今回から四章始まります。
アーガマと鈴谷(提督)以外出てきません。(多分)
他の艦娘たちは遠征や任務に行ってます。はい。
ティターンズは好きになれんな。
レウルーラとの戦いが終わり4ヶ月が経った。
深海棲艦との戦いは続いているものの、基本的に平和な時間が流れていた。
そんな時、鎮守府に2通の書類が届く。
1通は『首無しの異形に注意されたし』。
書かれている内容は...
近頃、多方面の海域にて首無しの異形が確認されている。
討伐の為、艦隊を派遣したが、大打撃を受けて帰還した。
貴官も異形には注意されたし。
「異形...?首ないの?怖っ...」
鈴谷は執務室の机の上でだら~っと手紙を見ていた。
これが提督であっていいのだろうか。
「鈴谷さん、書類片付けなくて良いんですか?」
「あ、アーガマじゃん~。まぁ、大丈夫だって。すぐ終わるし~。あ、そうだ。これ~」
鈴谷の手には1つの封筒が握られていた。
何だか分厚い。
鈴谷がその封筒を裏返すと、アーガマには見慣れたマークが記されていた。
「連邦のマーク...?」
「アーガマの帽子にも同じのあるっしょ~?」
――あ...。ちゃんと見てるんだ。
と、そんなことを考え、封筒を受けとる。
中には1枚の手紙と4本の矢が入っていた。
アーガマが手紙を読み始める。
『貴官の基地に連邦所属の艦を確認。よって、MSを支給する。この戦力で、更なる奮戦を期待する』
「MS...?4機も...どうして...」
「で~...なにが送られてきたの?」
「あ、MS4機です」
ネェル・アーガマに関係する4機のMS。
量産機ならばもう少し多く支給されるはず。だが、今回は4つだけ。
少し考えると、アーガマの脳裏にあるMSとパイロット達の存在が浮かぶ。
そのパイロット達は...
『ジュドー・アーシタ』
『ビーチャ・オーレグ』
『ルー・ルカ』
『エル・ビアンノ』
そして、彼らが乗り込んだMS...
『ZZガンダム』
『百式』
『Zガンダム』
『ガンダムMk-ll』
パイロット達は全て第一次ネオ・ジオン抗争時、ネェル・アーガマに乗り込み、終戦まで全員が生き残るという快挙を成し遂げた。
MSはZZを除く殆どがグリプス戦役から活躍していたMSだった。(Mk-llと百式は再建された)
懐かしさに浸っていると、廊下からドタドタと大きな足音が聞こえてくる。
「アーガマ~っ!」
背後からガランシェールに抱きつかれる。
抱きついたときに回された手には、封筒が握られている。
「ガランシェール、その封筒...」
「あ、さっき廊下に落ちてて...誰のか分からないから、鈴谷さんに聞けば分かるかなぁって思って持ってきたの。で、近づいたらアーガマの声がしたからダッシュで来たの!」
「殆ど私目当てで来たんだね...?」
「勿論!」
アーガマはメガ粒子砲を出現させ、砲塔でガランシェールの頭を軽く叩く。
ゴンと小気味良い音を立てる。
「痛いっ!」
「我慢して」
「無理っ!」
スッともう一度腕を上げる。
上げた腕を降り下ろすと、ガランシェールが目を瞑る。
それを見たアーガマは、頭に優しく手を置いた。
「へ?」
「ガランシェール、封筒借りるね?」
ガランシェールが驚いている隙に封筒を奪う。
撫でていないとうるさくなりそうだから、ずっと撫でていた。
――ペットかな...?まぁ...いいや。
「提督、開けてもらえますか?」
「オッケー!鈴谷にお任せ!」
――お任せって...。簡単なことなのに...
ビリっと封筒を破く。
中から出てきたのは、2本の矢だった。
「矢?と...紙?」
紙も次いで出てくる。
そこに書かれていたのは、ただ一言だけだった。
『キュベレイMk-ll。クィン・マンサ』
「キュベレイに...クィン・マンサ!?」
「ど...どしたの、アーガマ?」
「でも...どうして...?」
「キュベレイとクィン・マンサってなに~?」
「鈴谷さん、少し...説明しても良いですか?」
鈴谷は静かに頷く。
ガランシェールを撫でる手を止め、アーガマは淡々と説明を始める。
「キュベレイとクィン・マンサについてですけど...」
次回、説明回!!