占いババに占ってもらってからあっという間に3年の月日が流れ、第22回天下一武道会の開催日となった。
受付まで歩くとブルマや亀仙人たちが居た。
「やぁ、久しぶり!」
「……? どちら様ですかの? ブルマ知っておるか?」
「私も知らないけど……その声はもしかして……」
「あ、気づけなかった? 私よ、イーヴィよ」
私は有名人になったので、正体を隠していた。有名になったことにより神としての力を少し取り戻し、結構なんでもできる状態になっている。ついさっきまで私を私として認識できないように意識をずらすということをしていたが上手くいった。現に話しかけてもすぐに亀仙人たちは気づけなかった。
「久しぶりね! 最近じゃ、テレビでよく見るけど、なかなかウチに戻ってこないじゃない」
「結構忙しいのよ。今日は天下一武道会に出るために仕事休んで来たけどね」
「イーヴィさんは多才じゃのう」
「まぁね」
「それで、後ろに居るのは知り合い?」
私の後ろには、フードを被った人がいる。というか、私である。語弊があるけど、間違ってはいない。
「そうよ。今回の天下一武道会に参加するの」
「二人はどういう関係なの?」
「双子の妹よ」
ってことにしておく。実際、容姿は全く一緒だし。見分けがつくように髪型は私はポニーテルにしており、この子は、髪を降ろしている。
「「妹ぉ~!?」」
全員が同じ反応をする。
「あんた、機械でしょうが!」
「まぁ、その辺の事情は気にしないで。それより悟空が来てないね」
まぁ、すでにこちらに向かっているのはわかっているけど。
「このままじゃ、受付が締め切られてしまうな」
「悟空の奴、どうしたんだ」
悟空のことに話題が移動する。そのあいだにこっそりと受付を済ませる亀仙人がいた。どうやら今回もジャッキー・チュンとして参加するようだ。
その後、鶴仙人たちがやってきて、亀仙人と軽く口喧嘩になっていた。鶴仙人は「これが武道だ、というところを」とかなんとか言っていたけど、ドラゴンボールの戦いって拳で戦っているってだけで、最早武道関係ないよね。
鶴仙人たちが会場の方へ入って行ったあと、悟空がやってきた。みんなと再会を懐かしみ、受付を済ませる。ヤッホイというこの場所から地球の反対側に位置する場所から泳ぎでやってきたことにみんな驚く。本編終了時には彼の孫娘が4歳の時点で簡単に地球一周しているけどね。
「おめぇ、イーヴィか?」
「そうよ。髪型違うからわからなかった?」
「いや、そうじゃなくてさ。でも……後ろの奴……? なんだかよくわかんねぇぞ」
さすが悟空。野生の勘というやつだろうか。ちょっとオツムが弱いから説明はできないようだが、本質にはなんとなく気づいているようだ。
「私の後ろに居る子は私の妹よ。名前はディザルム」
名前は、私の昔の名前にしておいた。
「そーなんか。よろしくな」
ディザルムに手を差し出す悟空。
「ごめん、この子、恥ずかしがり屋だからさ」
だから、握手はできない。嘘だけど。
「ん? それじゃ、しょうがねぇなぁ」
納得してくれたようだ。まぁ、隠す必要もないのだけど説明がめんどくさい。それに私の方が消えたりすることもあるだろうし、ややこしくなる。
予選が始まった。特別これといったことはない。ただ、ヤムチャは亀仙流の道着を着ていなかったりする。彼は亀仙人のもとで修業をしていたわけではないので当たり前かもしれないが、意外といえば意外だ。後、あったことと言えば天津飯とヤムチャがなんか言い合っていたり、チャパ王が悟空にあっさり倒されたりしていただけだ。
私とディザルムも当然難なく予選通過だ。そういえば、パンプットと予選で当たって雪辱を果たそうとしていたみたいだけどデコピンで終わらせた。
今回のくじ引きは少し重要になってくる。組み合わせ次第では、天津飯が更生しないかもしれない。私も餃子のように超能力でくじを弄れるけど、どうしようかな……原作からあまり離れるのもどうかと思うし、上手く調整しよう。最悪、天津飯と敵対関係になっても問題ないだろう。というか、天津飯はストイックで真面目だから元から善人よりの性格してる気がする。善人というよりも生粋の武道家かな?
審判がジャッキーの名前を呼び、ジャッキーがくじを引く。次にヤムチャが引きに行くと餃子が細工をしているのが見えた。今回、どう変えてくるかはわからないが私の思い通りにさせてもらおう。次に私が引きに行くわけだが、一回戦で狙う戦う相手は悟空だ。引いたくじの番号を見せる瞬間に弄る。ヤムチャとジャッキーから離れた位置を選んだ。餃子が焦ったような表情をしていた。どうやら違う番号にしようとしていたようだ。
次の天津飯は、ヤムチャにぶつけるつもりだ。多分、原作よりも善戦できるヤムチャをみれるはずだ。下手したら勝っちゃうかも。
この対戦を見るためにくじを弄ったが、餃子の様子に焦っている様子はない。ここは原作通りのようだ。クリリンは……この後、死なせなければどうでもいいや。
そして、私の妹(という設定)ディザルムは……天津飯と戦わせたいし、ジャッキーと戦わせよう。ジャッキーもとい亀仙人の出番はこれで終わりでいいでしょ。今後、魔封波を使う機会もない。ピッコロ大魔王と戦うことになるのは悟空だけの予定だ。ほら、亀仙人は天津飯との戦いでこれからは若い者の時代とか言ってたし、別にいいよね。
くじは結果的に、原作のパンプットの位置に私が、男狼の位置にディザルムが入った。
ちなみに男狼は、今回の武道会に参加していない。おそらく、外道屋で販売した商品のおかげだろう。月が消えてしまったので、上手くやればビジネスチャンスになるなと思い試しにプラネタリウムを販売した。この世界でプラネタリウムを見たことがなかったので作ってみたのだが、意外と好評で売れた。プラネタリウムで月なんて見たことないけど確か映るようにした気がする。多分、それで人間に戻れたんだと思う。それに別にブルーツ波が出ている必要はないみたいだしね。
今まででも十分チートやってたイーヴィさんがさらにチートになりました。