ヤムチャが本編よりちょっとだけ頑張るのがこの二次創作のスタイル。
ラディッツの様子を時々伺いつつ、東の都で街を守るための技術を開発し、ヤムチャの修業の相手も気まぐれにしていた。やはり、今回の一件で死ぬかもしれないのだから気になる。本来なら他にも餃子、天津飯、ピッコロと合計4人の死人が本来は出るわけだけど、ヤムチャだけ前座で死ぬのだから一際気になるというものだ。私の目標は悪人を除いて主要人物を殺させないことにある。でも、戦わせないとは言ってない。私が鍛えたヤムチャがどうなるか、試してみたいのだ。……多分、勝てないけどね。
そして、サイヤ人達がやってきた。狙い通り東の都に直撃するコースから逸らして遠くの荒野に落とすことに成功した。ナッパが挨拶することなく、強い戦闘力を持っている者の下へ向かったようだ。界王様から悟空たちを迎えに来いと連絡が来ているが……無視しよう。とりあえず、サイバイマン戦が終わるまでは放置。
『イーヴィ、早く迎えに来てくれよ!』
悟空に言われると少し揺れるが……どうなるか見守りたい。
私はスカウターには映らないので、堂々とナッパとベジータを追跡できる。私は悟飯とピッコロ、クリリンが居るのを確認して岩陰に隠れた。
ドラゴンボール関連の会話がなかったが、概ね原作通りの流れだ。
「おい、サイレントキラーはどうした」
「サイレントキラー? イーヴィのことか。あの野郎がそんな風に呼んでいたいな。知らん! 俺が聞きたいぐらいだ」
「ふん。まぁ、いい。ナメック星人には他にも聞いてみたいことがある。願いを叶える球が実在するのか、どうか……とかな」
「ドラゴンボールのことか……!?」
「ほう……そのドラゴンボールとやらについて詳しく聞かせてもらおうか」
「誰が貴様らなんぞにっ!」
「それなら痛い目を見てもらうまでだ。おい、ナッパ。サイバイマンがあと6粒ほどあっただろ。出してやれ」
「へへっ、遊び好きだな。ベジータは」
ナッパがビンに入った粒を地面に埋めて、ビンに入っていた液体を垂らすとすぐにサイバイマンが出てきた。
そこに天津飯、餃子、ヤムチャがやってきた。
その後、会話の流れが違うもののベジータがサイバイマンとの1対1を提案した。まず、天津飯が出て、サイバイマンの溶解液を避け一撃で倒した。
サイバイマンは立ち上がるがベジータがバラバラに消し飛ばした。
次に、ヤムチャが前に出た。「お遊びはいい加減にしとってとこを見せてやりたい」と言っていたが……どうなることやら。クリリンに対しては私との修業で自信を付けたとかなんとか言っていたが中々嬉しいことを言う。修業に関しては割と片手間でしかやってないけど、防御に関しては相当に念を入れたから仮に自爆されても死にはしないはず。
サイバイマンとの攻防を繰り広げた後、空中で襲い掛かるサイバイマンの攻撃を避けかめはめ波で仕留める。……ちゃんとサイバイマンの気が途絶えている。間違いなく死んでいるから自爆される心配はなさそうだ。
「お前たちが思っているほどこの化物たちは強くなかったようだな。残りの4匹もこの俺一人で片付けてやるぜ」
「ちっ、サイバイマンよ。あいつの言う通りまとめてかかってやれ」
「キキーッ!」
「いくらでもかかってきやがれ!」
4匹のサイバイマンがヤムチャに一斉に飛び掛かった。ヤムチャは全てのサイバイマンの攻撃を捌き、一発づつ攻撃を当て着実にダメージを与えていく。
「はいはいっはいーっ!」
ヤムチャは1匹に大振りの攻撃をくわえたが、他のサイバイマンに腕を掴まれた。
「なにっ!?」
吹き飛ばされたサイバイマンもまとめてヤムチャに引っ付いた……あ。
「しまっ……」
全てのサイバイマンは大爆発を起こした。爆発の後に残されたヤムチャは例のあのポーズだった。
「ヤ、ヤムチャさーーんっ!!」
……やばい、超悲しい……なのに、フフッ超笑いそう。だ……駄目だ……まだ笑うな。堪えるんだ。し、しかし………
………かろうじてだけど気が感じられる。ヤムチャはちゃんと生きている! 修業の成果だよ! やったね! ヤムチャ。
「い、生きてる! 脈がある! 息もしている! は、早く仙豆を!」
クリリンが生存確認もしてくれた。いやぁ、大丈夫だとは思っていたけどこの瞬間まで死ぬんじゃないかと。勝ってないけど。
「ちっ、まだ生きてやがるのか……しぶとい野郎だ」
「自爆して殺せないとは情けねぇサイバイマン共だぜ」
敵とはいえ、散々な言われよう。でも、私は褒めるよ……と思ったけど駄目だ。やっぱり、笑いの種にしかならない。ごめん、ヤムチャ。やっぱり君は最高のかませだ。これ以降はモブ並みの扱いになるけど私は君の事ずっと忘れないよ。君と言うかませがいたことを。
※ヤムチャは死んでません。
我がヤムチャは永遠にかませです!