外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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10 レッドリボン軍編終幕

 3日後、桃白白がやってきた。ウパとウパの父親には隠れるように言ってある。戦いに巻き込まれるようなことはないだろう。

 

「やぁ、桃白白」

「女、例のボールがひとつここに残っていたはずだ。だせ」

「ドラゴンボールなら、悟空が持っているわ」

「悟空? あの小僧、生きていたのか……!? なら、居場所を言うんだな」

「悟空ならそろそろ戻って来るわよ。上からね」

「何?」

 

 悟空が筋斗雲に乗ってここまで降りてきた。

 

「塔に登って隠れていたか……それにしても貴様、この桃白白のどどん波をくらってよく生きていられたな」

「懐に入れてたドラゴンボールのおかげで助かったんだい!」

 

 まぁ、原作通りの会話だ。

 

「悟空、私は手出ししないわ。思いっきりやっつけてやりなさい」

「おう!」

「馬鹿め。この桃白白様に勝てるわけなかろう」

 

 その後は当然の成り行きで、桃白白はボコボコにやられたら後、どどん波を撃つが悟空に受け止められ、カプセルで曲刀を出してきた。あ、そういえば如意棒どこいった? 手出しはしないといったが、ちょっと分が悪そうだ。仕方ない。

 

「破っ!」

 

 手刀で刀を叩き割ってやった。

 

「何ぃ⁉ 貴様! 手出ししないんじゃなかったのか!」

「あんたがせこい手使うからそれを阻止しただけよ。あんたが素手なら私は何もしないよ」

「すまねぇ、イーヴィ」

「何、謝るのはこっちの方だよ。戦いの邪魔をして悪かったね」

 

 ちょっと原作と変化してしまったが、その後は原作通り悟空がわざと滅多打ちにされ手の内を読んだ後、桃白白を一方的に叩きのめした。

 

「すっ、すまん私が悪かった!! 許してくれ!!」

 

 桃白白は土下座をした。

 

「頼む。この通りだっ! もう二度と悪いことはしない!!」

 

 それが嘘だということはわかりきっているが、自業自得な目に遭うことが分かっているので放置した。

 

「そ、そんなこと言ったってなぁ……」

「ふはははっ!!! ひっかかったな!!」

 

 桃白白は飛び上がり爆弾を投げ捨てた。

 

「さらばだ!! 死ねーっ!」

 

 悟空は爆弾が地面に落ちる前に桃白白の方へと蹴り上げた。

 

「へ!? いや……」

 

 大爆発を起こし、こちらまで爆風が来る。私は平然とその様子を眺めた。

 

「たーまやー」

 

 どうせ死んでないし、不謹慎でもなんでもない。

 

「やったーっ! 勝ったぞ!」

「よし、このままレッドリボン軍を倒しに行こう」

「そうだな。あんな悪さする連中、ほっとけねぇ」

 

 隠れていたウパ達が、出てきた。

 

「お前たち、もう行ってしまうのか?」

「あぁ、オラたちレッドリボン軍を放ってはおけねぇ」

「そうか、健闘を祈っている」

「ありがとう! 悟空さん、イーヴィさん!」

 

 ドラゴンレーダーを取り出し、場所を確認する。

 

「悟空、ドラゴンボールのある場所にレッドリボンの基地がある。一緒に行こう」

「あぁ! 筋斗雲―!」

 

 

 まっすぐレッドリボン軍の方へと向かっているが、どうせ悟空一人でレッドリボン軍を壊滅させられる。私はレッドリボン軍が回収し損ねたドラゴンボールの方を回収しに行こう。本来ならこっちのレーダーを奪って既に見つけてたところだけど、まだできてないみたいだからね。

 

「悟空。今、まっすぐレッドリボンの基地に向かっているけど、ドラゴンボールがある場所にもレッドリボンの兵士がいるはずだ。そこの奴らをやっつけてくるわ」

「わかった。オラは基地にいる奴らを倒せばいいんだな?」

「そうよ」

 

 分かれて、私はドラゴンボールを回収しに行った。回収して戻ってきたころにはレッドリボン軍は壊滅しているだろう。さてさて、ボールの近辺まで来たぞっと。

 

「なんだ、貴様は!?」

 

 やっぱりレッドリボンの兵士が居たけど、無視無視。

 

「よし、みーっけ」

「それはドラゴンボール!」

「おい、女。死にたくなきゃ、そのボールを寄越しな」

「ふぅ、一体誰に向かって口を聞いているのかしらね。私は世界最強のイーヴィちゃんよ!」

 

 横ピースが華麗に決まったわっ!!

 

「ぷっ、あははは!! 何、言ってんだこの女」

 

 ムカッときた。指弾で空気飛ばして気絶させた。でも、こんなの殺すのはちゃんちゃらおかしいから殺しはしない。悪神時代だったら絶対殺しているわ……悪神時代はあんなことしなかったけど。さっさと悟空の所に行こ。

 

 レッドリボン軍の基地に向かうと近くに飛行機を見つけた。私はその傍に降りた。

 

「やぁ」

「イーヴィさんじゃないか!」

「こんなとこでみんな揃って何してるの?」

 

 知ってるけど、聞いておく。

 

「それはこっちの台詞ですよ! 悟空と一緒に居て、どうしてレッドリボン軍に殴り込みするのを止めなかったんですか!」

「いや、レッドリボン軍を潰すことを奨めたの私だし」

 

 乗っている全員に驚かれた。

 

「悟空とは言え、それはあまりに無謀じゃ!」

「亀仙人さん。そんなことはないよ。多分だけど、今頃もう全滅させてるんじゃない?」

 

 本当は気が探れるから、既に知っているんだけどね。

 

「みんな! 何か飛んできたぞ!」

 

 クリリンがいち早く空に浮かぶ物体を見つけたようだ。

 

「悟空じゃない? 悟空~!」

「ほ、ホントだ!」

「イーヴィ! それに何でみんなもいるんだーっ!?」

 

 悟空がこっちに降りてきた。

 

「お前が一人でレッドリボン軍に乗り込んだって言うからみんなで助けに来たんだぞ!」

「へ~。よくわかったなぁ。オラが乗り込んだって……」

「……お前、本当にレッドリボン軍を全滅させたのか?」

「よく知ってるな。全滅させたぞ」

 

 悟空から事実確認してもみんな信じられないようだ。

 

「プーアル、基地の様子をちょっと見てこい」

「は、はい。ヤムチャ様」

 

 プーアルは行ってすぐに戻ってきた。

 

「本当ですー!! 全滅しちゃってますーっ!!」

 

 私を除いてみな一様に驚く。うん、マンガで見た光景まんまだ。

 悟空が亀仙人にカリン塔に登ったという話をしていた。

 

「あ、私も登ったよ~半日で行って帰ってきたけど」

「な、なんと! イーヴィさんはホントに規格外じゃのう」


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