XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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少しだけ進みます

こっちの方が書くの大変ですわ、まじで



彼の異変

セレナと呼ばれた少女を前にして固まるサトシに戸惑うアローラ組。ぽけーっとしてるところや考え込んでるところはあったが、まるで思考自体が停止しているようだ。

 

「サトシ?」

 

セレナが心配そうに顔を覗き込むと、ハッとしたサトシは思いの外近くにセレナの顔があったのに驚いたのか、慌てた様子で少し下がった。

 

「どうしたの?」

「い、いや。ビックリしただけだよ。久しぶり、セレナ」

「うん。元気だった?」

「元気に決まってるだろ。セレナは?ホウエンの旅はどうだった?」

「うん。すっごく楽しかった。サトシたちと合流する前の時は心細いことの方が大きかったけど、今はどんなポケモンやトレーナーに出会えるか、楽しみにしながら旅してるの。ピカチュウも久しぶり。あっ、ゲッコウガも帰って来てたの?」

 

親しげにサトシに話しかけるセレナ。その様子を見たアローラ組は、ケンジと同じように一緒に旅をしたことがあるのだと、なんとなく予想できた。ポフレについて詳しいようだから、おそらくカロス地方での仲間だということも。が、どこかサトシの様子がいつもとは違った。どこか戸惑っているような、よそよそしいような違う、ネガティブなものではない。そう、まるで、照れているような。

 

「はいはい。サトシもセレナちゃんも、再会を喜ぶのはいいけど、ポフレ作りもするんだし、ちゃんとみんなに自己紹介しないと」

「あ、そうですね。初めまして。私、セレナです。サトシとはカロス地方を一緒に旅してて、ポケモンパフォーマーを目指してるの。よろしくね」

「あ、あたしはマオ、よろしくね!この子は仲良しのアママイコ」

「わたしスイレン、パートナーのアシマリ」

「僕はマーマネ。それからこっちはトゲデマル」

「カキだ。ほのおタイプを専門にしている」

「わたくしはリーリエと申します。こちらはわたくしのパートナーのシロンです」

「わぁ、この子ってロコンでしょ?白いロコンって初めて見た!」

「アローラ地方のロコンはこおりタイプなんです」

「そうなんだ。じゃあ私のポケモンたちも紹介しなくちゃ」

 

セレナの投げたボールから現れたのは三体のポケモン。二本足でたち、木の枝を持ったキツネのようなポケモン。小さい身体にサングラスをかけ、ポーズを決めているポケモン。そして、白とピンクの身体に長いリボンを持つポケモン。その様子からもセレナがポケモンたちのことをとても大切に思っていることがわかる。

 

「テールナー、ヤンチャム、ニンフィア、みんなに挨拶しよう」

 

「テナ!」

「ヤンチャ!」

「フィア!」

 

声を揃えて挨拶する三体。そこへピカチュウたちが声をかけ、ポケモンたちによる交流が始まった。特にピカチュウとゲッコウガは懐かしい出会いに喜んでいた。

 

「ねぇピカチュウ。ポフレを作る間、みんなを外に連れて行ってもらえるかな?」

「ピィカ?」

「せっかくだから、どんなのができるか楽しみにしてて欲しいの。お願いできる?」

「ピッカァ。ピカピカ、ピカチュウ」

 

セレナのお願いを聞き入れ、ピカチュウはポケモンたちを連れて、建物の外へと向かった。それを見届けたセレナは改めてサトシたちの方を向いた。

 

「それじゃあ、みんなで美味しいポフレ、頑張って作ろう!」

 

「「「はーい」」」「あぁ」

 

他のみんなが声を上げる中、サトシが少し静かなことにリーリエは気づいた。しかしそれも一瞬、ポフレ作りが始まるといつもと変わらないサトシだったため、違和感はすぐに消えてしまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「マオもスイレンもリーリエも、みんな上手ね。もしかして、普段から料理とかするの?」

「あたしの家は、アイナ食堂っていうお店なんだ。そこの看板娘としてお手伝いもしてるしね」

「私はたまに妹たちと食べるから」

「わたくしも機会は多いですね」

 

和気藹々と料理について話す女子組。流石に料理に慣れていることもあり、割とすぐにコツを掴み始めていた。一方男子組はというと、

 

「うーん、うまく形が整えられないや」

「案外難しいものだな」

 

カキとマーマネはところどころで苦労していた。不器用というわけではないはずだが、どうにもうまくいかない。ハナコの手伝いもあり、なんとか完成させていく。

 

ここで一人、苦戦しているわけではないが、何やら苦労している。サトシだ。手際自体はアローラでの生活により悪くないのだが、どこか完全に集中できずにいるようだった。

 

「サトシ?」

「うわっ、あっ、セレナ。何?」

「どうかしたの?なんだか集中できてないみたいだけど」

「い、いや。あー、ちょっとトイレ行ってくる」

「?」

 

今のサトシの慌ててかけていく姿を見ると、まるでセレナから逃げているようにも見えてしまう。首をかしげるセレナの様子から、傷ついているわけではないようだ。サトシから苦手意識や嫌悪感も感じられなかった。

 

「わたくし、ちょっと様子を見てきます」

「えっ、ちょっと、リーリエ?」

 

作業をひと段落させていたリーリエは、サトシの後を追ってみることにした。




さてさて、サトシのこの様子、みなさんはどう思いますかね〜

あっ、答えは心に秘めたままでオケです
アンケートではないので笑

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