ULTRAMAN ZOFFY   作:銀河 流星

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第33話「レベルアッパー」

全ての始まりは、ゾフィーを追いかけてダイゴやブノアがそれぞれ変身して学園都市へ向かった後……。

 

 

「さぁ、私たちは東京へ帰るわよ!」

 

 

絵里の一言によりみんなそれぞれ荷物をまとめていた。一輝や他の戦士それに美琴の荷物だけ黒子がテレポートで移動させていたのでここにいる12人の分しかなかった。

 

 

「あの……これ持っててってください!!」

 

 

沼津行きのバス停前に着いた12人の後を追ってきたのは、千歌達だった。そして、μ'sのリーダーである高坂穂乃果へあるものを渡した。

 

 

「これは……?」

 

「千歌の家で作ってるお饅頭だよ!」

 

「本当!?穂乃果の家でも作ってるんだ!穂むらって言ってね!大きくなって東京へ来る用事があったらぜひ来てね!!」

 

「うん!約束するね。」

 

 

こうして、穂乃果と千歌はゆびきりをして約束を交わすとそれぞれバスの中へ乗車する。

そして、沼津へ向かう途中……全ては、始まった。

 

 

「あれ?……初春……何だか……意識が……遠の…い、て……。」

 

 

そう言って自らの荷物を下へ落とす佐天を横目で見た初春は、注意を促した。

 

 

「佐天さん、もうじき沼津ですよ?」

 

 

身体を横へ揺らしても反応しない佐天を不思議に感じた初春。何度も佐天を起こそうとするも全くと言っていいほど反応しない。

 

 

「変ですわね……。」

 

 

不思議に思った黒子は、佐天に近づく。その時、脳裏にレベルアッパー事件の事を思い出す。

 

 

「初春!緊急事態ですの!!今すぐ近くの病院へ向かいますわよ!」

 

「どういう事ですか?」

 

 

初春は、慌てる黒子に尋ねる。すると、黒子は鞄から珍しく風紀委員(ジャッジメント)の証である腕章を付けた。

 

 

「初春、ジャッジメントとしての仕事の時間ですわよ!これは、前に聞いたレベルアッパー使用後に起こる症状に似てますわ!」

 

「じゃ、じゃあ……佐天さんもレベルアッパーを!?」

 

「ねぇ、レベルアッパーって何?」

 

 

好奇心旺盛な穂乃果が初春へ質問をした。すると、黒子は穂乃果に近づくとある事を思いつく。

 

 

「貴女、お姉様かあの殿方へ連絡が取れますでしょうか?」

 

「え!?取れるけど……。」

 

「では、取ってください!!」

 

 

そういわれると穂乃果は、慌ててポケットから携帯を取り出した。

 

 

『もしもし、穂乃果。どうした!?』

 

「大変だよ!涙子ちゃんが起きないんだよ!?」

 

 

数秒後、何も知らない一輝が電話に出ると黒子の慌てぶりが移ったのか、穂乃果まで慌てた表情で一輝に伝えた。

 

 

『何!?佐天が???』

 

 

それを聞いて向こうでは一輝が大声で聞き直す。すると、穂乃果から携帯を横取り黒子が説明をし始めた。

 

 

「レベルアッパーをつかったのではないかと思われますわ。」

 

『レベルアッパー!?』

 

「能力を一時的に上げる力でこれまでに学園都市では多くの人がレベルアッパーを使用後意識を失ってると報告がありますの。」

 

『それで、その犯人が学園都市ここにいると。』

 

「恐らく……。」

 

 

すると、一呼吸置いてから一輝が話し始めた。

 

 

『なら話は早い。俺がそいつを捕まえて全てを終わらせる。』

 

「一般人の殿方では、止める事は出来ませんわ。それに、敵はどんな能力を使うかも……」

 

 

黒子は、それを止めようと必死に訴えるが一輝は、電話を切ってしまう。

 

 

(いくら超能力者のお姉様とあの宇宙人の殿方でも……。こうなれば私達も職場復帰しなければ……。)

 

 

黒子は、そう決意を固めると佐天を病院へ搬送後穂乃果達と少し離れた場所で話していた。

 

 

「初春、私は学園都市へ戻り固法先輩や他のメンバーと犯人を捕まえます。貴女はどうしますか?」

 

「わ、私は……。」

 

 

そう初春は黙り込むとベットで気を失っている佐天の顔を思い出した。すると、涙が止まらなくなりその場で小学生のように泣き出した。それを気遣い、黒子は一人で行こうとした時、その手をがっちり握ったのは初春だった。

 

 

「私は!いつも、佐天さんや白井さん、御坂さん、それにμ'sやウルトラマンにたくさんの勇気をもらいました!!今度は、私がそれを返す番です!!

……だから、行きます!いいえ、連れてってください!!……学園都市へ!!!」

 

 

その決意、その瞳は本物だった。それを見た黒子は、黙ってうんと頷くとテレポートを開始しようとするとまた黒子を止める声が聞こえた。

 

 

「あなた達……。」

 

 

そこには、穂乃果、ことり、海未、凛、絵里、にこの姿があった。

 

 

「あんた達だけで行かせると思いましたか?」

 

「園田さん……。」

 

「何をしてますの?」

 

 

黒子は、俯きながらそう呟くと両手をギュッと握りしめた。

 

 

「これは、私達の問題ですの!手出しは無用ですわ!」

 

「黒子ちゃん、それは違うよ。確かに私や海未ちゃんそれにことりちゃんは、黒子ちゃんや美琴ちゃんの様に特別な力はないけど……ただ見てるだけじゃ嫌だの!私たちだって犯人探しはできるよ!」

 

 

穂乃果の目は本気だった……。

それを見た黒子は、他のμ'sのメンバーを見る。穂乃果と同じような目をしていた。

 

 

「はぁ……どうなっても知りませんわよ。」

 

 

そう言って渋々黒子は、穂乃果達も連れてテレポートをした。その先は、ジャッジメント177支部にやって来ていた。その時にたまたま支部の中にいた固法先輩は、突然現れた黒子達に驚く。

 

 

「し、白井さん?居なくなったと思いきや突然現れ……って、そちらは?」

 

「そんな事より固法先輩、レベルアッパーの件はどうなってますの?」

 

「どうもこうも進展なしよ。」

 

 

それを聞くと初春は、すぐパソコンの前に座り犯人探しをし始めた。

 

 

「私が情報の整理をします、白井さんと固法先輩は高坂さん達と一緒に第七学区を探してください!」

 

「分かった!行こう!黒子ちゃん!!」

 

「了解ですの!」

 

 

そう言うと黒子達も動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、先に犯人探しをし始めていた一輝と美琴は、早速レベルアッパー絡みの事件に巻き込まれていた。

 

 

「テメェ……レベルアッパーを知りたいだと!?」

 

「あぁ、だから早く教えろ。」

 

「調子乗ってんのか!?アン!」

 

 

たまたまいた不良達からレベルアッパーについて聞こうとした一輝だが、その不良が中々正直に言わないので流石の一輝もキレていた。

 

 

「良いから教えろって言ってんだよ!」

 

 

一輝は、不良の胸ぐらを掴みながらそう言うと他の不良は、美琴を囲んだ。

 

 

「良いか、兄貴を離せ!さもないとコイツがどうなっても……。」

 

 

囲んだ不良の声を遮るかのように美琴の電撃が飛び散る。それを見た不良のリーダーは、少し怯える。そう、学園都市270万人の頂点に君臨する7人の超能力者の第3位超電磁砲が帰ってきたからだ。

 

 

「くっ……くそ、超電磁砲が帰ってきてたのかよ!?」

 

「アンタもこの電撃受けたくなければさっさと購入先を吐きなさい!」

 

「は、はい!こ、これ、は……。」

 

 

そう言い残して倒れると壊れたおもちゃの人形のように不良は、動かなくなる。それを見た二人は、慌てて救急車を呼び近くの病院へ搬送するとそこでしばらく待っていた。

 

 

 

 

しばらくして診察室から出てきたのは、カエルのような顔をした医者だった。

 

 

「君たちかね?この男と一緒に病院へ来たのは。」

 

「あぁ、ちょっと用事があって……それより、あの男は?」

 

「あの男は、植物人間な状態といった方がわかりやすいだろう。後は……脳に詳しいこの人に教えてもらおう。」

 

 

ゲコ太顔の医者がそう言うと彼の後ろに白衣を着た女性の先生がいた。

 

 

「初めまして、大脳生理学の木山春生(きやまはるみ)な。よろしく頼む。」

 

「御坂一輝です。」

 

「御坂美琴です。」

 

「ミサカ……あの御坂美琴か。確か、数ヶ月前から行方不明になっているとか聞いたが。」

 

「まぁ、まぁーそれは……アハハっ。」

 

 

そう言って美琴は、誤魔化すと3人は、場所を移しレベルアッパーについて話始めた。

 

 

「能力を劇的にあげる力……そんなのが実在すれば表彰ものだな。」

 

「感心してる場合じゃないですよ!副作用で意識を失ってる人が多くて……これ以上罪のない人を苦しめるわけにはいかない!だから、木山さんも力を貸してください。」

 

 

一輝は、関心を持つ彼女を見ながらそう語ると木山は、二つ返事で承諾する。

 

 

その後、一輝と美琴は、外へ出ると一輝にしか見えないウルトラサインが空に写る。

それは、キングからのウルトラサインだった。

 

 

『海王星に異常なマイナスエネルギーを確認した。お前にパトロールを命ずる。』

 

 

一輝は、それをしっかり見るとため息を吐く。そして、美琴の方を向いた。

 

 

「すまない、海王星に異常があったらしく行かなくてはならない。1人で大丈夫か?」

 

「べ、別に1人でも行けるわよ!」

 

 

それを聞くと一輝は、ゾフィーへ姿を変えると赤い玉となり海王星へ向かった。

 

 

 

 

それを見届けた美琴は、レベルアッパーを作った犯人を探しに走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

ドドーン!という音とともにゾフィーは、海王星へやって来た。そこで彼は、とんでもないものを見た。石像化されたアンドロメロスとウルトラマンティガだった。

 

 

「ティガ……ブノア……誰がこんな事を!?」

 

 

石像を見ながら悲しむゾフィー……。

次の瞬間、ゼペリオン光線とアンドロビームが飛んできた。

 

 

「何者だ!?」

 

「ゼットーン!」

 

 

振り向いた先には、ゾフィーよりデカイ巨大怪獣がいた。

 

 

「みよ!ゾフィー。これが悪魔のハイパーゼットンだ!!」

 

 

ウルトラ戦士を数多く苦しめたゼットンの強化体ハイパーゼットンコクーンが今!動き出そうとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.御坂一輝)
バット星人によって作りだされた悪魔…ハイパーゼットンコクーン。
俺は、そいつと海王星でぶつかり合う!!
そんな中、地球では初春や穂乃果達のヒントにより、
遂に犯人が!?


第34話「多才能力者(マルチスキル)」



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