それと今更ながらZから始めれば良かったかなと思ったり、思わなかったりします。
26 サイヤ人編突入
私は今、少し焦っていた。
悟空とピッコロの戦いの後、ドラゴンボールである願いを叶えた。その後、私はすぐに神様の宇宙船で宇宙へと飛び立っていた。狙いはフリーザ軍の同行の観察及び退治だ。
宇宙人からも人気が欲しくなった私は、おそらく宇宙で最も有名であろう悪人フリーザから人々を守ることが近道だと考えた。私はスカウターに映らないので、する必要もないけど背後からの奇襲も容易だった。全員皆殺しにしていたこともあって、フリーザ軍はだれも私の姿を見たことがなく、この5年間の間でフリーザの拠点の星を15個消し、侵略中の星を30救った。このことから私はフリーザ軍からサイレントキラーと呼ばれ恐れられている。
しかし、サイレントキラーってさすがにださいと思うの。真剣に訂正させるためだけに全滅させようか迷ったりもしてる。
それだけのことをしていると宇宙の人々の中には私をフリーザ軍から守ってくれる守り神のような扱いをする人たちもいた。逆に私が助けたことによってフリーザ軍から尋問、拷問を受け逆恨みする者も居たけど結局フリーザ軍に全滅させられたので私には関係ない。それだけのことをすればさすがに私の容姿に関しては聞き出せたようだけど。
この活動で私の力がだいぶ増して来たのはいいんだけど、この活動に夢中になり過ぎてラディッツが地球に来ることをすっかり忘れてしまっていた。このままじゃ、悟空が死んじゃう! 地球に向かっているが悟空とピッコロの気がだいぶ変動している。
あ、間に合わない……だが、私には奥の手がある。
私は額に二本指を当てて悟空の気を探る。……見つけた!
移動した瞬間に強い衝撃に襲われた。魔貫光殺砲だ、これ。背中の丁度真ん中あたりで、ものすごい音を響かせている。しばらくすると魔貫光殺砲は消えた。
「び、びっくりした……胸にでかい穴が開くかと思ったよ……!」
「なっ!?」
「貴様! そんなところで何をしている!」
ピッコロさんに怒られた。まぁ、ラディッツをあと一歩で殺せるというところで邪魔したから当たり前か……
「なんだかよくわからんが、助かったぜ……ええい! 放せ! カカロット!」
「うわっ!」
悟空は驚いてしまったこともあって力が緩みラディッツを放してしまった。
「何者か知らんが、助かったぜ」
「悟空に死なれたくないから、急いで戻ってきただけさ。サイヤ人」
「ほう、我らを知っているのか」
「フリーザ軍の奴らをぶっ殺していたら、サイヤ人の名前は何度か聞いたわ」
本当はそんなの聞いたことないけどそれっぽい理由な気がする。
「何!? まさか、お前があの噂の……!」
ラディッツがスカウターをいじる。
「何も映らん! 戦闘力が測れんぞ……!噂通りということか……赤い髪の女、サイレントキラー! 何故、貴様がこんな辺境の星に!」
「この星は私の故郷よ」
ただし、世界が違うけど。
「なんだとぉ……!」
フリーザ軍の兵士は軒並みラディッツ以上の力を持つ。そのフリーザ軍の部隊をいくつも消した私にラディッツが勝てるわけがない。その事実を知っているラディッツは明らかに動揺している。
「今だっ!」
悟空はもう一度、ラディッツを後ろから羽交い絞めにした。
「し、しまった! またしても……!」
「イーヴィ! オラが抑えているうちに早く倒してくれ!」
「悟空。抑えている必要はないわ」
私はラディッツの顔を殴りつけた。その勢いで悟空は抑えていられず、ラディッツは地面に倒れ伏した。
「さて、お仕置きの時間よ」
「く、来るなっ!」
この怯えっぷり……新しい玩具になりそうな予感! 悟空の兄という潜在能力がとてつもなく高そうな人材。色々と使えるかも……
「タコ殴りでいいか……」
スカウターを一瞬で取り上げ、ラディッツの全身を隈なく殴りつけた。
「よし、気絶した」
ラディッツの全身は痣だらけとなった。もはやラディッツの上半身に腫れていない場所などない。
「す、すげぇ……」
スカウターの通信は切れていないようだし、ベジータ達に宣戦布告といくかな。
「あ、あーもしもし、サイヤ人達聞こえてる? 聞こえている前提で話すけど、君たちサイヤ人ってのは、思ったより雑魚いねぇ。こりゃ、君たちも大したことないんだろうなぁ。悔しかったら、地球に来るといいよ。絶滅させてあげる」
スカウターからノイズが聞こえる。
『サイヤ人を舐めたこと後悔するなよ』
それで通信が切られた。
「悟空、これで君が弱いことがわかったね?」
「あ、あぁ……こんなに強ぇ奴がいるなんて思わなかった」
「さっきサイヤ人達に挑発しちゃったけど、次ここに来るサイヤ人はこいつの数倍から十数倍は強いわ」
「な、なんだって……! ……っ!」
肋骨が折れていることもあって滅茶苦茶痛そうだ。さっさと治してやらないと……
「イーヴィ。お前は一体どうしてこのタイミングでやってきた」
ピッコロさんが納得いかないようで私に質問してきた。
「偶然よ、偶然。悟空がやばそうだなーっと思って瞬間移動したらああなっただけ」
「それにあのやり取りはなんだ……! わざわざ敵を地球に呼び寄せるようなマネしやがって」
「どうせそのうち来るんだからすぐ来るってわかった方が対処しやすいでしょ」
「ちっ、貴様は何を考えているか全くわからん……!」
「ま、また、あいつみてぇのが来るんか……?}
「一年後には来るでしょうね」
このタイミングでクリリン達が、飛行機でやってきた。
「イ、イーヴィさん! なんでここに!」
「ホントよ! あんた、宇宙に行ってたんじゃないの!?」
「嫌な予感がしたから急いで帰ってきただけよ」
「よ、よぉ……クリリン……」
「ご、悟空! 大丈夫か!?」
「あんまし大丈夫じゃねぇよ……」
私はピッコロの方を向く。
「ピッコロ! その子、頼んでもいい?」
「何……!? この俺に頼むだと……!」
クリリンとブルマ、亀仙人に止められる。理由を聞かれたのでサイヤ人が再びやってくるので戦力を集める必要があると言っておいた。
「その子、悟空の子供でしょ?」
私は悟飯を指さし聞いておく。
「あぁ、そうだ……悟飯ってんだ」
「その子は次のサイヤ人との戦いで戦力になるわ。その子からはとても大きな力が感じられたわ」
正直、別に戦ってくれる必要ないんだけど、後々戦えるような状態であってほしい。
「それなら悟空か、イーヴィさんがやればいいだろ!」
それだとピッコロさんが改心してくれないかもしれない。
「私と悟空は別で修業をするわ。それに私は忙しいの。悟空は駄目?」
「オラは……オラは……イーヴィがそう言うなら……いいと思う。イーヴィはオラよりずっと頭良いし、なんか考えがあるんだろ……?」
「もちろん。ピッコロは?」
「……よかろう、引き受けてやる。ただし、どうなっても知らんぞ」
ドラゴンボールの願いがどの程度かわからないけど多少は効いているのだろう。5年前、私がドラゴンボールに願ったことは「5年後、神様に死期が近づいているように感じさせてほしい」だ。ピッコロと神様は同一人物である為にどちらかが死ねば両方死ぬ。そして、本来の死ぬ原因は悟飯をかばって死ぬためだ。それを神様とピッコロは、その原因はわからないが死ぬ予感はしていた。死ぬ予感があったからこそ神様は、「ピッコロは何かを残したいと思ったのではないか」と考えていた。しかし、私が居る以上ピッコロさんが死ぬような事態は起こり得ない。そしたら、死期が近づいているなんて感じないだろう。ならば、そう思い込むようにするしかない。そのためにドラゴンボールを使った。こうすれば、きっと悟飯に修業を付けてもらえると思っていたし、実際上手くいった。
「それでいいよ。ありがと」
ピッコロは悟飯を連れてどこかへ去って行った。
クリリンやブルマはこのことにめっちゃ焦ってる。
「チチさんには、全部私がやったことだって責任押し付けていいから。それじゃ、ブルマこれ渡しとくから天津飯たちも探しておいて」
スカウターをブルマに投げ渡した。
「ちょ、ちょっと! 何よ、コレ!」
「相手の位置と力の大きさを測る機械よ。もういいよね。そんじゃね」
私は、倒れ伏した悟空とボロボロのラディッツを連れて瞬間移動でカリン塔へ向かった。
「カリン様、仙豆頂戴」
「またそれか……まぁよいが……ほれ」
仙豆が入った袋ごと投げ渡された。
「ありがと、カリン様。ほら、悟空」
「さ、さんきゅー……」
悟空は仙豆を食べて全快した。
「それでこれからどうすんだ?」
「界王様のところに行く」
「界王様?」
「ホントなら死ななくちゃいけない上に100万キロ走らなきゃいけないところを一瞬で済むんだから、感謝して欲しいわ」
「いってぇどういうことなんだ? それにそいつも連れてよ」
「行けばわかるわ」
最近見たドラゴンボールの二次創作でラディッツ生かしておくパターンを何度か見たので生かしてみました。