外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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ちょっとラディッツの扱い方がわからないです。キャラを再現しようと少し頑張りましたけど完璧に別人になってしまった気がします。結構、受け入れられない人多いかもしれません。というか、心変わりが早すぎる。


31 ナメック星へ

 ベジータが地球を去った後、私はナッパの持っていたスカウターを使ってナメック星にドラゴンボールがあることをリークした。じきにベジータもそのことを知ってナメック星に向かうことだろう。そして、私たちもナメック星に向かうと……その前にラディッツと悟空を説得しないと……悟空は必要ないかもしれないけど。

 

「ふ、フリーザだと……! お前、言っていることわかっているのか!?」

「フリーザ……?」

 

 悟空はフリーザのことなど知っているわけもなく疑問符を浮かべている。

 

「わかっているよ。宇宙の帝王フリーザでしょ」

「いいや、わかってない。フリーザはベジータより強いんだぞ! ベジータが比較にならんぐらいな!」

「そ、そんなに強ぇんか……!? ちょっと見てみてえな……」

「確かに今の君たちじゃ天地がひっくり返ろうとも勝てない相手だけど、修業すれば届くわよ、そのうち」

「無理だ! 仮にそうだとしても、何故今すぐなんだ……!」

 

 ラディッツがすごい現実的だなぁ……というかブロリーを相手にしたベジータみたい。

 

「ドラゴンボールの存在を知っちゃったみたいだからさ。力を持つ権力者が叶えようとする願いなんて不老不死しかないからね」

 

 私が教えたんだけど。

 

「ド、ドラゴンボールって……! 地球に来るんか!?」

「いや、来ないと思うわ。神様とピッコロの故郷の方に探しに行っているだろうから」

 

 二人にナメック星のことも話しておいた。しかし、ラディッツはベジータ達と一緒に居たはずなのにナメック星人についての知識がなかったとか……どういうことなの?

 

「このままだとナメック星が危ないし、その内地球にも来ることが考えられる。それなら不老不死になられる前に倒しておかないと」

「……不死身じゃ、倒しようがねぇもんな。それならオラ行くよ。もっと強くなりてぇし、そのフリーザってのとも戦ってみてぇ」

「俺は行かんぞ……死にに行くようなもんだからな」

(スーパー)サイヤ人になりたいとは思わないの?」

(スーパー)サイヤ人だと? 貴様が何故その言い伝えを知っているのかは知らんが、そんなのはただの架空の話だ」

(スーパー)サイヤ人ってなんだ?」

「1000年に一人現れるどんな天才戦士も超えられない壁を超えるサイヤ人……ってことらしいけど実はある条件を満たせば簡単……って程でもないけどなれる」

 

 ブウ編で悟天とトランクスなんて理由もわからずなっていたしね。ベジータの超サイヤ人のバーゲンセールって表現は、中々上手いこと言うなぁと思ったぐらいだし。

 

「その話が本当だとしても貴様が何故そんなことを知っている」

「知っているからとしか言えない」

「ちっ、それでその条件とはなんだ」

「教えない。教えてなれるもんでもないし、場合によっては知らない方がなりやすそうだしね」

「な、なんだとぉ……!」

「おっ、私に歯向かう気?」

 

 ラディッツの首にはまだペンダントが付いている。

 私はスイッチをちらつかせる。

 

「ふん。あの程度の電撃ならもう効かんぞ」

「それはどうかな?」

 

 私はスイッチを入れた。

 

「ごおぎゃあぐぶりあっ!」

 

 ラディッツが意味不明な悲鳴を上げた。

 

「いつからあの電力が最大だと錯覚していた」

 

 ラディッツは黒焦げになって、倒れた。

 

「ひ、ひでぇな……」

「あ、ちなみに悟空は、超サイヤ人になる前提条件はクリアしてるかな」

 

 穏やかで純粋な心なら悟空が子供の時点で持ってるでしょ……いや、穏やかではないか。

 

「前提条件って他にもあんのか……」

「むしろもう一個の方が大事なんだけど、これが難しいというか……偶然とかの領域だね」

「なんだよ……運まかせなんか?」

「運ではないけど知らないと運だね。大事な大事なきっかけなんだけどね……前提条件、悟空はクリアしているけど、そのもう一個の方が私のせいでクリアしづらいんだよね」

 

 私、誰もってか悪人以外の主要人物殺させる気がないからなぁ。悟空が本気で怒るとしたらやっぱ仲間が死んだ時だろうから。

 

「イーヴィのせいって……なんか段々気になってきちゃったじゃねぇか」

「まぁ、そのうち超サイヤ人になれるようになるよ」

「それならいっか」

「半月後くらいに君の家に行くから。それまでに準備しておいてね」

「あぁ、わかった」

 

 気にせず前向きに生きる姿は彼の魅力だと思う。父親としては、ダメ人間だけど。

 

 そして、悟空とラディッツを孫家に帰し、私は外道屋本社へと帰った。外道屋の社員達には、宇宙からの飛来物の回収を命じており、私の要望通り回収してくれたようだ。すぐにカプセルコーポレーションへと運び込み、ブリーフ博士と共に重力発生装置付きの宇宙船作りに取り掛かった。私が関わる以上、原作と全く同じものを作る気はなく、原作よりも巨大なものへと改良した。外道屋で開発した合金技術も駆使し、私の機械の身体を構成する物質に近い超硬度を持つものとなった。

 宇宙船を作り終えたので、ナメック星に連れて行くメンバーを考えよう。まず、悟空とラディッツは確定。悟飯とクリリンは迷いどころだ。でも、クリリンにはナメック星にいく理由が欠片もない。悟飯は、鍛えてあげたいけどチチさんがいるからな……ま、何としてでも連れて行くけど。ピッコロさんは……必要ない気がするけど、悟飯と一緒に連れて行った方が二人共喜ぶでしょう。

 私は早速、孫家に向かうことにした。瞬間移動をするために気を探る……たまたまラディッツを先に見つけたのでそっちへ行くことにした。

 

「やぁ、ラディッ……ツ!?」

 

 私は、ラディッツのやっていること……というか格好の両方に面食らった。ラディッツが……オーバーオール着て、麦わら帽子被って畑を耕している。……お前は戦闘力5のおっさんかよ!

 

「おぉ、イーヴィか。半月ぶりだな」

「……地球に馴染みすぎでしょ」

「サイヤ人たるもの戦いこそ全てと思っていたが、こういうのも悪くないもんだ」

 

 首に巻いたフェイスタオルで汗を拭うラディッツ。良い汗かいたとでも言いたげな表情といい……なにこれ?

 

「……なんで畑、耕しているの?」

「居候する身で働かないのは肩身が狭いだろ。甥を攫ったりもしたからな……」

 

 え? なに、この常識人っぷり。自分の行いを反省してるし。悟空とベジータにラディッツの爪の垢煎じて飲ませたい。

 

「おーい! 兄ちゃーん! メシできたぞー!」

「すぐ行く! 立ち話もなんだ、カカロットの家でメシでも食いながら話そう」

 

 ……ホントに誰? この人。

 孫家に行くと悟空と悟飯に暖かく迎えられた。

 

「それで、ナメック星に行くこと考えてくれた?」

「オラは行くつもりだぞ」

「ラディッツは?」

「正直、まだ行く気はせん……が、確かにフリーザを放っておけばとんでもないことになるかもしれん。この地球も……な。だから……その……なんだ、お前らと一緒に行こう。ナメック星へ」

 

 正直、( ゚д゚)って感じ。ラディッツさんちょっと悟空たちに影響受けすぎと違いませんか……穏やかになり過ぎでしょ!

 

「な、なんだ。その反応は……」

「いや、ちょっとビックリして……まぁいいや。それで……」

 

 私が悟飯の方を向くとチチさんに睨まれていた。

 

「あ、あの、チチさん、怒ってます?」

 

 私は恐る恐る聞いてみた。

 

「当たりめぇだ! イーヴィさは、一年前に悟飯ちゃんをピッコロに渡したそうじゃねぇか! もし不良になってたらどうするつもりだ!」

「えー……私としては、悟飯君はとっても強い力を秘めていますし、それを放置するのはもったいないなぁーと思っているわけで……それでナメック星にも一緒に修業に行けたらなぁ……って」

 

 私に対してこんな強く言ってくる人初めてだからなんか尻込みしちゃう……いや、いなかったわけじゃないけど今までのは悪ふざけに対するツッコミだったから。これは、私の押し付けの善意だけど悪いことしたわけでもないのに怒られるとか初めての経験だから戸惑っちゃう。

 

「今、必要なのは力じゃなくて勉強だ! 悟飯ちゃんは(えれ)ぇ学者さんになるんだからな!」

「別に今からそんなに詰めなくても十分学者になれると思いますよ」

「甘ぇ! そんだなこと言ってるとあっという間によそ様に追い抜かれちまうだ」

 

 本当に頑固な教育ママだ……子供のことを思っているのはわかるけど押し付けるのはなぁ……悟飯も学者になりたいって言っているけどさ。

 

「……チチよ。悟飯の意見を聞いてから決めてやってくれないか。家族とは言え、強いるだけでは良い結果を産むとは限らん」

 

 だから、ホント誰!? いや、めっちゃ良いこと言ってるけどさ。

 

「ラディッツさがそう言うなら……悟飯ちゃん。どうなんだ?」

 

 ラディッツ、この半月でどんだけチチさんの信頼得てるの!? 下手したら悟空より信頼されてるんじゃない!?

 

「ぼ、僕はできればお父さんたちとナメック星に行ってみたいです。せっかく、おじさんとも仲直りできたしもっと仲良くなれたらいいなって……! 地球のためにも何かしたいですし……」

 

 チチはショックを受けたようだったが……覚悟はしていたせいかそこまで落胆している様子はなかった。

 

「……はぁ。仕方ねぇ。行ってこい! でも、宿題を忘れるでねぇぞ!」

「……! はい!」

 

 すげぇ、チチさんから許可貰ったよ……

 

「よかったなぁ、悟飯」

「はい、おじさんのおかげですね」

「よせよ。悟飯が自分の意思を表明した結果だ」

 

 私は今日、何度ラディッツを誰だ、お前と思っただろう……地球に馴染むにしても早すぎる。まぁ、良いことだけどさ。サイヤ人がこんなんでいいのか? ベジータに色々言われそう。

 悟空たちには明日にも出発することを伝え、午前中にはカプセルコーポレーションに来るように伝えた。

 そして、私はピッコロを誘いに瞬間移動をつかった。

 

「やぁ、ピッコロ」

 

 ピッコロは、いつものように高野にいた。本人も言っていた気がするが、故郷に似た場所を好んでいるようだ。

 

「何の用だ」

「君の故郷に危機が迫っているから君を連れて行ってあげようかと思って」

「危機が迫っているだと?」

「まぁ、私のせいだけど自分の故郷だし放ってはおけないでしょ」

「……故郷のことなどどうでもいい。だが、大魔王が自分のルーツを知らないというのもおかしな話だ。いいだろう。行ってやる」

「どうも。あと、悟飯も一緒だよ」

「……そうか」

 

 あ、ちょっとニヤッとした。ピッコロさんはやっぱりベジータに次いでツンデレさんだと思いました。まる。

 

 

 翌日、カプセルコーポレーションには、悟空、悟飯、ラディッツ、ピッコロが揃った。全員が、宇宙船に乗り込んだところで、ヤムチャが出てきた。

 

「イーヴィさん! 俺も連れて行ってくれ!」

「……悟空たちでもやばそうなのにヤムチャじゃなおさら無理!」

 

 ここはきっぱり言う方が優しさだ。

 

「うっ……わかったよ。諦める」

 

 この場には、ブルマやヤムチャの他にもクリリン、天津飯、餃子、ウーロン、プーアルと勢揃いしており、みんなが見送ってくれた。

 

「さぁ、いざナメック星へ!」

 

 




このラディッツの性格の変わりよう……断髪でもさせようかな……

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