ULTRAMAN ZOFFY   作:銀河 流星

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覚えているだろうか!?

嘗て地球を守った私たちのヒーロのことを……。

そして、そんな彼らの間で今原因不明のウイルスに侵されていることを……。


この物語は、宇宙最強と言われたウルトラ戦士と9人の女神との二次創作である。



第一章「集いし9人の女神」
第1話「失った物……」


 

 

「ピコン…ピコン…ピコン…ピコン…」

 

 

M25星雲にある無人の惑星では、命の危険を示すカラータイマーの点滅音が鳴り響いていた。そこには、宇宙最強と呼ばれた宇宙警備隊の隊長であるゾフィーの姿があった。そして、彼の目の前には同じウルトラ戦士であるはずのアストラが仁王立ちしていた。

 

 

「アストラ、目を覚ませ!!光の戦士がそんなウイルスに負けていいのか!?」

 

 

ゾフィーは、説得するように言うがアストラは聞く耳も持たずにゾフィーへ向かって走り出すと地を思いっきり蹴りジャンプし片方の足を突き出して構える。彼の技は、兄レオと同じ必殺キック、アストラキックだ。

それをゾフィーは両腕を前でクロスして防ぐがダメージを完全に受けてない訳では無い。少しフラついたゾフィーにめがけてウルトラランスが飛んでくる。それを上半身を逸らしながら右手でキャッチして止めるとランスが飛んできた方角を睨む。そこから姿を現したのは、ウルトラ兄弟4番目の戦士帰ってきたウルトラマンことウルトラマンジャックだ。

 

 

「ゾフィー、大人しくあの世に逝ったらどうだ!?もう、お前の時代はない。」

 

 

半分機械仕掛けな声でジャックはゾフィーに向かって言う。その台詞にゾフィーは、少し怒りを覚えた。

だが、兄弟の様に仲の良かった戦士達を殺せるわけがない。ゾフィーは、心の中で葛藤が続いた。そんな彼に構わず次々と光線が飛んでくる。

 

 

「止めろ!お前達は、どうしてそこまで変わってしまったのだ!?我々は、ウルトラの戦士だ!!あの誓を忘れたのか!?」

 

「黙れ!死ね!!」

 

 

そう言うとジャックは、スペシウム光線を放つとそれがゾフィーに命中して火花が散った。次第に早く点滅していたカラータイマーがゆっくりになっていく……。

それは、ゾフィーの死を予言していた。

 

 

(このまま殺られるわけにはいかない。ここは、最後の力を使ってこの場を離脱するしかない!!)

 

 

そう考えるとゾフィーは、必殺光線であるM87光線を放ち、無人の星ごと破壊すると額の前に両腕をクロスして構えるとゆっくり斜め下に移動させると身体を別の場所へテレポーテーションさせた。

 

 

「逃げられたか……」

 

 

その映像を遥か離れた星ウルトラの星で高みの見物のように眺めている男がいた。彼の名は、ジュダ。今やウルトラの父の身体を乗っ取り宇宙最強の新型宇宙ウイルスを開発した張本人だが、そんな事をゾフィーは知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレポーテーションして来たゾフィーは、周囲を確認する。そこは、緑に囲まれた美しい山の中だった。

 

 

(危ないところだった……。)

 

 

ゾフィーは、そう思うと初めて見る地上からの星を眺めながらカラータイマーの点滅が消えかかった寸前に人間への擬態を試みると意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、倒れてる人を発見した人物が救急車を呼んで彼は、天下の大病院「西木野総合病院」に連れてこられた。彼の身体は、擬態したとはいえ戦闘時の傷が凄く残っていた。それを医者は手術で塞ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かくして、ゾフィー(人間体)の手術は無事成功した。しかし、彼の住所や名前それらに関する情報は一切なく病院側も誰に治療代を請求していいか悩んでいた。

 

そんなある日の夜、突然の如く目を覚ましたゾフィーは、ベットから起き上がると自分に繋がれている点滴の針をゆっくり抜き両手をグーパーして力が入るか確認する。

 

 

(どうやら擬態に成功したらしい……。)

 

 

そう思うとゾフィーは、窓ガラスを見つめると何かを発見してそれを確認するかのように目をさっきより細めて見つめると、宇宙警備隊の若きルーキーのウルトラマンメビウスがこっちに向かってくるのを確認した。

 

 

「向こうも待つ気は無いみたいだな。」

 

 

そう呟くとゾフィーは、左手につけているブレスレットの横にあるボタンを押す。

そして、ブレスレットから放たれた光に包み込まれると着ていたはずの入院服が私服へと変わった。

それを確認してからゾフィーは、窓から飛び降りると病院を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

夜の街……。

静かな眠りを邪魔するかのように新型ウイルスに侵食された赤い瞳のウルトラマンメビウスが暴れ始めた。

逃げ惑う人々と反対の方向へゾフィーは向かう。

彼の胸の奥にあるウルトラの魂が叫んでいた。

 

 

《守れ!自分たちが愛した第二の故郷である……、

この地球という星を……そして、

ウルトラ戦士達との信頼関係を……、守れ!!》

 

 

ゾフィーは、メビウスの足元に到着すると上からメビウスが睨んでくる。

周りのビルや家などの建物はメチャメチャになっていた……。

 

 

「何故だ……何故、こんな事をする!!答えろ!ウルトラマンメビウス!!」

 

 

ゾフィーは、怒りに満ち溢れていた。しかし、メビウスは、何も言わずにゾフィーを踏み潰そうとする。そんなメビウスに対してゾフィーは、両手を合わせてZ光線を放つとそれを受けたメビウスは何歩か後ろへ下がるとゾフィーは、もう1回Z光線を放つ。

 

 

「私は……そんなお前達に鍛えたつもりは無い!!」

 

 

そう言ってゾフィーは、さらにZ光線を放つがメビウスはゾフィーに近づいて行った。慌てたゾフィーは、もう1回Z光線を放つとそれを受けたメビウスは、勢いよく後ろへ倒れる。そこにあった数多くの家がメビウスの、下敷きになった。

今のうちに変身しようとしたゾフィーだが、それに待ったをかけるかのように誰かの叫び声が聞こえた。

 

 

「雪穂!雪穂ってば!しっかりしてよ!!雪穂!!」

 

「穂乃果、早く逃げなければ私たちまで建物の下敷きですよ!」

 

「穂乃果ちゃん早く逃げようよ!!」

 

 

そこには、3人の少女と建物の下敷きになっている1人の少女の姿があった。ゾフィーは、彼女達を助けようと考えたがその前にメビウスが起き上がってしまった。

 

 

「ねぇ!貴方は、ウルトラマンメビウスだよね!何で街を破壊するの?何で皆を悲しませるの??ウルトラマンはやっぱり人類の敵だったの?私達を騙したの??」

 

 

涙目になりながら茶髪の少女は、訴える。しかし、それに動揺の素振りも見せずにメビウスは、彼女達を潰そうと足を上げる!!

 

 

「もう我慢の限界だ…!

メビウス、俺は……俺は、怒ったぞォォッ!!」

 

 

そう叫ぶとゾフィーの目は、今までのように優しいものではなかった。

怒り、憎しみ、そして悔しさが今にも溢れだしそうだった。そして、その瞳は遥か昔まだスターマークを付ける前に最前線で活躍していた戦士の頃の瞳だった。

 

 

「恐らく、本来の姿はエネルギー不足でなれないだろう……。」

 

 

そう言いながら薄く光出したブレスレットを見つめる。

 

 

「だが、昔の姿でも十分に戦える!!勝負だ!

……ウルトラマンメビウス!!」

 

 

そう叫ぶと彼のブレスレットから放たれた眩しい輝きは、ゾフィーを包み込み球体になるとそのまま彼女達を踏み潰そうとしたメビウス元へと向かって行った。

そのまま球体のタックルを受けたメビウスは、後ろへ飛んで行くとビルに向かって倒れる。

そして、その球体はやがて身長45メートルぐらいの大きな巨人へと姿を変えると雪穂と言う少女の上に乗っている家の瓦礫を退かす。

そして、光が消えると巨人は姿を現した。

銀と赤のボディカラーにウルトラマンの様な顔……。胸には、青く輝くカラータイマーがあった。

だが、多くの皆が知ってるゾフィーでは無かった。彼の身体には勲章であるスターマークや宇宙警備隊隊長の証であるウルトラブレスターはなかった。

 

 

「お前達の悪事を許す訳にはいかない!

俺は、過去の誇りを全て捨ててまでお前達を倒す!!」

 

 

それは、残された僅かなエネルギーと新たな決意が過去の姿(ファーストスタイル)になっているゾフィーを動かすのであった……。

 

 

 

 

 

 

 




《次回予告》(CV.高坂穂乃果)
初めまして、高坂穂乃果です!!

遂に私たちの前に姿を現したゾフィー。
そして、メビウスと激しい交戦を繰り広げる!
その中で彼は、何を思うのか!?


次回、第2話「誕生!ゾフィー・ファーストスタイル!!」




次回も絶対読んでね!!

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