見つけたい。海の中、長い時間一緒にいられたら、すごく楽しい。アシマリのバルーンとか使って、ポケモンと一緒に叶えたい」
それぞれが自分の夢に想いを馳せる中、一人だけ困ったような顔をしていた。
「リーリエは?将来の夢とかってある?」
「わたくしは、その、まだ明確な夢はありません。ポケモンに触れるようになることは、夢ではなく目標ですし。でも、その先のことまでは、まだ考えていませんでした」
みんなは既にポケモンと一緒に叶えたい夢がある。しかし自分はどうだろう。あまり考えたこともなかったかもしれない。
「大丈夫だよ、リーリエ。今すぐになくても、シロンと一緒に過ごすうちに、きっと何か見つかるさ。セレナだって、旅の途中で見つけてたし」
「そうでしょうか」
「それに、みんないろいろ経験する中で、リーリエだけの夢を見つければいいんだ。焦らなくても大丈夫さ」
「……はい」
「うむ、ではいくつもあるポケモンと関係する職業等について、話すとするかの。まずは皆もよく知っとるように、最初のポケモンを貰った者をポケモントレーナーと呼ぶ。ポケモンと共に旅をし、ジムを巡り、リーグに挑戦するのが一般的なトレーナーじゃな」
「サトシがそうだよね?僕たち、ポケモンはいても、旅とかしたことまだないからなぁ」
「いつかわたくしもシロンと一緒に旅をしてみたいです」
「そのトレーナーの中で、ポケモンリーグから公式に認定されるのが、チャンピオンと四天王じゃ。チャンピオンは基本的にはポケモンリーグに優勝し、チャンピオンズリーグを勝ち上がったトレーナーに与えられる称号で、各地方リーグ毎に一人おる。有名どころはホウエンのチャンピオンであるダイゴくんや、カロスのチャンピオンのカルネさんじゃの」
「カルネさんってあの大女優の!?チャンピオンだったの!?」
「あぁ。カルネさんのサーナイト、スッゲェ強かったんだ。またバトルしたいなぁ」
「サトシ、バトルしたことあるの?」
「あぁ。カロス地方を旅してた時にな。また後で詳しく話すよ」
「続いて四天王じゃが、こちらは各地方の優秀な成績を持つトレーナーがスカウトされるケースもある。また、チャンピオンもそうじゃが、あくまで肩書きであるため、他に仕事をしている人も多いのぉ。次に皆が馴染みがあるとしたら、ジョーイさんとジュンサーさんに代表される、ポケモンセンターや警察じゃな」
「俺たちも、かなりお世話になってるしな」
「そう言えば、サトシの大試練突破のお祝いに、ジュンサーさんも来てたね」
「この前のオープンスクールにも来てたよ」
「特別な訓練や研修を受け、ポケモンたちの安全や健康を守ってくれておるのじゃ。またジュンサーさんは追跡や長時間待機ができるポケモン、ジョーイさんは治癒効果のある技を覚えるポケモンをパートナーとして連れていることが多いのぉ」
その後も、自分たち研究者やポケモンドクター、ブリーダーにケンジと同じポケモンウォッチャー。地方のジムリーダーやポケモンレンジャーなど、様々な職種の話を聞くサトシたち。スクールから卒業した後、どんな進路があるのか、新しく知ることができた気がしたのだった。
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夜、女子の部屋。カロスリーグの鑑賞会の前に、セレナを加えた四人は、ガールズトークで盛り上がっているところだ。ファッションやスイーツにおいては、他の地方を軽く凌駕するとまで言われるカロス地方。女の子の憧れの地方の話を聞けて、マオたちも満足そうだ。
「へぇ〜、流石カロス地方。いろんなおしゃれな場所があるんだね〜」
「今度私がいる時に来てみてよ。色々と案内してあげるから」
「ほんと?わぁー、楽しみにしてるね!」
セレナの作ってくれていたポフレを食べながら、四人の話は続いた。最近の音楽や映画、俳優や女優などの有名人の話が続く。
「あの、セレナ。少し聞いてもいいですか?」
「えっ?何?」
「セレナの将来の夢って、何ですか?」
「将来の夢?」
遠慮しがちに質問するリーリエ。少し考えてから、セレナは答える。
「今の私は、カロスクイーンになることかな。私と、テールナー、ヤンチャム、ニンフィア。四人で見せるパフォーマンスで、たくさんの人を笑顔にしたい、幸せにしたいって思ってるの。少しでも勉強するために、今は他の地方も回ってる、って感じかな」
「セレナも、ちゃんとした夢を持っているのですね。どういうきっかけでそう思うようになったのですか?」
少し必死にも見えるリーリエの様子に、なんだか昔の自分に似ていると感じるセレナ。真剣な問いには真剣な答えを。
「私もね、最初は特に夢なんてなかったの。ただサトシに会いたいって思いで旅を始めたから。サトシも、その時一緒に旅をしていた他の二人も、ちゃんと夢を持っていたの。自分だけか取り残されているような気もして、凄く焦ってた」
まるで今の自分のようだ、そうリーリエは感じた。セレナも自分と同じように悩んで、旅の中で夢を見つけた。何がきっかけになったのか、それがわかれば、もしかしたら自分も……
「でも、ある時、ポケモンサマーキャンプっていうイベントに参加した時に、パフォーマーを目指す女の子に出会ったの。その子に影響されて、私はポケモンパフォーマーを目指すようになったの。あの時、あそこで出会ってなかったら、もしかしたら今も夢を見つけられずにいたかもしれない」
「運命的な出会いだったんだね」
「その子、今はライバル?」
「うん。ライバルで、親友で。時々連絡を取ってるけど、やっぱりパフォーマー頑張ってるって」
「出会いがきっかけに……」
「ねぇ、リーリエ」
何やらまた難しそうな顔をするリーリエの前に座り、セレナは優しく問いかける。
「ポケモンは好き?」
「えっ、はい」
「シロンのことは好き?」
「もちろんです!」
「じゃあ、シロンと一緒に何かしてみたいこととかある?」
「一緒に……ですか?」
「そう。一緒にしてみたいこと、見てみたいもの。そういう好きなことから考えてみたら、それが夢になることだって、あるかもしれないでしょ?」
「好きなことが……夢に……」
「焦らなくていいの。自分なりに考えて、ポケモンたちと向き合って、そうして見つけていけばいいんだから」
自分と同じ目線で、それでいて何処か大人びていて。そんなセレナの話は、サトシが自分たちに向けるものにそっくりだ。旅の中で、セレナもまた多くを見聞きし、学んで来たということだ。スクールとは違う、経験という方法で。自分も、ちゃんと頑張らないと。ポケモンたちに触れられないままで終わりたくはない。改めて一人、気合いを入れるリーリエ。
「はい。わたくしなりに、考えてみます。シロンと一緒に」
「うん、それがいいよ。あっ、そろそろ集まる時間だ!」
「行こう」
「はい!」
女の子四人は、仲良く駆け出す。一緒に笑いながら、セレナは思う。やっぱり、一緒にいてくれる誰かがいるのって楽しい、と。一人では心細いこともあった。でも、サトシのように、新しい仲間ができるかもしれない。
コンテストでできた新しいライバルたちのこと、カロスのライバルたちのこと、そして一緒に旅をして来た仲間たちのこと。思い返しながら、セレナもまた、一歩を踏み出した。
次回のアローラ修学旅行はカロスリーグ振り返り篇へ
アローラに来る直前のサトシの活躍をドドンと振り返っちゃおう!
カロス地方を旅したサトシは、遂に8つのバッジを揃え、カロスリーグに挑戦することに!
集まる旅でできた仲間、まだ見ぬ強敵、ライバルたち
激闘の結果はいかに?
解説のマサラタウンのサトシさん、アサメタウンのセレナさんを交え、あんなこんなそんな裏話も一挙公開!
気になる投稿日は……続報を待つべし!
次回、激闘!カロスリーグ 第1章 開幕、カロスリーグ!
みんなもポケモン、ゲットだぜ!