フリーザの居る場所に向かっている途中、ベジータが気を上げているのを感じた。多分、今頃キュイが汚い花火にでもなっているのだろう。
「ふっ、それにしても俺たちは随分強くなったようだな」
ピッコロさんがそんなことを言っていた。今のベジータは地球にやって来た時よりも強いが、今やピッコロさんと悟飯の方が圧倒的にパワーは上だ。
「そりゃ、あんな無理な重力やってればね」
「しかし、これでもフリーザとかいうやつには届かない……とんでもない化物だ」
「……僕たち、本当にこの星の人たちを助けられるんでしょうか」
「さぁね。やってみなくちゃわかんないさ……静かに」
フリーザ達を見つけ、岩陰に隠れた。既に村におり、ナメック星人が外に出るように言われていた。
「お、俺とそっくりだ……あれが、ナメック星人か……」
「あのドラゴンボール、僕たちが知っているのよりずっと大きいですよ……!」
「バレるから静かにして」
フリーザはナメック星人たちにドラゴンボールのありかを聞いていた。……そういえば、ここで名前のあるキャラが二人も死ぬんだよね。片方に至っては、本当にやられるだけの子供だけど……主要人物とは言えないけど……これを見殺しにすることは私の目標に反する……のか?
フリーザ達は、村の住民を一人殺し、それに怒った他の村人がフリーザ達に攻撃を仕掛けるが逆に殺された。若いナメック星人たちが助けにやってきたが、倒せるのは雑魚だけで、ドドリアには敵うはずもなかった。ここの村の長老――確か……ムーリは、スカウターを破壊したけど怒りを買うだけでそこまで意味がないんだよね。もちろん全くの無意味とまでは言わないけど。
悟飯、ちょっと飛び掛かりそうだ。それをピッコロさんが抑えている。実は、私も止めようかちょっと迷ってる。放置してたら死んじゃうし……ここでの見殺しはやっぱり目標違反なのかなぁ。
「ナメック星人の誇りを見せてくれるっ!」
ムーリ長老が言った瞬間mフリーザが指からエネルギー波――ゲームとかでは、デスビームと言われるやつを放った。それは、ナメック星人の子供にあたった。……って、カルゴ死んじゃったよ!
「カ、カルゴッ!」
……名前しか知らないナメック星人の子供さん、ごめんなさい。私の目標的にはノーカンということにさせてください。一言も喋らないし、物語にも関与しないキャラを登場人物とカウントするのは私的にはなしの方向で、ただのモブと判断することにしました。どうせドラゴンボールで生き返るからいいよね。……というわけで、ムーリ長老とデンデは助ける方向で行こうか。
「……二人共、隠れててね」
「な、何……!?」
私は瞬間移動でドドリアのムーリの間に入り、ドドリアの動きを止めた。
「!! な、なんだてめぇは!?」
「ノーコメント」
軽い裏拳をくらわせた。ドドリアは家に激突した。
一撃で殺せたけど、ベジータに譲っておこう。ここでドドリア殺したら、ザーボンも殺さなくちゃならなくなって、ザーボン殺したらフリーザってなっちゃう。フリーザはできれば私以外に倒して欲しい。無理ゲーな様な気もするけどできるだけ粘るつもりだ。
「それじゃ、さよなら」
ムーリ長老とデンデを連れて飛んだ。
「追うんですよ、ドドリアさん! 捕まえなさい!」
抱えているからちょっと速度が出し切れないな……仕方ないちょっと移動したし、瞬間移を使お。別に額に指当てる必要ないし……悟空のところへ
「! ど、どこ行きやがった!」
と、ドドリアが騒いでいる頃だろう。予定通り、悟空とラディッツのところに着いた。
「や、悟空」
「い、イーヴィ! いきなりどうしたんだよ。ピッコロと悟飯は? それに、後ろに居るピッコロみてぇなのは……もしかしてナメック星人か!?」
「フリーザ達に殺されそうになったから助けてきたよ」
「い、一体、君たちは何者かね……?」
ムーリ村長が訪ねてくる。そりゃ、当然の疑問だ。
「えーっと、私たちは地球から来ました。ナメック星へは、ちょっと責任を取りに来たって感じですかね。私以外はただの巻き添えみたいなものですが」
「はい?」
私は、ムーリ村長に私がドラゴンボールの存在をフリーザにわざと漏らしたことや地球にドラゴンボールがあること、そしてフリーザ達とどうことを構えるつもりかを話した。
「そうでしたか……ならば、最長老様に知らせに行きましょう」
「このナメック星で一番偉い人ね。いいわ、どっちの方向に居る?」
「あ、あちらの方角ですが……?」
ムーリはどうするつもりか疑問に思っているといった表情だ。
「さっきも見たでしょ。私は、気を見つけられればその人の場所に瞬間移動できるのよ」
「おぉ……それはすごい……!」
「私の肩に掴まって。私に間接的にでも触れていればみんな一緒に移動できるわ」
ナメック星人特有の二つの気がある場所を見つけた。瞬間移動をした。
「なっ……!」
「ようこそ、地球からやって来た方々……まずは、わたしの息子たちを助けていただいたことに礼を言いたい。ありがとう……」
あら、私が急に出てきて驚かないのは初めての反応だ。さすがは最長老と言ったところだろうか……ネイルはそんなことなかったみたいだけど。
「いえいえ、むしろこの現状を作り出してしまったのは私のせいもありますから」
「ナメック星に住む者の知恵と力の証、希望の玉がまさかこのようなことを……」
「できればそのドラゴンボールをいただけませんか? 地球にもドラゴンボールはありますから私たちにドラゴンボールは必要ありませんが、フリーザ達に渡すわけにはいきません。まぁ、7つ揃ったところでフリーザ達に願いを叶えることはできないでしょうが……」
「あなたは一体どこまで……!」
最長老がここに来て、驚きの表情を見せた。あ、寿命縮めちゃったかな?
「地球の事情に関しては、悟空を調べた方が早いかもしれませんね。私、機械ですし」
「へっ? オラ?」
「ど、どういうことかはわかりませんが、そこのお方こちらに来てくれませんか」
「あ、あぁいいけど……」
最長老は悟空の頭に手を置いた。
「すこし、あなたの過去を探らせてくだされ……」
最長老はこちらの神様の事情を知ったようだ。
「まさか、カタッツの息子がな……なるほど。あなた方にご助力……いや、ナメック星のために協力させてください」
「こちらこそよろしくお願いします」
「それにしてもあなたはとてつもない力をお持ちですね。それにサイヤ人でいらっしゃるのにとても清い心の持ち主だ」
「そ、そんなことまでわかるんか?」
「ええ、そこの御仁もサイヤ人だとわかりますが……どういうわけか邪悪な気配が薄い。あなたから良い影響を受けているのでしょうね」
「……ふん」
ラディッツがそっぽ向いた。あんなに丸くなってもあまり認めたくない事実というやつなのだろう。
「あなたにはまだ眠っている力がある。私には引き出しきれませんが……それを起こして差し上げましょう」
「……え? す、すっげぇ! 力が溢れてくる……!」
「な、なんだカカロットの戦闘力が急激に上がっている!」
最長老に潜在能力を引き出してもらえるかな……とは少し思っていたがこうも上手くいくとは思わなかった。でも、フリーザに勝てるかと言われたら難しそうだ。
「そこの御仁もどうぞ」
「……よろしく頼む」
ラディッツも潜在能力を引き出してもらい、かなりの戦力アップになった。少し、ベジータがかわいそうになるレベルで段違いにパワーアップしたな。
気の感じからして、ドドリアは死んだようだがザーボンは生きているか……ベジータは死にかけかな? つまり、ベジータは村を一個破壊したのかな……あ、考え事する前にピッコロさんたち回収しておこう。
「ごめん、ピッコロたちを連れてくるね」
瞬間移動でピッコロの下へと向かった。
「ごめん、ピッコロ」
「……イーヴィ! 勝手に行動するな! こっちもばれるところだったろうが!」
「ま、まぁいいじゃない。それよりも、みんなで一旦合流しよう」
「……ちっ、仕方ない。いくぞ、悟飯」
「はい!」
瞬間移動で最長老の下へ戻ろうとすると悟飯が裾を引っ張った。
「何?」
耳打ちするようにこちらに顔を近づけるので耳を近づける。
「ピッコロさんはああ言ってましたけど、僕もピッコロさんも正直スカッとしましたよ」
「へぇ~……」
「……お前の瞬間移動を使うんだろ。さっさとしろ」
さっきの耳打ちがピッコロさんに聞こえていないわけがない。つまりはそういうことか。ツンデレさんめ。
「はいはい」
最長老の下へと向かった。
「も、もしや……カタッツの息子……!?」
最長老はピッコロさんを見てそういった。
「お前は、いや、あなたは……?」
「覚えていませんか……まぁ、無理もないでしょう」
「このお方は最長老様だ」
「ナメック星の長……か。記憶にはないが、少し懐かしい気分になる」
宙から5つの邪悪な気を感じる……このタイミングでどうもギニュー特戦隊がやってきたようだ。原作よりタイミングが少しばかり早い気がするが……多分私のせいだな。私の特徴はフリーザ達に割れていたのに前に出たから警戒して早めに連れて来たんだろう。これ……ベジータは、宇宙船から抜け出せないんじゃないかな。
「今、5つの大きな力を感じたわ。私たちの敵ではないと思うけど、フリーザ側の戦力のはずよ。各自、戦う準備をしておいて。今のあなたたちならフリーザにも勝てるはずよ」
「5つ……ギニュー特戦隊か……!」
やっぱり、ラディッツは知っているのか。ラディッツはベジータより強いかもしれない奴が5人居ることをみんなに伝えていた。
フリーザに勝てるってのは、全員まとめてかかればあるいは……ってぐらいだけどね。もちろん、私を除いて。もう少し倒すために力を付けたかったけど、あんまり引き伸ばしても意味はないだろうし……迎え撃つことにしよう。無理だった時は私が殺すでオールオッケー。
「最長老様、そこの二人の力も引き出してもらえますか?」
「ええ、もちろん」
これで、全員潜在能力を引き出してもらえるわけだ。それならばもう戦いに行くしか選択肢はないだろう。私に後退の二文字はない! ……さっき逃げたけど。
「さて、ナメック星の命運を分ける決戦に行こうか」
正直、原作での時間を全く考慮していません。まぁ、ノリと勢いだけで考えていますので許してください。