デート・ア・ライブ 風見サンフラワー   作:文々。社広報部部長 シン

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どうも、シンです。

なななんと!評価バーが赤くなってました!これも皆さんおかげです!ありがとうございます!評価をして下さった方に特大の感謝です!
感想もいっぱい来ました!ハッピーうれピー!

最初と最後は幽香視点です。

最後に一言。
ハシビロコウはカッコイイ

それではどうぞ


邂逅前

 《太陽の畑》

 

 雲が一欠片もない蒼の天井の真ん中に燦々(さんさん)と輝く太陽の下、辺り一面に広がる向日葵たちは皆、その顔を必死に太陽へと向けている。

 私は風見幽香、どこにでも居る花が好きな妖怪。

 そして此処は私の庭である花畑。人間は此処を太陽の畑と呼んでいるらしい。太陽の畑という名前は私もなかなか気に入っているので、その名前を考えた者を褒めてやりたい。

 

「~♪」

 

 今は鼻歌交じりに日課である花への水やりをしている。すると花たち、主に向日葵から感謝や歓喜の感情かが伝わってきた。心なしかいつもより瑞々しい気がする。

 

「美味しい?そう。なら良かったわ」

 

 ()だから水を小まめに上げないと花はすぐに枯れる。逆に上げ過ぎてしまうと水が温まってしまい、根腐れするので注意しなければならない。素人なら難しい調節なのかもしれないが、私は慣れてしまっているので目をつぶってでもできるだろう。

 軽い足取りで適切な量の水を花に上げていると、畑の奥の方の花たちが騒がしくなった。何事か、と急いでそこへ向かうと、そこには目を疑う光景が広がっていた。

 1本の向日葵が枯れてしまっていたのだ。茎は茶色に変色し、花弁は(しお)れ、項垂れている頭は今にも落ちてしまいそうな状態だった。

 昨日見たときは()()()()()()()()兆候など微塵も感じなかったのに。私は目利きが悪かったのか、いやそんな筈はない。そうすると何故…。疑問が頭の中を交錯している下、私の胸の奥から怒りがふつふつと沸き上がってくる。

 それは自分自身へ向けてのものだった。この子への対外的な影響があったとしても、その異変に気づき、()()からこの子を守ることが出来なかった自分へ対しての怒り。

 周りの子たち(向日葵)は「幽香さんは悪くない」と慰めてくれるが、怒りは鎮まらない。

 そして、怒りで感覚が鈍ってしまっていた私は足元に開いている無数の眼が覗く空間の切れ目に自分が落ちていることに気づけなかった。

 

「なッ…!?」

 

 気づいた時には遅かった。

 手を伸ばし、地面に手をかけようとするがその前に空間の切れ目は閉じてしまう。怒りで溶岩のように熱くなっていた思考回路は瞬間的に冷えていく。冷静になった頭の中ですべて繋がった。全ての元凶はあのスキマ妖怪(クソ胡散臭い金髪ババア妖怪)で、私を何処かへ飛ばすための罠だったという事だ。

 このスキマに入れられてしまえば何もすることが出来ない。ただ、私の静かな怒りが口から(こぼ)れた。

 

「スキマ、覚えておきなさいよ。次にあったらぶっ殺して(ぶちのめして)やるわ」

 

 誰にも届くことのないその言葉は()()()()へ吸い込まれていく。

 

「しかし、アイツは私を何処まで飛ばすつもりかしら」

 

 考えても仕方ないわね、と落ちているのか浮いているのかよく分からない浮遊感の中で私は目を閉じた。

 

 

 

 

 ◆

 

 《???》

 

 此処はある者によって作られた場所。どこまでも暗黒が続く果てのない世界。

 そんな場所に()()()がふよふよ浮かんでいる。

 

【…ふむ。第二の精霊を態と解放したか。ウェストコットめ、面白いことを考えるじゃないか】

 

 ()()は男か女かさえも分からない、ノイズで覆われた人型のモノ。ソレは機械で変換したような声で独り言を呟いている。何も無いところを見つめ、何かが見えているかのように。

 

【可愛い娘が傷つけられるのは好ましくないが、これもまた一興……】

 

「なかなか楽しそうなことをしてますわね」

 

【!?】

 

 と、ソレ以外何もいない筈のこの世界にソレとは全く違う女の声が響いた。そのことに驚いたソレは声のする方に振り向き(ノイズで見えないが、そんな気がした)、その声の主を見つけるとため息混じりに言った。

 

【…君が何故ここにいる、八雲紫】

 

「酷い言い草ですわね、あなたは私の能力ぐらい知っているでしょう、『######』。…あら?」

 

 八雲紫と呼ばれた女はソレの名前を読んだつもりだった。だが、名前がノイズのようなもののせいでかき消されてしまった。

 

【その名前はよしてくれないか】

 

「ああ!そうだったわね。今は『#######』だったわね…ってこれもダメなの?」

 

 紫は頬を膨らませて、ぶーと不満な顔をする。

 

【その歳でその顔は辞めてくれ。…そうだね、人間には<ファントム>と呼ばれているからそう呼んでくれ】

 

「なによその歳って、酷いじゃない。あなたの方が若いからってそんなこと言っていいと思ってるの、<ファントム>。私怒るわよ?ぷんぷん」

 

【………】

 

「ああっ!そんな養豚場の豚を見るかような冷たい目でみないで!『かわいそうだけど明日の朝にはお店の店先でならぶ運命なのね』ってかんじの!」

 

 自らを<ファントム>と名乗ったソレは紫を蔑んだ目で見つめているようだ。紫は()()()()()()()()()()()。だが<ファントム>は何故わかったのか敢えて聞かなかった。

 

【茶番はもういいよ、用件はなんだい】

 

<ファントム>がそう言うと紫から巫山戯た雰囲気が消えた。

 

「…こっちの世界に妖怪1人、いや、1妖怪送るわ。私もサポートするから、…よろしく頼むわ」

 

【いや、辞めてくれないか。こっちは忙しいんだ。それに、よろしく頼むって何を?】

 

「その妖怪をあなたのやってるゲームに混ぜて上げて下さいな。…あら、もう時間だわー。もう戻らなきゃ、ではご機嫌よう」

 

【あ、ちょっ……】

 

 あなたに拒否権など無い、とばかりに言うことだけ言って紫は消えてしまった。何をすればいいのか分からず、少しの間<ファントム>は呆然とするしか無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 《天宮ひまわり園》

 

 私が目を開けるとそこには1本以外全て枯れてしまっている向日葵畑が広がっていた。一瞬、太陽の畑なのではないか、と思ったが太陽の畑はこんなに小さくない。

 そのことに安堵すると同時に空気が冷たいことに気がついた。

 

「寒っ。向日葵は枯れてるし、寒いし、冬になってるわね。あのスキマ、枯れてる向日葵の前に私を飛ばすなんていい度胸してるわね。…でもこの子だけなんで咲いているのかしら」

 

 向日葵のことは気になるが、この場所が何処なのかを先に知りたい。周りを見渡すと愛用している日傘が少し先に落ちているのに気がついた。歩いてそこまで行き、日傘を手に取ると土埃を払い、そのまま日傘を差す。

 

「これがこっちに来てたのは不幸中の幸いね。さて、これからどうしましょうか」

 

 と、独り言を呟いていると向日葵の正面の方から人の気配を感じる。まずはここをどこか聞かないと始まらないわね、と向日葵の正面に立つ。

 そこには中肉中背の割と端正な顔をした青年が立っていた。なんてことない普通の人間だ。脅せばすぐにここが何処かぐらい吐くだろう。

 

「ねぇ、そこの人間」

 

「----っ!」

 

「此処は、何処かしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから少し時間が経ち、青年は帰って行った。

 彼は五河士道と言うらしい。なんやかんやでまた会うことになり、何故かコートを渡された。不思議な奴、そう思った。士道のことは殆ど知らない。だが、一つだけ言えることがある。

 

『これを渡しとけば幽香さんに会うきっかけになるからさ』

 

 この言葉、言ってて恥ずかしくなかったのかしら?

 

 

 




ギャグをぶっ込んでくれる紫さんまじ有能。
幽香が出したティーセットはどこから出したかって?魔法だよ、魔法。(適当)

評価が沢山ついたおかげで今回は早く更新することが出来ました!ありがとうございます!

来週テストなので頑張ります!高評価が付いたらテストも頑張れる!(唐突な評価稼ぎ)

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2017/06/04 サブタイトル変更しました

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