リゼロ関連を全て知っている人以外には、新情報が満載かもしれない話ですね。
知っても、知らなくても大きな影響はなく、ネタバレというほどでもない情報ですが……。
知れば、より楽しめるかも?程度です。
今回は、文庫本の外伝にしか登場していないキャラが出てきますが、
WEB版しか知らない人も読んでも問題ないように記載してますので、
気にせず読んでください。
気になる方は後書きに少し説明を付け加えましたので、
そちらも読んでみてはいかがでしょうか?
ロズワール邸。
その屋敷にある一室、屋敷上階中央にある高価そうな革張りの椅子にロズワールは座っていた。
ロズワールは机の上にある書類に対して、ふと部屋の窓を見て、そこから見える日の高さから、少しお昼を過ぎた頃と悟る。
「そろそろ、咲夜くんが無事に到着した頃じゃなーぁいかな」
「本当に行かせて宜しかったのでしょうか?」
「ふむ、確かに咲夜くんはなぁーかなかに、楽しませてくれる逸材だぁーったね。そのままお別れってぇのも、すこーしばかり、残念だねぇ」
ロズワールの座る椅子の傍から話しかけたピンク色の髪をしたメイド、ラムからの問いに、ロズワールは昨日の食堂のやり取りを思い出したのか、楽しそうにくつくつと笑いながら答える。
しかし、ラムの問いは、別の意図があったようで、
「……私が言いたいのはそう言うことではなくて、———」
「彼女が福音書を持っていたことかぁね?」
「はい、あの女は魔女教徒です。早々に始末してしまった方が良かったのでは?それを見逃すようなことをして……」
ラムの語気には、魔女教徒に対しての並々ならぬ憎しみが込められていた。
「たぁーしかに、彼女は福音書を持っていた。でも、福音書を持っていたからと言って彼女がそうである、という保証にはならないんじゃーないかな?」
意識を失った咲夜とスバルがこの屋敷に運び込まれたとき、ラムは屋敷を預かる以上、身元の不明な相手をそのまま受けいるわけにはいかない、と最初はエミリアに突っぱねた。
しかし、エミリアが持ち前の頑固さで譲らなかったたため、また怪我人を放置するわけにもいかず、パックのエミリアへの味方が後押しになり、渋々許可をした形だ。
せめてもの妥協点として、客人として咲夜とスバルの服を着替えさせる際に、咲夜はラムが、スバルはレムとエミリアが持ち物のチェックを行った。
その際にラムは福音書の存在に気付いたのだった。
「わざわざあんな得体の知れない本を持ち歩く一般人はいません。それこそ魔女教徒でない限り。あのメイドの着替えを行ったのがラムの方で良かったでした。レムが行っていたら……」
「感情的な彼女のことだ。その場で殺してただろうね」
「……」
ラムとレムの故郷の村は、魔女教徒の襲撃に合い、全て失われてしまった。
残ったのはラムと唯一、血がつながった妹だけ。
それだけに二人の魔女教徒への恨みの思いは強い。
咲夜が福音書を持っていることに気付いた時、ロズワールが戻るまで自制が出来たのは、彼女の冷静な性格が故にだろう。
レムであれば、きっと悲惨な結果になっていたに違いない。
「魔女教徒は、存在は広く知れ渡っているけど、その実、実態はあまり分かっていることは少ない。もし、彼女が本当に魔女教徒であったのなら、それはそれで何か情報を得ることができるかも、と思ってね。食堂ではどぉーんな要求が飛んでくるのだろうかと、期待したのだけどその点については期待外れ、と言ったところかな」
「なるほど、あえて泳がせていたと。だから、ロズワール様は三つも願いを叶えることを認めたのですね」
「ふふ、あれはわたしを予想外に楽しませてくれたことも理由にはあーるけどね」
「なら、屋敷を出ることが決まった時点でわざわざ素直に願いを聞いてやる必要は無かったのでは?」
泳がせるために手出しをしなかったのなら、屋敷を出ることが決まれば、その必要はなくなる。
ロズワールは咲夜の願いを承知すると、いきなり咲夜を連れて行くわけにもいかないので、アストレア家にまず使者を出した。
アストレア家から快く認める事が書かれた旨の返事が返ってきたのは、その日の夕方。
使者のやり取りで時間がかかるのは分かっていたため、咲夜にはその日はロズワール邸で宿泊をした。
その間、咲夜を始末する時間は沢山あったはずだ。
「ラムに命じて頂ければ、すぐにでも実行をしたのですが……」
「この屋敷にいるのは咲夜くんだけではない。エミリア様たちもいるし、それにお客様であるスバルくんもいる。ここで変に気取られるようなリスクを冒してまでするべきではなぁーいよ。スバルくんとはこれから仲良くやっていくことになぁーるかもしれないんだから」
「バルスとですか……」
「まぁ、咲夜くんはよそに行ってしまったわぁーけだし。王都にあるアストレア家、それも剣聖のところに行くのだから、仮に魔女教徒であっても下手な真似はできなぁーいんじゃいかな? 今回は、咲夜くんとは縁がなかった、ということだぁーろうね」
ロズワールはそう言うと、休憩はこれで終わり、というかのように再び書類と格闘し始める。
ラムも話の終わりを気取り、一礼をした後に部屋から退出していく。
この後、今日もまた一日、何も出来ないスバルの執事としての教育の時間が始まる……。
「さて、残ったスバルくんはこの屋敷に一体何をもたらしてくれるのか、期待だーぁね」
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アストレア家。
咲夜はアーラム村から馬車でラインハルトのいるこの別邸の元に訪れていた。
ラインハルトは断りのため、使者を出したとは言え、急な訪問に対して嫌な顔せず、快く迎い入れてくれる。
咲夜は、現在はそのラインハルトに屋敷の中を案内されていた。
「随分と使用人が少ないような気がするのだけど……」
「咲夜の言う通り、アストレア家、とくにこの別邸の方は使用人がほとんどいない。いるのは今君の隣にいる婆やと、その旦那さんの爺やくらいさ」
ラインハルトが言った「彼女」とは、案内のため、先を歩くラインハルトに続く咲夜の、少し後ろを歩いている老婆の女性を指していた。
咲夜が視線を送ると、老婆は人の良さそうな笑顔でこちらを見る。
咲夜はそんな視線を向けられ、少し居心地悪そうに眼を反らす。
「ロズワール邸もそうだけど、以外と貴族様は使用人をそんなに雇わないのかしら?」
「他所の貴族の屋敷のことは知らないけど、普通の貴族は咲夜の想像通り、たくさんの使用人を雇うものだよ。うちは特殊な家系だし、なによりも恥ずかしながら家庭の事情という理由もあってね……」
ラインハルトはそこで、少し言葉を濁す。
彼はどこか沈痛な表情を見せる。
しかし、それは一瞬で、すぐに笑顔に切り替える。
「咲夜の部屋はここだよ。この屋敷の客室で一番良い部屋を選んだつもりだから、もし部屋が気に入らなくても申し訳ないけどこれ以上の部屋はないからここで我慢してほしい」
ラインハルトは部屋の扉を開けながら、少し申し訳なさそうな表情で言う。
開けられた扉から、中を覗くと、毎日掃除がされているのか、清潔感あふれる部屋が見える。
部屋も広く、家具も高級品と分かるような品で揃えられ、バルコニーもある。
ロズワール邸の部屋よりもいい部屋だ。
バルコニーには階段があり、案内された部屋は三階の部屋だが、その上の四階にも続いているらしい。
「部屋に関しては、十分過ぎるほどよ。喜んでここの部屋を使わせてもらうわ」
「部屋を気に入ってくれたようで良かった。もうお昼を過ぎて大分たっているけど、食事は済ませている?」
「お気遣いありがとう。ロズワール邸から出発前に、弁当を貰っていたから、竜車の中で食べたわ」
「なら良かった。ここまで来るのに疲れているだろうから、部屋でゆっくりしていてくれ。夕食の時間になったら使用人の彼女が呼びに行くから。夕食の後でゆっくり話そう。君にも会わせたい人がいるから……」
「分かったわ。言葉の通り、部屋でゆっくりさせてもらうわ」
ロズワールと使用人は部屋の前から立ち去り、咲夜は部屋に入り、扉を閉じる。
大きなキングサイズのベッドの上に唯一の荷物だったカバンを置き、腕を上に垂直に伸ばし、「うーん」と、言いながら、少し伸びをする。
ずっと竜車に乗っていて長時間同じ姿勢だったため、気持ちいい。
「さて、夕食までの時間、どうしようかしら? 竜車で途中寝ていたら、眠気はないし。屋敷の探検をするのも良いけど、それは夕食後にした方が良さそうね」
咲夜は部屋の中の物を見回す。
ベッドだけでなく、テーブルや椅子、コートハンガーなどそれなりに必要と思われるものは一式揃っているらしい。
金庫まである。
鍵がすぐそばにあるので、それを使用すれば開けられそうだ。
家具は全て品の良い色で、部屋の空気を損なわないような色で整えられている。
客室だけあってお客を持て成すための部屋というだけあって、オシャレだった。
「まあ、特に部屋に変なものがあるわけでもないわね。異世界だから変わったもの一つでもあるかと期待したけど」
咲夜は部屋の調度品を調べるのを止め、ベッドの上のカバンを開け、中から本を一冊取り出す。
これも餞別としてロズワール邸で貰った本だ。
咲夜はこちらの世界の言葉が読めないため、その学習のためだ。
こちらの文字は、「イ」文字、「ロ」文字、「ハ」文字があるらしい。
それを知った時、咲夜は絶対に過去にこちらの世界に来た日本人が伝えたのだろうと、思った。
ともあれ、咲夜はそれぞれの文字ごとの学習本、計三冊を譲ってもらった。
初めは「イ」文字から習得した方がいいということなので、まずはその本を開く。
一つ一つの文字の横に絵と注釈が付いている。
勿論、音、読み方も分からないと学習の仕様がないので、事前にレムから聞いて、一通りの文字の読み方について、日本語でメモをしている。
咲夜はそのメモを開いた本の横に置き、文字の学習に時間を費やしていく――。
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「うりゃー!」
風が勢い良く、駆けていく。
駆ける速度は、凄まじく、常人では認識できず、近くに人がいれば、いきなり突風が吹いたと思うだろう。
その風は一人の老人の元へと一直線に向かっていき、そのまま老人を吹き飛ばすかと思われた。しかし、――
「……っい!」
老人は風とそのまま衝突するかと思われた直前で姿を消す。
老人が消えたと同時に風から、少女の戸惑いの声が漏れる。
直後、風の勢いは止まり、その場には少女が立っていた。
金髪で整った自顔立ちと色白の肌、意思の強そうな瞳は美貌の片鱗をにじませており、将来の有望さを予感させる。
彼女の名前はフェルト――
――あの盗品蔵の騒動から、ラインハルトに何故か拉致同然で連れ去られ、気が付けば、大きな豪邸の屋敷の中。
そんな状況に戸惑う彼女に、ラインハルトは彼女に様々な教育を施そうとする。
当然反発する彼女。
運命だとか、王選だとか、王族だとか、そんなの知らねー、と言い、彼女は昨日から屋敷から脱走を何度も挑戦していた。
挑戦するが、彼女のそれが一度も叶ったことは無い。
しかし、それでも持ち前の意思の強さから彼女は諦めない。
そして、現在も脱走を図っている真っ最中。
一番面倒な相手、ラインハルトがお客様を迎えるとかで正門へ出迎えに行く。
大人しくするように言われたが、それを素直に聞き分ける性格ではなく、むしろチャンスだと思ったフェルトは、すぐに脱走を企む。屋敷の裏庭から外に出られる裏門まであと少しという所で、この屋敷の使用人の老人が現れ、――
「うわっ!?」
フェルトは突如、足を何かに払われ、コケる。
「なんだ?」と思い、倒れた状態で視線を上に向けると、そこにはフェルトの視界から消えた老人だった。
どうやら足を払ったのは彼らしい。
フェルトは恨めし気にその老人を睨むが、対する老人は笑顔のまま何も言わずにフェルトを見つめてくる。
暫く無言の視線の飛ばし合いを繰り広げていたが、やがてフェルトが折れる。
「だー! チクショウ! 分かった、分かったよ、爺ちゃん。あたしの負けだ!」
フェルトは、渋々と自分の負けを認める。
フェルトがこの屋敷を未だに抜け出せない理由にこの老人の存在がいる。
一番の障害はラインハルトだが、彼は普段仕事で屋敷を留守にすることが多く、チャンスは殊の外、沢山あった。
しかし、その間はこの老人が立ちふさがる。
彼はフェルトが抜け出そうとすると、どこからともなく現れ、こうして妨害をしてくるのだ。
老人ながら動きは読めず、いつも気が付いたら一瞬で倒されている。
「……ん」
老人は少ししわがれた聞き取りにくい声でフェルトに声をかけると、倒れているフェルトに向かって手を伸ばす。
フェルトは素直にその手を取り、老人に引っ張られ、立ち上がる。
フェルトは服に着いた土を払うと、老人とともに屋敷に戻っていく。
「やっぱ爺ちゃんはつえーな。どうやったらそんなに強くなれんだ?」
フェルトは隣を歩く老人に尋ねる。
老人はポケットから紙を取り出し、文字を書いてフェルトに見せる。
紙には「経験の差」とだけ書かれていた。
老人は昔は騎士として、国に仕えていた。
特に亜人戦争の際、現賢人会の一人であるボルドーは、かつては直属の上司であり、あの剣鬼とともに一緒の隊員として戦場を駆け抜けたこともあったとのこと。
その戦争は苛烈で、魔女スピンクスの策略によって、戦傷を喉に負ったことで口が利けなくなり、以来、普段は無口で返事は紙に書いてするようになったらしい。
この話は老婆に爺ちゃんの強さについて、同じように質問した時にされた話だ。
その結果、爺ちゃんとの馴れ初め話にまで発展し、長時間拘束される羽目になったが……。
「フェルト様、やはり部屋を抜け出していましたか」
「うげっ!」
フェルトと老人が屋敷の廊下を歩いていると、ラインハルトが声をかけてくる。
ラインハルトは咲夜を部屋に案内した後、フェルトの部屋に戻ったが、彼女が部屋を抜け出したことに気付き、探し回っていたらしい。
「やっぱり、爺やが捕まえてくれたんだね。助かったよ」
フェルトの隣にいる老人を見て、大体の事情を把握したラインハルト。
既に何度も繰り返されている事だけに察するのも早い。
老人はラインハルトの感謝に笑顔とともに礼で返す。
老人とはそこで別れ、フェルトはラインハルトにそのまま連行されていく。
途中、フェルトの服が汚れていることに気付き、フェルトは風呂に入るように言われる。
「女性として身だしなみはしっかりとしないとね」と、ラインハルトのキザったらしい言葉にフェルトは表情をゆがめるも、今回は敗北を認めていたため、素直に従がう。
その後、風呂から上がり、着替えたフェルトを外で待ち構えていたラインハルトに連行され、再びフェルトの勉強会が夕食まで再開される。
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咲夜が文字の勉強を行っていると、扉がノックされる。
「咲夜様、お食事の準備が整いましたので、ご同行をお願いしても宜しいでしょうか?」
咲夜は本から視線を離すと、部屋に備え付けられた時計を見やる。
いつの間にか随分と時間が経っていたらしい。
気付けば、少し空腹も感じる。
「ええ、分かりました。すぐに部屋を出ます」
咲夜は本を閉じ、机の上に置くと、部屋を出る。
扉を開けると先ほどラインハルトと一緒にいた老婆がいる。
そしてその老婆の案内により食堂まで連れていかれる咲夜。
中に入ると既にラインハルトが食堂にいる。
既に食堂のテーブルには食事が並べられ、美味しそうな匂いを立てている。
咲夜は席に案内され、丁度ラインハルトの目の前の席に座る。
「やあ、咲夜。ゆっくり出来たかい?」
「ええ。お陰様で」
「それは良かった。咲夜も来たし、早速食事を始めたいところだけど、実はもう一人いてね。もうすぐ来るはずだからそれまで待って貰えるかな?」
「ええ。構わないわ。今回はこっちが無理言って押しかけたようなものだしね」
「そう言ってもらえると助かる。咲夜がこの屋敷に訪れた理由についても、後で話合おう」
「ええ」
咲夜とラインハルトが会話をしていると、食堂の扉が開く音がする。
どうやら、待ち人が来たようだ。
咲夜は視線を向けると、そこには小奇麗な服を着たフェルトがいた。
フェルトは何も言わず、いつもラインハルトの席の位置を確認して、一番離れた席に着く。
「驚いたわ。まさかフェルトがこんなところにいるなんて」
「うわ!? 盗品蔵にいた姉ちゃん!? いたのかよ!」
咲夜がフェルトの存在に驚き声を上げると、フェルトは自分の名前を呼ばれたことに反応し、そこでようやく咲夜の存在に気付く。
先ほどはラインハルトに意識を集中し過ぎてこちらに気付かなかったらしい。
「なんで貴方がここにいるのかしら?」
「そりゃ、こっちのセリフだ! ハーフエルフの姉ちゃんの所に兄ちゃんと一緒に行ったって聞いたぞ!」
咲夜とフェルトは共にお互いの存在に驚き、顔を見合わせる。
「ふふ、驚いたようだね。二人とも僕にとっても共通の友人だからね。再会できたら喜ぶと思って黙っていたんだ」
咲夜とフェルトがラインハルトを見ると、彼はいたずらが成功したような表情で笑っていた。
どうやら、彼は敢えて黙っていたらしい。
友人……、咲夜とフェルトは再び互いに視線を交じわせる。
二人の関係は友人と言えるのだろうか?
盗品蔵の件で共闘はしたけれども、元々は徽章の盗人とそれを買おうとした客の関係。
二人とも微妙な顔をする。
「まあ、ともあれこうして無事に再会できたことは良かったことだよ。話たいことは互いに沢山あるかもしれないけど、今は夕食を楽しもう!婆や作る料理は絶品だ。冷めては勿体ないよ」
「はあー、仕方ねぇな。確かにお前の言う通り、婆ちゃんの料理を冷ますのは勿体ない」
ラインハルトの言葉に先にフェルトが従い、フォークとナイフを手に取る。
「フェルト様」
「わあってるよ!マナーだろ、食事のマナー!」
フェルトは拙いながらも、習ったテーブルマナーを実践して食事を始める。
咲夜も色々と聞きたいことはあったが、今は自分も食事を優先し、完璧なテーブルマナーで食事を開始するのだった。
「美味しい……」
咲夜が食事を口にすると、その料理の美味しさに思わず、感想が零れる。
それを聞いて老婆はラインハルトと視線を交わし、老婆はウインクをする。
ラインハルトはそれに対し、笑顔を返し、咲夜とフェルトの二人が食事を開始したことを確認すると、自分も食事に口を付け始めたのだった。
今回出てきました、新キャラの使用人二人ですが、
名前に関しては次回のお話で紹介されます。
外伝「剣鬼恋歌」に、若かりし頃のヴィルヘルムと
先代剣聖テレシアとの出会いの物語の中で登場します。
時代は亜人戦争で、その際に「魔女スピンクス」も登場します。「スピンクス」はWEB番でも外伝「獅子王のみた夢」にも名前だけ登場するキャラでもありますね。
「魔女スピンクス」は亜人戦争の際に、亜人側で戦った人物になります。
外伝小説を読んでいる方は「魔女スピンクス」について、もっと細かい設定を知っているとは思いますが、それについて知りたい方は、外伝小説のEX2の「剣鬼恋歌」を読むことをお勧めします。
WEB版の人も読んでおくと「おおっ!」と驚く設定を発見すると思います。
WEB版読者は既にある程度知っているので、
あまり文庫本版を読もうと思わないかもしれませんが、
外伝小説に関してはWEB版に載っていないほとんど知らない情報が沢山あり、
十分楽しめますので個人的にお勧めです。
作者がこうして他の所からも設定を拾うのは、知らないと勿体ないと思ったからです。
知っていれば、リゼロの世界がもっと深みを増しますし、より楽しめると思います。
全ての設定をバラすようなことはしませんが、文庫本やWEB版の方にも興味を持ってくれる人が増えてくれたら嬉しいです。
何か疑問や質問ありましたら、
感想でも作者に直接メッセージでも構いませんので送ってください。