本当にすみませんでした
翌朝、天気は良く気持ちのいい風が吹く中、サトシたちは研究所に集まった。午前の特別体験教室、『初心者用ポケモンを知ろう!』が始まろうとしていた。
「さて、みんなはポケモントレーナーになったら地方によっては旅に出ることがあるのはご存知じゃな?サトシもトレーナーになったその日に旅に出て、いろんな街を回ることになった。今日はその旅の最初の仲間、新人トレーナーのパートナーとして選ばれるポケモンたちを紹介しようと思う」
「サトシは最初のポケモンはピカチュウだったけど、他の人はみんなこの初心者用ポケモンと一緒に旅に出るんだよね?」
「最初に出会うポケモン。やっぱり特別だよね」
「その気持ち、わたくしも良くわかります。このこと初めて出会った時のことは忘れられません」
「では外に出よう。皆、待ってもらっておるしの」
庭に出てみると、数多くのポケモンたちがそこにはずらりと並んでいた。小さい体のポケモンから、大きな体を持つポケモンまで、様々なポケモンがいた。共通することは、彼らが全員ほのお、みず、くさタイプのいずれかであることだ。
「ではまずカントーのポケモンたちから。フシギダネ、ゼニガメ、そしてヒトカゲの3匹から選ぶこととなる。今おるのはリザードンで、ヒトカゲの最終進化系じゃ」
研究所のリーダーフシギダネ、元祖みずポケモンゼニガメ、そして森のバトルフィールドで激闘を繰り広げていた最強を目指すリザードン。最も古いサトシのポケモンたちだけあって、貫禄が随一であった。これ程にまで育てられたポケモンはククイ博士からしても珍しかった。
「続いてジョウト地方の3匹はワニノコ、ヒノアラシ、チコリータじゃ。この子たちはヒノアラシの進化系であるマグマラシと、チコリータの進化系のベイリーフじゃよ」
踊り好きなワニノコ、真面目なマグマラシ、そしてサトシ大好きー!なベイリーフ。ベイリーフが紹介の間ずっとサトシにのしかかりによる愛情表現をしていたことを既に当たり前のように受け入れてしまったアローラ組。どうやら修学旅行は思わぬ方向に影響を与えているようだ。
「ホウエンにはアチャモ、ミズゴロウ、キモリの3匹が選ばれておる。ここにいるのはキモリの最終進化系のジュカインじゃ」
木の枝をくわえ佇むジュカインはクールだった。あの激しいバトルを知っているカキはその落ち着きぶりからもその強者の風格を感じ取った。鋭い眼もまた、その強さを語るようだった。
「続くシンオウ地方ではヒコザル、ナエトル、ポッチャマからパートナーを選ぶこととなる。ポッチャマはおらんが、このドダイトスとゴウカザルはそれぞれナエトルとヒコザルの最終進化系じゃよ」
どっしりとした体のドダイトスに、頭の炎が特徴的なゴウカザル。紹介されると陽気に挨拶をしてくれる。ゴウカザルはバトルの時との雰囲気の違いに少し驚かされる。
「遠く離れたイッシュ地方のパートナーポケモンはポカブ、ミジュマル、ツタージャの3匹から選ばれる。この子はポカブの進化系のチャオブーじゃな」
お調子者で惚れっぽいミジュマル、イッシュの姐御的存在のツタージャ、そして優しいながらもパワフルなチャオブー。ツタージャはそっぽを向いているが、怒っていないのはなんとなく察せた。
「そしてカロス地方にはケロマツ、ハリマロン、フォッコがおる。みんなも知っとるこのゲッコウガはケロマツの最終進化系じゃよ」
腕を組み、目を細めたままのゲッコウガ。既に面識もあったため、やっ、と手をあげる。リラックスしている時とバトルの時の違いに未だに戸惑うこともあるが、面倒見もいい頼れるポケモンなのは皆知っている。
「ちなみにここにいるのはみんなサトシのポケモンじゃよ」
あぁ、やっぱりそっか〜。というのが彼らの感想だった。同じなのだ。今まで彼らが出会ってきたサトシのポケモンたちと。雰囲気やオーラとも言えるものが。この数にも驚かされるが、何よりも大きいのは、これほどまでの地方をサトシが旅してきたということだ。
「サトシ、一ついいか?」
「なんだよカキ?」
「このポケモンたちとバトルして見たいんだがいいか?」
「バトル?もちろんだぜ!博士、いいですか?」
「うむ。バトルもまた一つのふれあいじゃ。せっかくだからするといい」
「やったぜ!それでカキ?誰とバトルしたいんだ?」
「俺がバトルしたいのは・・・」
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「それではこれより、サトシとカキくんのポケモンバトルを始めるぞ。使用ポケモンはお互いに3体ずつ。毎回交代制じゃ」
森のフィールドで向かい合うサトシとカキ。普段野生のポケモンも来るこの場所で二人のバトルが行われることとなった。サトシのポケモンはもちろん、野生のポケモンたちも見学しに来ていた。
「それでは両者、ポケモンを」
「頼むぞ、ガラガラ!」
カキのボールから現れたのは大きな骨に炎をまとわせ、舞うように振るうポケモン。カントーでもお馴染みのガラガラ、そのアローラの姿だった。早速ケンジがスケッチを始めていた。
「ゴウカザル、君に決めた!」
対するサトシはシンオウ地方でのエース、ゴウカザルだった。闘志のみなぎる表情をしていて、比例しているかのように頭の炎も燃え上がる。
「久しぶりのバトルだからな、お前の力見せてやろうぜ!」
「ウィキャ!」
「ガラガラ、ボーンラッシュ!」
「ガラ!」
手にしている骨に力を込め、飛び上がったガラガラはゴウカザル目掛けて振り下ろした。
「マッハパンチで受け止めろ!」
「ウキャ!」
かくとうタイプの技はガラガラには通用しない。しかしじめんタイプの技を防ぐことは可能だった。拳と骨が激突する。パワーもゴウカザルの方が上だったようで、衝撃の反動でガラガラは少し後ろの飛ばされたが、問題なく体制を立て直し着地した。
「だいもんじ!」
まるでダンスのように骨を回転させて、その先端から炎が発射される。ゴウカザルに迫る大の字の炎。それを前にして、サトシもゴウカザルも動く気配はなかった。土煙を巻き上げて、炎がゴウカザルのいた場所に命中する。煙が晴れると、そこにはゴウカザルはもういなかった。
「何!?」
「今だ、ゴウカザル!」
ガラガラの真下の地面が割れ、中から飛び出したゴウカザルの拳が炸裂する。効果抜群のじめんタイプの技、あなをほるが決まった。効果抜群の技が決まり、ガラガラの体が宙に浮いたその瞬間を、サトシは見逃さなかった。
「フレアドライブ!」
「ウキャ!ウィーキャァ!」
頭の炎を燃え上がらせ、鞭を振るようにし、ゴウカザルはその身を炎で包んだ。炎の塊と化したゴウカザルはガラガラ目掛けて特攻し、咄嗟に構えられた骨による防御を貫いた。
地面に降り立つゴウカザルの背後で爆発が起きる。爆発の中から落下したガラガラは目を回してしまっていた。
もうか期待した人、すみませんがまだしばらくでないです
一応続きに理由っぽいのも含めますんで