外道屋のドラゴンボール   作:天城恭助

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09 カリン塔

 ウパとボラを連れて元の場所に戻ると悟空が倒れていた。

 

「悟空さん!」

 

 原作通りドラゴンボールが持ってかれて、懐に入れた四星球で助かっていた。

 

「さて、実力不足がわかったことだしカリン塔に登ろうか。その四星球を狙って桃白白が戻って来るだろうしね」

「よし! オラ登ってみる!」

「私も付き添うわ。ウパはお父さんを看病してて」

「わかりました! 頑張ってください!」

 

 怪我を治してくれるものが、頂上にはあるしね。私の用はどちらかと言えば仙豆にある。

 

 

 悟空と私はさっさとカリン塔に登った。だが、悟空はペースが落ちていった。

 

「私、先に行くよ」

「あぁ、先に行っててくれ」

 

 まぁ、飛んで行ってもいいんだけど初回ぐらいちゃんと登るさ。...さて、頂上に着いた。

 

「カリン様~仙豆ください!」

 

 階段を昇った先に二足歩行の猫、仙猫様であるカリン様がいた。

 

「お主、登るのが無茶苦茶速いのう。そして、超聖水ではなく仙豆を求めてやってくるとはの」

 

 価値的には、仙豆の方が兆倍有益だからね。

 

「私に超聖水は必要ないからね。それより大怪我させちゃった人がいるから治してあげたいの」

「……お主、心が読めんが何者じゃ?」

「元悪神です!」

 

 横ピースも決めて言ってみた。

 カリン様がポカーンってしてる。絵にかいたような、コレ→( ゚д゚)だった。目は細目のままだけど。

 

「ま、まぁいいじゃろう。仙豆をくれてやる」

「ありがとうカリン様」

 

 放り投げられた豆をキャッチして懐にしまう。

 

「それじゃね」

「何をっ!?」

 

 私は飛び降りようとした所で止まる。

 

「この後、登ってくる悟空という少年のことをよろしくお願いしますね、カリン様。さようなら」

 

 私は飛び降りた。

 

「おい!? あやつ、武空術が使えたのか……」

 

 

 降りている途中で悟空を見つけた。

 

「悟空頑張ってー!」

「おう!」

 

 瞬時にすれ違ったので、会話を交わすこともできないが必要はないでしょ。

 そんで、地上に到着っと。

 

「イーヴィさん! 頂上までいけたの!?」

「行ったよ。超聖水は飲んでないけど」

「どうして?」

「私の目的はこっち」

 

 私は仙豆を取り出した。

 

「これは?」

「仙豆って言うんだ。これにはびっくりすると思うよ。君のお父さんは?」

「こっちだよ」

 

 変わらず瀕死の重傷だ。数時間しかたってないのだから当然だが。

 

「これ、食べて」

 

 意識が朦朧としているようだが、口を開けてくれた。仙豆を口の中に入れる。そして、飲み込んだ瞬間に完全に怪我が治った。

 

「よかった。死なれちゃ寝覚めが悪いからね」

 

 というか、私の目標が頓挫する

 

「わたしは確か、桃白白に槍で殺されそうになって……」

「私がそれを爆破して防いだんだけど、威力が強すぎて大怪我負わせちゃったんだ。ごめんね」

「いや、あなたは命の恩人だ。むしろ礼を言わせてくれ。ありがとう」

「父上ーっ! よかったぁ!」

 

 うむうむ。親子愛はいいものだなぁ。私にはそういうのいないし。

 

「そういえば、あの少年は?」

「悟空なら、カリン塔を登っているよ。私は登って降りてきた」

「この短時間でか!? 君はすごいな」

「私は(今のところ)世界最強だからね」

 

 言ってないけど、今のところってところが大事。どうせ、20年も経てば宇宙の帝王がかわいいレベルになって、太陽系が簡単に破壊できちゃうような奴が出てくるんだから。




仙豆ってチートアイテムですよね。

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