外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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32 フリーザ編をどう乗り越える?

 私はナメック星に向けて飛び立ったものの少し悩んでいた。フリーザ自体は私が戦えば一瞬で方が付くが、そうするとセル相手に詰む可能性が出てくる。なんとか悟空を超サイヤ人にしたい。だが、私の目標は悪役を除いた主要人物を誰も殺させないことにある。クリリンも連れてきてはいない。私を代役に使うというのもありだが、悟空が私の死ぐらいで超サイヤ人になるほど怒ってくれるかが微妙なところだ。というか、私はこの身体が爆散したところで私の身体のストックは2つあるし、私という存在を完全に消し去る方法なんて二つしかない。この世界の誰にも教えてないからこの身体が爆散すれば死んだと思うだろうけど。それにクリリンがフリーザに殺された時は二回目の死ということもあり、悟空はドラゴンボールで生き返れないと思っていた。だから私が死んだ場合「でぇじょうぶだ、ドラゴンボールがある」になりかねない。

 

「なぁ、イーヴィは修行しねぇんか?」

 

 ピッコロと悟飯のために10Gから始めた重力室の中で孫一家は筋トレしていた。ピッコロさんは空中で胡坐をかいて瞑想中。そして、私はただぬぼーっと座っているだけだった。

 

「機械の身体を鍛えても強くはなれないの。だから修行しても意味ないの」

「そうなんか……それなら後で、組手してくれよ」

「まぁ、それぐらいなら……気功波とかはなしよ」

「わかってるって」

 

 この宇宙船は悟空が乗っていた宇宙船の3倍はでかく、超頑丈に作ったので組手をするぐらいで壊れることはない。ついでに全員で足並み揃えて修行をするためにゆっくりナメック星に向かっている。ナメック星に到着するのは2週間ほどかかるだろう。

 

『イーヴィよ……聞こえるか』

「あ、界王様」

『フリーザに挑むなんてことはやめろ! 今まで冗談だと思って聞いていたが、本当にナメック星にいるじゃないか!』

「諸悪の根源を消し去りに行くんだから別にいいじゃない」

『馬鹿者!! フリーザの怒りを買ってみろ、他の星々もただではすまん!』

「心配する必要ないさ。みんなにも勝てる奴じゃないってことは伝えてあるから」

『なら、いいが……いいか! 絶対に戦うんじゃないぞ』

「はいはい」

 

 どうせ、戦うことになるだろうけどね。

 

 この修業期間、悟空とラディッツは異常な程自分をギリギリまで追いつめて仙豆を食べるということを何度かしていた。いや、原作の悟空もやっていたのだが、おかげで仙豆が残り2粒になってしまった。この二人が修業している間は、激しすぎて他に人が入れず私と悟飯、ピッコロさんは別の部屋で待っていることしかできなかった。

 

 残り1日という時点で悟空とラディッツ、ピッコロさんは100Gを克服した。悟飯は、チチに課せられた宿題などをやっていたこともあり、80Gまでしかやっていない。それでも、この2週間で全員ギニューを超えただろう。でも、どうひっくり返ってもフリーザには届かない。多分、最終形態ぐらいまでなら追い込めるだろうがそこが限度だ。最悪の場合は私がフリーザを殺すしかないかな。気が引けるがここで悟空を超サイヤ人にできなくても超サイヤ人にするための奥の手はある。ついでにベジータは悟空が超サイヤ人になれるようになれば勝手になれるようになるでしょ。ラディッツは知らん。

 

 ナメック星に到着し、全員外へと出た。

 

「ここが故郷か……」

 

 ピッコロさんが感傷に浸ってる……

 

「とりあえず、二組に分かれようか。既にフリーザ達がドラゴンボールを探し回っているみたいだし、できれば助けよう」

「フリーザはどうするんだ。この一つだけ感じる馬鹿でかい気が、フリーザって奴だろう? とてもじゃないが、敵わないぞ」

「フリーザと会ったときは、基本逃げて。戦えると思ったら戦ってもいいけど、十中八九死ぬわよ」

 

 サイヤ人の宇宙船が一つ落ちていくのが見えた。今、ベジータも来たところか……

 

「あれは……ベジータか!? 気の感じからしてもおそらく奴だ!」

「ふむ……今のみんなならベジータを倒せると思うわ。でも、多分ベジータもフリーザに挑みに来ているから、場合によっては協力関係になるかもね」

「どうしてそんなことが言える」

「ラディッツなら、わかるんじゃない?」

「あぁ……サイヤ人は誇り高き種族だ。ベジータは王族だけに特にな。フリーザの圧倒的な力の前では従うしかなかったが……内心は腸が煮えくり返っていただろうよ」

 

 みんながベジータの内心を知ったところで二つのチームに分けた。片方は私、悟飯、ピッコロさん。もう一つは、悟空とラディッツだ。パワーバランス的にはこれでいいでしょ。私は単独行動でもいいんだけど……一人で行動しててもつまんないし。

 

「悟空とラディッツは、ナメック星人の村に行ってベジータから守ってあげて。私たちは、フリーザ達の様子を見ながらナメック星人達を助けるわ」

「えぇ……オラ、フリーザって奴が見てみたかったぞ」

「無駄に誰かの命が奪われるのは放っておけないでしょ」

「そうなんだけどよ……わかったよ」

 

 悟空は不承不承と言った感じだ。私が悟空にフリーザの方の様子を見させないのは悟空をフリーザに会わせたりなんかしたら「戦いてぇ」とか言い出すに決まっているからだ。ナメック星人達が攻撃されているのを見れば、悟飯と同じ様にキレてそのまま挑むに決まっている。悟飯も多分怒るだろうが、フリーザに手を出すことはないでしょ。出してもドドリアを蹴り飛ばすぐらいだ。

 

 悟空とラディッツはベジータの居る方にある、気が20程固まっている場所に向かった。私たちは、この星で最も大きな気を持つ者――フリーザのいる場所へと走って向かった。

 

 




行き当たりばったりで考えているので、本当にどうなるか未定。

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