強襲揚陸艦ネェル・アーガマ、発進!   作:がさ丸

37 / 42
今回は色々詰め込みすぎてヤバイことになりそう。

久々にキレました。
朝イチで艦これやったら睦月が沈んでしまい、最悪な気分で学校へ行ったところ、ヅダの魅力を知らない友人に、

「ヅダとかwwww自爆するために生まれてきたもんだろwwwww」

「(# ° Д°)ハァ?」

頭にきました。


思い出した

「アーガマさん、大丈夫ですか....?」

 

「ガランシェール......どうして....」

 

ガランシェールがゆっくりとアーガマに近づき、今の状況を見て、息を飲む。

ガランシェールが見たものは、左肩から先が無く、赤黒い液体が絶え間なく流れている、変わり果てたアーガマの姿だった。

 

「ガランシェールぅゥう...!ジオンの...裏切り者メぇ...!」

 

「...っ!?」

 

レウルーラが早速、ガランシェールを標的にする。

 

「ガランシェール...っ!逃げて...!」

 

「で...でも、アーガマさんが...!」

 

「私なら....、大丈夫.....っ、だから....!」

 

アーガマはよろよろと立ち上がり、右手に2連装メガ粒子砲を握る。

メガ粒子砲でレウルーラを狙い、引き金を引く。

 

「弱...イ...よワいぞ...!」

 

左手でビームを吸収し、アーガマに向けて倍の威力で撃ち出す。

 

「当たる...訳には....いかない...!」

 

ギリギリで避け、再度レウルーラのいる方向に砲を向ける。

だが、向けた時には遅く、後方からレウルーラが高速で迫ってきた。

 

「アーガマぁあァア!!」

 

「.....!!」

 

「危ない...!」

 

アーガマとレウルーラの間にガランシェールが割って入る。

ガランシェールがレウルーラと組み合い、アーガマへの攻撃を防ぐ。

 

「邪魔ヲ....すルナァぁアア!!」

 

「アーガマさんを...これ以上...傷つけさせは、しない...!」

 

と、ガランシェールの脳裏にある映像がフラッシュバックする。

 

――バイバイ、アーガマ。

 

――ガランシェール...っ!

 

目の前に広がる爆炎。

世界が暗転する。

何も見えず、聞こえず、熱もなく、光さえ消えた世界。

 

「そうだ.....思い出した.....私は....」

 

と、意識が現実に引き戻される。

目の前にいるレウルーラは歪んだ表情をしている。

その顔に、正拳突きを喰らわせる。

 

「アが...ぁ...!」

 

「.................」

 

「ガランシェール.......?」

 

「アーガマ、ごめんね。遅くなっちゃって...」

 

「.....!!」

 

「本当に....遅いよ.....ガランシェール....!」

 

「よしよし、戦場の真ん中で泣かないで~...」

 

ガランシェールがアーガマの頭を優しく撫でる。

 

――いつもの...いつものガランシェールだ...!

 

『良カッタネ。戻ッテキテ...』

 

――嬉しいですよ...!

 

『喜ビノ感情ガ物凄ク伝ワッテキテル...』

 

――元気無いんですか?

 

『別ニ...』

 

――こっちもこっちで...分かりませんね...。

 

ガランシェールがアーガマを支えて、傷口の止血を行う。

 

「腕を持ってかれるなんて...何したの...?」

 

「何でもない...」

 

「ふぅん...」

 

ツンと切断された部部をつつく。

 

「いっ...!?」

 

アーガマの全身を激しい痛みが襲う。

あまりの痛みに、涙目になってガランシェールに寄りかかる。

 

「あ...ごめん...」

 

「ふっ...ぅ...うぅ...いたい...いたいよぉ...」

 

「ごめんごめん~。ちゃんと止血するから!」

 

自分の着物の裾を切り、傷口に巻き付ける。

 

「ほら、終わった!」

 

「ありがと...」

 

「戦闘中ニ...何を...しテイる...!」

 

レウルーラがゆっくりと立ち上がる。

赤い目で二人を睨み、左手を開閉する。

 

「ガランシェール...退がってて....」

 

「いや、私も...戦う!」

 

「大丈夫...私が倒すから...。だから、鎮守府に戻ってて...?」

 

「必ず...戻ってきてよ?」

 

ガランシェールが後ろを向いた瞬間、

 

「逃ガすかァぁアア!ネオ・ジオングを...!」

 

―エラーを確認。NZ-999、使用不可能です―

 

「ナ...!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―レウルーラ、君には失望した―

 

深紅の機体がレウルーラの前に出現する。

背後のサブ・アームを使い、レウルーラを拘束する。

 

『私、フル・フロンタルは現時刻を以て、ネオ・ジオン総帥をやめ、レウルーラを降りる』

 

「なニヲ...!!」

 

『代わりとして、偽装貨物船ガランシェールに乗艦させてもらう』

 

レウルーラの腹部をアームユニットで殴る。

 

「ガハ...ッ!」

 

背後のサブ・アームで掴んでいるレウルーラを離すと、光の粒子となって消えていく。

すると、ガランシェールの手に、シナンジュが収まっていた。

 

『あれは本体ではなく、ハル・ユニットだ。必要に応じて貴艦から出してくれれば助かる』

 

と、シナンジュも光の粒子となって消えていった。

この決戦時、最強の敵が、味方になってくれたのは、二人にとって嬉しいことだった。

 

「...アーガマ、戻ってきてね...!」

 

「....うん...」

 

ガランシェールが鎮守府へ向けて帰るのを流し見て、レウルーラへ視線を戻す。

海面にうずくまって、呻き声を上げていた。

 

――あの...

 

『ナニ?』

 

 

――力を...貸してください。

 

『リミッターヲ外スノ?』

 

――いえ、リミッターは外さずに、貴女の力を使います。

 

『....!』

 

――ダメですか?

 

『ソンナノ...ソンナコトシタラ、アソコデウズクマッテル奴ミタイニナッチャウ...!』

 

――承知の上で言ってるんです。

 

『...ドウナッテモ...知ラナイヨ...?』

 

――...ありがとうございます。じゃあ...やりますよ...。呼吸を合わせて...

 

『...............』

 

―アクセス開始....................アクセス成功―

 

―侵食率70%―

 

ALERT―侵食率が危険値を超えました―ALERT

 

「あ...ぐ...ッ!」

 

アーガマが苦しみ始める。

頭を押さえながら、よろよろと後ろに何歩か下がる。

 

――我慢しナ...キゃ...意識ヲ...持ッていかレル...!

 

何分か苦しんだ後、アーガマの動きがピタリと止まる。

ゆっくりと顔を上げると、左目が赤く染まっていた。

外見的に変わったのはそこだけで、それ以外はあまり変わっていなかった。

 

「そんなに...変わらない...ね」

 

外から見ると分からないが、アーガマにだけ分かる感情があった。

『戦いが楽しい』『敵を殺すのが楽しい』

狂気とも言える感情が体の底から沸き上がってくる。

 

――はやく....消したい...!

 

この感情はやはり、あの深海棲艦のものなのだろうか。

これ程までの狂気を隠していたとは。

 

気づけば、アーガマは笑みを浮かべていた。

そこから、アーガマの攻撃が始まった。

 

まず最初に、レウルーラに一瞬で迫る。

足をかけて体勢を崩したら、左腕を掴み、力任せに引きちぎる。

そして海面に倒れたレウルーラの胸ぐらを掴み、持ち上げて空へ放り投げて、落下してくるのを待つ。

手刀を作り、レウルーラの首に狙いを定める。

 

落下してきたレウルーラを見つめ、再び笑みを浮かべる。

首をジャストで切り裂き、胴体と別れさせる。

空から血が降り注ぎ、アーガマを濡らしていく。

 

「呆気ないなぁ...レウルーラ...」

 

返り血を盛大に浴び、真っ赤に染まったアーガマが、つまらなそうな声を出す。

 

「早く帰ろう...」

 

レウルーラの残骸を流し見て、鎮守府へ向かう。

アーガマはレウルーラの胴体が動いているのに気づかず、そのまま帰っていく。

 

胴体と別れを告げたはずのレウルーラの頭部が、ボソボソと何かを呟いていた。

それは誰にも聞かれず、空しく響くだけだった。

 

 

この戦いが起こってから数日後、あらゆる海域で首の無い異形によって漁船や旅客船が破壊される事件が起きた。

 

――――――――――――――――――――――――――――

~とある鎮守府、執務机の上~

                ―異形調査報告書―

 

     平成○○年、X月△△日。○○海域にて、報告にあった異形を発見。

     これと交戦するも、駆逐艦『如月』、軽巡洋艦『北上』が轟沈。

     残りの4隻が大破にまで追いやられた。

     これ以上の交戦は不能と判断し、撤退を開始。

     異形は追いかけてはこなかった。

     

                      ―第一艦隊旗艦 戦艦『大和』―




報告書に関しては「技術試験報告書」を参考にしました。
首の無い異形は、察しがつくはず。因みに、KH2FMの「留まりし思念」を参考にさせてもらいました。

アーガマさん、どんどん性格変わる。

感想と評価、お待ちしてます!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。