XYサトシinアローラ物語   作:トマト嫌い8マン

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思ったよりも話を進められない……

まぁ、リアルが忙しいのは未だ変わらず、ですからねぇ


宝島探検

店内を見て回り、三人が会計をすませるのを待つために、サトシはベランダへと出た。そこから海を見ると、緑いっぱいの島が見える。波の音、吹き抜ける風、大きく伸びをするサトシ。なんだか、久しぶりに張っていた気を緩めることができた気がした。

 

「ここ、いいところだなぁ」

「気に入った?」

「えっ?」

 

ポツリと漏れたサトシの呟きに対し、背後から声がかけられる。アローラサンライズの店長らしき女性がサトシの隣に並んだ。

 

「私もね、時々こうして海を眺めるのが好きなのよ。今日みたいに晴れた日は特にね」

「そうですね。俺も好きです」

「そう。君は付き添いできたのかしら?ガールフレンドが三人もいるなんて、モテモテね」

「あはは。そんなんじゃないですよ。ポケモンスクールのクラスメイトです」

「あら、そう?私はてっきり……っと、こういうのは本人同士のことだし、憶測で話すのもよくないか」

「えぇと……?」

「ううん、なんでもないわ。それより、あそこにある小さな島、見える?」

「はい」

 

先ほどの島を指差す女性。なんでもそこは宝島というらしく、自然の素材や野生のポケモンがたくさん見られるとか。

 

「へぇー、凄いですね。行ってみたいなぁ、宝島」

「だったら、うちのシーカヤック、貸してあげてもいいわよ」

「シーカヤック?」

「手漕ぎの小さな船よ。折角だから、使ってみたらどう?」

「ありがとうございます!」

 

話がついたところで、丁度会計が終わった三人がお店から出てきた。

 

「お待たせしました」

「ショッピング終了だよ」

「そうなのか?丁度いいタイミングだな」

「えっ、何何?どういうこと?」

「俺たち、これから宝島探検なんだ!」

 

「「「宝島探検?」」ですか?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数分後、

 

先に帰るマオ達と別れたサトシは、早速シーカヤックを借り、宝島目指して漕ぎ出した。あたり一面を海に囲まれ、見上げると海と同じくらいに青い空。キャモメが飛び、サニーゴが泳ぎ、心地よい風が吹いていた。

 

「なんだか、久しぶりな気がするなぁ。こうしてゆっくりとするのも」

「ピィカチュ」

「うん。そうだよな。よし、今日は特訓はお休みだ。目一杯探検しようぜ、ピカチュウ」

「ピカピカチュウ!」

 

 

 

漕ぎ続けることしばし、サトシとピカチュウは無事に宝島の浜辺に着くことができた。そこでは野生のマケンカニがボクシングをしていたり、見たことのないポケモン、後にアブリーとロトムが説明、がピカチュウを花だと勘違いしくしゃみさせてしまったりと、着いて早々、ワクワクするサトシ。

 

アブリーに導かれるように島の奥へと進む。森を抜けると、そこは一面の花園だった。

 

アブリーやバタフリーなど、様々なポケモン達が花に集まっている。突然現れたサトシに驚くこともせず、ポケモン達が集まってきた。

 

「こんにちは、俺サトシ。こっちは相棒のピカチュウ。ちょっと島を探検しにきたんだ。短い時間だけど、よろしくな!」

「ピカチュ」

 

サトシがポケモン達に挨拶すると、その中の一体、キュワワーが花の飾りをサトシの首に巻く。それとともに、歓迎するかのように、ポケモン達がサトシに近づき、声を上げる。

 

「みんなありがとな。なんだか、パラダイスみたいだな」

「ピッカチュ」

 

穏やかな気持ちになるサトシとピカチュウ。と、森の中から大きな影がいくつも出てきた。長い首に6つの顔、アローラのナッシーの群れだ。何処へ向かっているのだろうか。気になったサトシは後をつけて見ることにした。森の中をさらに進んでいくと、少しひらけた場所が現れた。

 

「ここって、川?」

 

サトシ達は、海に繋がっているであろう川が流れている場所へとたどり着いたのだ。ナッシー達が水を飲んでいるのを見て、サトシも少し手に掬って、水を飲んでみる。しょっぱくない。ここの水は塩水ではなく、天然の湧き水のようだ。ピカチュウと一緒に喉を潤すサトシ。透き通るほど綺麗なその水は、いつも飲んでいるものと比べて、美味しいような気がした。

 

「へへっ、ピカチュウ。泳ごうぜ!」

「ピッカァ!」

 

勢いよく川に飛び込むサトシとピカチュウ。水を飲みにきたナッシー達ともいつの間にか仲良くなり、一緒に水合戦や首を使った滑り台、飛び込みなど、楽しく遊ぶことができた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ナッシー達に別れを告げ、浜辺に戻って来たサトシとピカチュウ。小腹がすいたため、おやつの時間にした。

 

「ピカチュウ、なんだかこうして二人だけっていうのも、久しぶりだな」

「ピカ」

「なんだかさ、この島に来て良かったって思うよ。自然の中で、ポケモン達と触れ合って、遊びまくってたらさ、すっごく気持ちよかった。俺、カプ・コケコとのバトルで焦ってたのかもな」

「ピカ?」

「俺、アローラ地方に来てよかったよ。自然とポケモンと、人間。その全てが支え合って、影響しあって。一緒に生きてるって感じがする。それに、ぬしポケモンや島キング、まだまだ強いトレーナーもいるんだろうなぁ。なぁ、ピカチュウ。俺、お前ともっともっと強くなりたい」

「ピッカァ!」

「だよな!でも、焦ってちゃダメだよな。一歩ずつ、少しずつでいい。お前やゲッコウガ、モクロー、イワンコ、ロコン。それに、カキ、マーマネ、マオ、スイレン、リーリエ。みんなと一緒に、成長していけばいいんだよな。だから、これからもよろしくな、ピカチュウ」

「ピッカチュ!」

 

 

拳を合わせるサトシとピカチュウ。もう随分前になるあの旅立ちの日、あれからどれだけ変わったかは、よくわからないけれど、それでも、自分たちは前に進んでいる。それを再確認することができた気がした。

 

 

 

「さてと、おやつの残りをって、ん?」

 

リュックの方へ再度目を向けたサトシ。その目に入ったのは、リュックの中を漁る初めて見るポケモンたちの姿だった。サトシが見ているのに気づくと、一目散に逃げ出してしまう。そのうちの一匹がサトシが持って来ていたマラサダの袋を加えていたが、途中で落としてしまう。逃げることを優先したのか、そのポケモンは拾おうとせず、そのまま逃げて行ってしまった。

 

「今のポケモン、一体なんて名前なんだろう。ひょっとして、お腹空いてたのか?」

「ピィカ?」

 

首をかしげる二人。群れで海を泳いでいくそのポケモンを見送り、サトシたちは再び島の探索を始めた。

 




ちょっと短めですみません

まぁ、続けますよ〜って意思表示も兼ねて

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