外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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23 イーヴィの技術開発

 蛇の道から帰ってきた私は神様によってこの世に戻ってこれた。一日足らずで戻ってきた私に随分と驚いていたようだ。悟空にも別れを告げて、また3年後の天下一武道会で会おうとも約束した。

 

 下界から降りて、まず私が向かったのはユンザビット高地だ。神様が乗ってきたという宇宙船を探しにここまで来た。神様は私のことを見張っているかもしれないが、別に文句は言わないだろう。下界に滅多に降りてこないし。

 

 宇宙船は案外簡単に見つかり、カプセルコーポレーションへと運んだ。降ろすとちょっとだけ勢いよく地面に落としてしまった。壊れてないかな……

 

「ブルマ~! ブリーフ博士~!」

 

 たまたま外を出歩いていたブリーフ博士が居た。

 

「おう。イーヴィ君じゃないか。ん? これはなにかね?」

「おそらく、宇宙船です」

「ほ~、それは興味深いのう」

 

 家からブルマが出てきた。

 

「何!? 今の振動!」

 

 私を見つけてこちらに来る。

 

「イーヴィじゃない! あんた、なんでいつの間に英雄なんかになっちゃってんのよ!」

「まぁ、成り行きでね」

「それで今日は何の用なの?」

「ちょっと解析と改造してもらいたいものがあってね」

「もしかして、そこの四本足のやつ? これなに?」

「多分、宇宙船」

「まさか~」

「ホント、ホント。ブリーフ博士と調べてみてよ。私も手伝うけど」

「最近、テレビに出て忙しそうだもんね、あんた。わかったわ。って、父さんもう調べてるのね」

 

 ブリーフ博士は宇宙船の足の部分を触ったり、軽く叩いたりしていた。

 

「見たことない素材じゃのう。これどうやったら開くんだ?」

「それならわかるわ。『ピッコロ』」

「え!?」

 

 宇宙船の扉が開いた。

 

「ピッコロって……なんで開くの?」

「宇宙からやってきた乗り物だから別の言語に反応するみたい。上手く調節すれば私たちの言語でも反応するように改造できるんじゃないかな~と思ったからお願いしに来たんだけど、駄目かな?」

「……面白そうじゃない。やってみるわ」

「そうじゃのう」

 

 

 

 この宇宙船の改造は思ったより難航した。改造自体はそんなに難しいことでもなかったが、ナメック語の言語体系がこの世界の言葉と別物で解析に時間がかかった。急がず、ゆっくりやっていたというのもあるが、予想以上に時間がかかった。私はテレビ出演したり、外道屋の方に顔を出したりしていたし。それでも、未知の言葉というかナメック語を1年程でほぼ翻訳し尽くしたことには、この二人の天才ぶりに感服せざるを得なかった。

 

「完成したはいいけど、どこか行きたい場所でもあるの?」

「あるよ。別に面白いところではないと思うけど」

 

 ただ、原作じゃ全く描写されてないし、アニメでもちょっと描写されたぐらいの場所だから実際の所はどうなのか知らない。

 

「なんのために行くのよ」

「更なる技術躍進と力を求めて~ってとこかな」

「あんたどこまで強くなるつもりよ……」

「科学者がそれを言う? 科学者は果てを追求するものじゃない」

 

 フリーザと同じ声の某死神マッドサイエンティストさんも「今まで存在した何物よりも素晴しくあれ、だが、けして完璧であるなかれ」とおっしゃていた。

 

「……そうね。確かにその通りだわ」

「ブルマも一緒に来る?」

「宇宙には興味あるけど……遠慮するわ。あなたと一緒だとろくなことがなさそう」

「あはは、確かにそうかもね」

 

 この世界で起こる悪いことは大体すでに決まっていることだが、現実での私は悟空に近いかもしれない。悪いことを引き込んでいるという点で。まぁ、私の場合はなんだかんだ仲間から死傷者を出すこともなく無事に済ませてきたし、この世界でもそうすることが私の目標だ。そのためにも宇宙に行く必要があると考えたわけだ。

___いざ、ヤードラッド星へ!!

 




ヤードラッド星での修業描写はカットの方向で行きます。想像でもいい気はするけど、アニメで一瞬ぐらい映ったのからじゃ、ちょっと膨らませられないです。想像力が貧困で申し訳ない。

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