外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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これがちょっとずつでも面白い方向に転がればいいなと思っています。


20 ピッコロ大魔王

 咄嗟にタンバリンを殺ってしまったが、良かったのだろうか……というか、どうしてこんなことをしてしまったんだろう。クリリンを殺させないためではあるが……それに私は今、ピッコロ大魔王の下へ向かっている。ついさっきまでの私は何を考えていたんだ?

 ピッコロ大魔王を殺す気か? いや、最初からそのつもりだったけどすぐに殺したら多分ピッコロさんの方が産まれないぞ。それに悟空に倒させるつもりだったのに……

 そして、ついに会ってしまった。ピッコロ大魔王が乗る飛行船に。

 

『ピッコロ大魔王様目的地上空につきました』

 

 確か、ピラフ一味のマイの声だ。

 甲板にピラフ一味と共にピッコロ大魔王が現れた。

 

「お、お前は、あの時の!」

 

 ピラフが声を荒げる。

 

「何者だ」

「以前、我々のドラゴンボール探しをジャマしたやつです!」

「タンバリンを倒したのはお前か」

「そうだよ、ピッコロ大魔王」

「ほう、私を知っているのか」

「あぁ、よくね。欲しいのはドラゴンボールでしょ? 欲しければ降りてきな」

 

 私は地上へと降り、ピッコロ大魔王もそれに続いた。

 

「お前、わしのことを知っていて邪魔をするとは命が惜しくないようだな」

「あなたはいくつか勘違いしているわ」

「何?」

「一つは、私は別に今はあなたの邪魔をしようと思っていないことよ」

「ふん。それでは、そのドラゴンボールは置いていくのか?」

「あげてもいいわ、ほら」

 

 私は四星球を投げ渡した。

 

「命拾いしたな。わしの部下を殺しておいて生き延びることができるんだ。感謝しろ」

 

 もう六個は、既にピッコロ大魔王たちが持っていたけど、そんなことわかっていた。わかりやすい位置に六個まとめてドラゴンボールを隠しておいたから。レーダーを持っていればすぐに見つかる。

 

「さぁ、でてこい! 神龍とやらよ!!」

 

 空が急に暗くなった。

 神龍を見るのはこれが初めてだな……

 ボールから巨大な竜――神龍が出てきた。神々しく、威厳に満ちた姿だ。インフレしてくると「どんな願いも」が嘘になってしまう悲しい存在でもあるが……

 

「さぁ、願いを言え。どんな願いも一つだけ叶えてやろう」

「この私を若返らせてくれ! もっともパワーが溢れていた頃にな!」

「容易いことだ」

 

 神龍の赤い目が光ったかと思うと、ピッコロ大魔王のしわしわだった肌にだんだんとハリが出てきて、若々しい姿へとなっていった。

 ピッコロ大魔王は喜んだ。

 

「願いは叶えてやった。では、さらばだ」

「くくくく……残念ながら、そうはいかん」

 

 ピッコロ大魔王が口から怪光線を放った。が、私がそれを阻止した。神龍の前に立ち、怪光線を払いのけた。

 その間に神龍が消え、ドラゴンボールが世界中に散って行った。

 

「お前、邪魔をしないんじゃなかったのか?」

「あなたの目的は若返りと世界征服でしょうが。それ以外を邪魔しないとは言ってない」

「せっかく生かしておいたものを……」

「ほら、私を殺してみせなさいよ」

「小娘如きにこのピッコロが手を下すまでもない」

 

 ピッコロ大魔王が卵を吐き出し、その卵はすぐに孵る。

 

「お前の名はドラムだ。さっさとこの小娘を片付けてしまえ」

「はぁ……」

 

 手刀でドラムの首を撥ねてやった。

 

「!?」

「これがもう一つの勘違いよ。お前は魔封波や神龍以外で倒されないと思っているけど私はお前を倒せる強さを持っている」

「その程度のことで粋がりよって……このわしを倒すだと? 笑わせる」

「やってみればわかるわ」

「ふん、小娘如きがこのピッコロ大魔王様を舐めたこと後悔させてくれる」

 

 ピッコロ大魔王は私の首めがけて手刀をしてきた。私はそれを避けずにくらった。

 

「かはっ!」

 

 私はその場で倒れた。

 

「口ほどにもない。死んでいるぞ」

 

 今日この時、私の心臓は確かに止まっていた。

 




うわあ。イーヴィさんが死んじゃった(棒)

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