第3、第4試合は原作通りの展開で勝負がついた。まぁ、私が手を加えていないので当然と言えば当然だ。バタフライエフェクトもありうるが、この世界がそんなに繊細だとは思えない。いや、バタフライエフェクトってそういうことじゃないけど、そういう理屈が通りそうな気がする。
インタビューも原作通り……ということはなく、私も呼ばれた。女でありながら圧倒的な力でかめはめ波をも使える武術の達人を倒したのだから気にならない方が変だろう。
クリリンがどこの道場で習ったか聞かれ、武天老師だと答え観客が驚く。当然、私にも聞かれたがどこで武術をと聞かれれば我流だと無難に答えておいた。だが、私はこの世界で注目されておきたい。せめてこの世界でぐらいやんちゃしたい。というわけで審判からマイクを奪う。
「あっ、ちょっと!」
『どうも~! イーヴィちゃんでぇ~す!』
野太い声援が聞こえる。なんかキモイな……
『私、正直ですね……負ける気がしないんです。私は最強なんだと確信しています』
野太い声援が(ry
『しかも、天才です。さらに歌って踊れます。なんでもできちゃうんです』
あっ、自分で言っててうざいと思う人いそう。
『というわけで一曲聞いてください』
アカペラでCHA-LA HEAD-CHA-LA歌ったら結構盛り上がった。うん、アイドル路線も悪くないかも。審判にマイクを返す。
『だっ、第五試合はじめーっ!』
「はーーーーっ!」
連続でパンチとキックを繰り出してきた。この程度、難なく避けられるけど。速度は常人には見えないレベルだろうが。
「あ、当たらない……」
「もう終わり? じゃ、ちょっと反撃」
2パーセントぐらい本気の速度を出して腹に五回ほどパンチを撃った。
「がっ、がはっ」
『ダ、ダウーン! い、一体何が起こったのでしょう!? イーヴィ選手が消えて、クリリン選手の目の前に現れたと思ったらクリリン選手が倒れていました』
「ほら、解説はいいからカウント、カウント」
『は、はい。ワン……ツー……』
数えるだけ無駄なんだけど。言っても仕方ない。
「イーヴィさんは、あの一瞬で距離を詰めて腹に五発もパンチを撃っていたんだ!」
悟空にも全く見えなかったはずだが、ヤムチャにはしっかり見えていたようだ。うむ、修業の成果が出ているな。試合で発揮されないことが悲しい限りだけど。まずい、少し吹き出しそうになった。
「おめぇ、ホントにすげぇなぁ! ヤムチャが修業つけてもらった人だって言ってたけど、クリリンをあんなにあっさり倒しちまうなんて! オラ、全く見えなかったぞ!」
「君もあれぐらい簡単にできるようになるさ」
だって、サイヤ人だし。言わないけど。
1%とか2%とか戦闘力のこと全く考えてないので、文句はなしでお願いします。