外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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16 ジャッキー・チュン 対 ディザルム

『さて、続く第二試合はジャッキー・チュン選手対神宮寺ディザルム選手です』

 

 ピッコロ大魔王との戦いに亀仙人は必要ないというところを見せつけるためにも倒しに行こうか。これで天津飯を諭す人がいなくなってしまうのが少し心配だが、なくても多分更生してくれるだろう。

 

『ジャッキー選手は、前大会一回戦で敗退したものの優勝したイーヴィ選手とは素晴らしい戦いを見せてくれました。対して、ディザルム選手は前大会優勝者であるイーヴィ選手の双子の妹なのです』

 

 ディザルムはマントを外すと私と全く同じ外見をした姿を現す。違うところは髪型だけだ。

 

『ほ、本当にそっくりです。髪型が違わなければ判別がつきそうにありません』

「本当にそっくりじゃのう。これで力もそっくりだったら勝てる気がせんわい」

 

 ディザルムは返事をする事はなかった。そんな機能というか頭付けてないから当たり前なんだけどね。

 

『それでは第二試合はじめてください!』

 

「イーヴィさんの縁者とあれば、遠慮は不要かの」

 

 ディザルムは構えも取らずに棒立ちしている。必要ないだけで舐めプしているわけではない。ほら、南斗鳳凰拳にも構えがないじゃない。前進制圧あるのみなんだよ。

 

「はっ!」

 

 ジャッキーから攻撃を仕掛けてきた。ラッシュ攻撃だが、ディザルムは棒立ちのまま片手で防いでいる。

 

「ならば、これでどうじゃ」

 

 周りを囲むように多重残像拳で攻撃を仕掛けてくる。ディザルムは、その一撃目でジャッキーの腕を掴んで放り投げる。

 

「お主、何故攻撃せんのじゃ」

 

 ディザルムにはしゃべる機能ってか、頭付いてないから応えようがないんだよね……

 

「イーヴィさんと違って随分無口じゃのう……見た目はピチピチギャルに変わりないんじゃが、なんか怖いのう」

 

 そんなことを言ってもディザルムには、なんの影響もないんだよね。

 そろそろ決着付けさせてもいいかな? 圧倒的力さえ見せ付ければ、無理して前線に出ようとはしないでしょ。何て言ったって私も居るし。というわけで、ディザルムに決着を付けるように指示する。

 

 ディザルムは右手を挙げ、その後前に出し掌を向けた。

 

「なんじゃ?」

 

 かめはめ波のように、光が収束していく。見た目のイメージは.hackのデータドレインだ。技の性質はかめはめ波と一緒だけど。

 

「かめはめ波か!? ならばっ! か…め…は…め…」

 

 ディザルムが気を放つと同時に

 

「波っ!!!」

 

 かめはめ波が放たれる。技がぶつかり、押し合いになる。

 

「くっ……はぁーっ!」

 

 ジャッキーがさらに力を込めるもディザルムの攻撃が一気に押し込んだ。爆発がジャッキーを包んだ。なんとかガードしていたジャッキーだったが、ディザルムはガードの上から拳を叩きこんだ。

 

「~~~~っ!」

 

 防御の上からでも痺れるほどの攻撃をくらわせ、その上から更に追撃する。それに耐えきれず、ジャッキーはあえなく場外まで飛んだ。

 

『じょ、場外!』

 

 ディザルムの勝ちだ。まぁ、もう少しやり方があった気がするけどごり押しの方が単純な力の差を見せつけられる気がしただけ。圧倒的過ぎると逆に理解して貰えなさそうな気もしたしね。

 さて、次の天津飯との戦いはどうするかな? その前に悟空と戦わなければならないんだけど、あんまり勝つつもりがないんだよね。




ディザルムって、一体何者なんだ…ってなります?

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