ウパとボラを連れて元の場所に戻ると悟空が倒れていた。
「悟空さん!」
原作通りドラゴンボールが持ってかれて、懐に入れた四星球で助かっていた。
「さて、実力不足がわかったことだしカリン塔に登ろうか。その四星球を狙って桃白白が戻って来るだろうしね」
「よし! オラ登ってみる!」
「私も付き添うわ。ウパはお父さんを看病してて」
「わかりました! 頑張ってください!」
怪我を治してくれるものが、頂上にはあるしね。私の用はどちらかと言えば仙豆にある。
悟空と私はさっさとカリン塔に登った。だが、悟空はペースが落ちていった。
「私、先に行くよ」
「あぁ、先に行っててくれ」
まぁ、飛んで行ってもいいんだけど初回ぐらいちゃんと登るさ。...さて、頂上に着いた。
「カリン様~仙豆ください!」
階段を昇った先に二足歩行の猫、仙猫様であるカリン様がいた。
「お主、登るのが無茶苦茶速いのう。そして、超聖水ではなく仙豆を求めてやってくるとはの」
価値的には、仙豆の方が兆倍有益だからね。
「私に超聖水は必要ないからね。それより大怪我させちゃった人がいるから治してあげたいの」
「……お主、心が読めんが何者じゃ?」
「元悪神です!」
横ピースも決めて言ってみた。
カリン様がポカーンってしてる。絵にかいたような、コレ→( ゚д゚)だった。目は細目のままだけど。
「ま、まぁいいじゃろう。仙豆をくれてやる」
「ありがとうカリン様」
放り投げられた豆をキャッチして懐にしまう。
「それじゃね」
「何をっ!?」
私は飛び降りようとした所で止まる。
「この後、登ってくる悟空という少年のことをよろしくお願いしますね、カリン様。さようなら」
私は飛び降りた。
「おい!? あやつ、武空術が使えたのか……」
降りている途中で悟空を見つけた。
「悟空頑張ってー!」
「おう!」
瞬時にすれ違ったので、会話を交わすこともできないが必要はないでしょ。
そんで、地上に到着っと。
「イーヴィさん! 頂上までいけたの!?」
「行ったよ。超聖水は飲んでないけど」
「どうして?」
「私の目的はこっち」
私は仙豆を取り出した。
「これは?」
「仙豆って言うんだ。これにはびっくりすると思うよ。君のお父さんは?」
「こっちだよ」
変わらず瀕死の重傷だ。数時間しかたってないのだから当然だが。
「これ、食べて」
意識が朦朧としているようだが、口を開けてくれた。仙豆を口の中に入れる。そして、飲み込んだ瞬間に完全に怪我が治った。
「よかった。死なれちゃ寝覚めが悪いからね」
というか、私の目標が頓挫する
「わたしは確か、桃白白に槍で殺されそうになって……」
「私がそれを爆破して防いだんだけど、威力が強すぎて大怪我負わせちゃったんだ。ごめんね」
「いや、あなたは命の恩人だ。むしろ礼を言わせてくれ。ありがとう」
「父上ーっ! よかったぁ!」
うむうむ。親子愛はいいものだなぁ。私にはそういうのいないし。
「そういえば、あの少年は?」
「悟空なら、カリン塔を登っているよ。私は登って降りてきた」
「この短時間でか!? 君はすごいな」
「私は(今のところ)世界最強だからね」
言ってないけど、今のところってところが大事。どうせ、20年も経てば宇宙の帝王がかわいいレベルになって、太陽系が簡単に破壊できちゃうような奴が出てくるんだから。
仙豆ってチートアイテムですよね。