そんな問いかけから始まる今日の物語は、少し懐かしいあの怪獣の登場です。
「暑い……暑すぎるよー!!」
そうわがままを言うのは、μ'sの発起人高坂穂乃果である。彼女は、今猛暑となっている東京の暑さに襲われていた。
「そんな事言わずに練習ですよ!」
「えーー!!暑過ぎて死んじゃうよ!」
海未がそう言うと穂乃果は、猛反対すると海未は少し呆れ気味に絵里や希に助け舟を求める。
「確かにこの暑さは異常よね。」
「ほな、だったら涼しい所行こうか?」
「涼しい所とは……!?」
海未は、そう呟くと穂乃果がある名案を叩き出す。
「そうだよ!合宿へ行こうよ!合宿!!」
「しかし、そんな費用あるんですか?」
穂乃果の提案に海未が質問する。しかし、穂乃果は固まるとじっと横目でことりを見つめる。
「ことりちゃん!ことりちゃんのバイト代で何とか!!」
「えぇー!?」
ことりは、穂乃果から突然のお願いに驚きを隠せなかった。それを見た海未は、あてがないのだと呆れる。
「じゃあ、真姫ちゃん!別荘とかあるでしょ??」
「あ、あるわよ。」
すると、穂乃果は目をキラキラ輝かせながら真姫に近寄ると興奮気味にそれが本当か聞く。
「本当だから!!何度も聞かないでよ!」
「ヤッターー!だったら真姫ちゃんの別荘へ行こうよ!」
こうして、夏のμ's強化合宿が始まろうとしていた。
「お姉様、黒子達も行っていいというのは本当ですか?」
「えぇ、西木野さんがどうせ行くならみんなで行きましょって。」
「それ、本当ですか?別荘か〜、海とかの近くにあるのかな?」
「東京の外へ出るのは、楽しみです!」
美琴は、帰宅後留守番してた黒子達に合宿の話を持ちかけるとみんな大喜びで行くと答えた。超能力開発の為に学園都市に拘束状態だった彼女達にとってみれば、初めての都外で興奮しているのだ。
「良かったな?白井達が行くってなってくれて。」
「うん、一輝も行くわよね?」
「あぁ、パトロールを終えてからそっちに向かうよ。」
それを聞くと美琴は、少し嬉しくなった。すると、自然と赤くなる頬を見てまた佐天が美琴をからかう。
「あぁー!御坂さん、また顔赤くしてる!!」
「もう、御坂さん毎日顔赤くしてますよ?」
「お姉様!!私、白井黒子と言う存在をお持ちながら何でそんな殿方を見て顔を赤くするのですか!?」
佐天から始まった美琴いじり……。
美琴も少しは、耐えたが……次第に我慢の限界になり大声で注意した。
「うるさい!からかう暇があったら明日の準備をしなさい!!」
それを聞くと慌てて黒子達は、明日からの合宿の準備をし始める。
翌日、快晴に恵まれた東京から静岡県沼津へ向かってμ'sの9人と美琴、黒子、初春、佐天それにダイゴが参加することになった。一輝は、本来の姿であるゾフィーになり太陽系のパトロールへと向かっていた。
新幹線に乗り沼津駅へやって来た穂乃果達は、そこから別荘のおる内浦へやって来た。
「「「おぉー!!」」」
真姫の別荘を見た一同は、その広さに歓声を上げる。部屋からは、内浦湾が一望できて。別荘の後ろには箱根山があり、海、山を一度に堪能できるという素晴らしい場所だった。
「では、これが本日から行う合宿の練習メニューです。」
海未は、そう言って練習メニューの書いた紙をホワイトボードに貼る。それを見た穂乃果が反対した。
「えぇーー!!これは流石に地獄だよ!!」
「いいえ、強化を測るにはこれぐらいが丁度いいかと。」
「じゃあ、海は?」
「海未なら私ですが……」
「海未じゃなくて海!!」
「で、私達はどうしてよっか?」
「美琴ちゃんも助けてよ!!」
怖くなりその場から逃げようとした美琴を穂乃果は、黙ってはいられなかった。
「お、お姉様……あの御方から凄まじい負のオーラが……。」
「美琴さんは、賛成ですよね?」
「え!?え…それは……園田さんの言うことも分からなくはないわ。でも……流石にやり過ぎなんじゃない?」
美琴は、恐る恐る言うと目線を3年生の方へ送る。
「ねぇ!絵里先輩もそう思いますよね!」
「えぇ、でもその前にみんなに聞いて欲しい事があるの!」
そう言って絵里は、みんなの視線を集める。すると、自らの考えをみんなに伝え始めた。
「みんな、今年上に対して先輩を使ってるわよね?そんな気づかいをライブ中にやられても嫌だからこの際、ハッキリしようと思うの……。」
「そうね。ステージの上では、みんな平等って訳だし……。」
「てなわけで!今日から先輩禁止!!」
絵里は、そう言うとみんな驚く。年上には先輩を使う。これが社会のルールであるからだ。
「絢瀬先輩!それって……もしかして私たちも?」
「当然よ!貴女達もμ'sの一員なんだから!」
疑問に思った美琴は、絵里に質問するとあっさり論破されて渋々それを受け入れる。
「穂乃果、分かってくれたかしら?」
「う、うん!絵里ちゃん。」
「ハラショー。」
こうして、μ'sの先輩禁止令が3年生から見事に発令された。その後、少しだけならといいみんな海で遊びはじめた。
「あーあ、平和だ。」
その光景を見ながらダイゴは、そっと呟く。そこへ、小学生ぐらいの身体をした茶髪の少女がやって来た。
「ねーね!お兄ちゃん達は、何しに内浦へ来たの?」
地元の小学生だろう。スクール水着には、高海と書かれていた。
「あぁ、ちょっとした合宿だ。君は?」
「私はね、友達と一緒に海に泳ぎに来たんだよ!」
「そうか、そのお友達は?」
ダイゴは、辺りを見ながらその娘の友達を探すが誰もいない。
「それが……お姉ちゃんたちが独占してるから止めた方が言いってみんな言うんだよ!あのお姉ちゃん達優しい人だよね?」
純粋な小学生の質問に対してダイゴは、その娘の頭を撫でながら答えた。
「あぁ、あの人たちはみんな優しい人達だから一緒に遊んでもらいな!」
それを聞いた少女は、建物の方へ向き大声で友達を呼んだ。
「果南ちゃん!曜ちゃん!あのお姉ちゃん達と一緒に遊んでもいいって!!」
「千歌ちゃんそれ本当?」
そう言いながらその娘の友達が二人こちらにやって来た。その娘達も少女と同じスクール水着だった。
「あ、自己紹介忘れてた。私の名前は高海千歌!内浦小学校6年生なんだ!宜しくね!!」
「私は、千歌と同じ学校の渡辺曜です。ヨーソロー!」
「私は、内浦中学校一年松浦果南です。」
真ん中の子のヨーソローとはなんだ?とダイゴは、少しの疑問を思いながらもそれを無視して穂乃果達と合流させようとすると上空に巨大な鳥型の怪獣が飛んでるのがわかった。
「穂乃果!絵里!みんな!こっちに逃げるんだ!!」
ダイゴは、懸命に叫びながらそう言うとそれを知ったみんなが慌てて逃げる。ダイゴも千歌達を連れて逃げる。すると、先ほどまで遊んでいた海に着地した怪獣は、その翼を動かして建物を倒壊させようとする。
「あれは何!?」
突然の出来事に混乱する千歌にダイゴは、冷静に説明する。
「あれは、火山怪鳥バードンだ。」
そんなバードンは、陸へ上がろうとしたがそこへパトロールを終えたゾフィーがやって来た。バードンに飛び蹴りして倒すと自分も海へ着地して攻撃態勢に入る。すると、起き上がったバードンと間合いを詰めてからパンチやキック、チョップなどの連続攻撃をする。
しかし、それに起こったバードンは自分の嘴をゾフィーの左肩へ思いっきり刺した。
「へアッ!」
全身麻痺したかのように痺れ始めたゾフィーへバードンの猛攻は止まらない。その至近距離から口を開いて火炎放射を放つとゾフィーの頭が燃え始めた。
「あぁ!頭が燃えてるよ!」
それを見た穂乃果が心配そうに言うと周りも心配する。すると、ゾフィーのカラータイマーが青から赤へ変わると彼を海に押し倒したバードンは、その嘴をゾフィーの太股へ向けて刺すとそこからまた猛毒がゾフィーの体内へと流れる。苦しむゾフィーは、バードンから離れようと背中を向けるが容赦なくバードンは、その背中へ嘴を突くとゾフィーは、完全に地面に倒れ込むとそのまま動かなくなってしまった……。
「そんな……。」
「お姉様、早く逃げますわよ!」
ゾフィーが負けた。その事実に、膝を地につけて落ち込む美琴に黒子は、歩み寄りテレポートでバードンから離れる。
「白井さん!」
「初春、住民の避難は?」
「はい、全て終わりました。」
ジャッジメントとしての仕事っぷりを発揮した初春と黒子は、住民の避難を完了させると美琴を連れて逃げようとする。
「お姉様、逃げますわよ?」
「嫌だ!」
黒子の言葉に美琴は、二つ返事で答えると電気をビリビリさせながら立ち上がった。すると、そんな美琴の脳に直接語る人がいた。
(バードンを倒したいかい?)
「え!?あんたは誰?」
(良いから倒したかったら俺の指示に従ってくれ。この場を逆転出来るのは君の超電磁砲だけだ!)
「分かったわ!」
そんな美琴を見た黒子は、嫌な予感しかしなかった……。
《次回予告》(CV.白井黒子)
お姉様!!
26話にして私、白井黒子が次回予告をさせていただきます。
さて、次回は……
あのゾフィーが敗れましたの……。
それに、もう1人の殿方はロリ少女達に捕まって変身できないみたいですし……って!!
お姉様、何を急に!?
あの緑の戦士は?
次回、第27話「帰ってきた戦士」
ですの。次回も見てくださいませ。