強襲揚陸艦ネェル・アーガマ、発進!   作:がさ丸

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本編入りますね。
サブタイ通り、U.C. 0096のラプラスの箱をめぐる戦いが終わったあとのお話です。

独自設定がちょっと含まれます。
それでは、どうぞー!


第一章
さよなら、宇宙世紀


宇宙世紀98年(U.C. 0098)...ネオ・ジオン、地球連邦、ビスト財団とラプラスの箱を巡る三つ巴の戦いから数ヵ月後...

 

「アーガマ...今までよく頑張ってくれた」

 

オットー艦長が私に向けて敬礼をしてくれています。

2年前の戦争でボロボロになっちゃったし...仕方ないかな...

 

ネェル・アーガマは箱の鍵、ユニコーンガンダムを乗せ、色々な戦闘に参加していた。

ユニコーンを収容してすぐ、「紅い彗星の再来」と言われるフル・フロンタルにカタパルトを破壊され、挙げ句の果てにはユニコーンガンダムをネオ・ジオンに鹵獲されるという醜態を晒していた。鹵獲されたユニコーンを奪還しようとパラオ攻略戦を実行、ハイパー・メガ粒子砲の威力を持ち味に、警備MS隊を壊滅、無事ユニコーンを奪還し、先の戦闘での失態を挽回してみせた。そこからは、カタパルトを一つ失いつつも、終戦まで戦い抜いた。

 

「艦長...、そろそろ」

 

「あぁ...分かってる...最後に言いたいことがあるんだ。本当に今まで...、よく頑張ってくれた。ゆっくり休んでくれ...」

 

「オットー艦長...」

 

レイアムさん、ミヒロさん、オットー艦長...皆さんの方が頑張ってくれてました

今まで...ありがとうござました...。楽しかったです...

アーガマの皆にもお礼...言いたかったな...

 

「艦に礼も済んだ。行くとするか...」

 

あ...、オットー艦長の背中が小さくなって...見えなくなっちゃった...

はぁ...そうだ、今の状況を説明しなきゃ...

えっと、宇宙世紀96年に起きたラプラスの箱を巡る戦いでボロボロになった私...ネェル・アーガマは艦の役目を終えた。ということで、解体待ちなんです。

今思い返せば...色んな思い出があったなぁ...ユニコーンガンダムを乗せてすぐにカタパルトを破壊されて...ユニコーンガンダムを奪われて...あの時は大変だったなぁ...

 

「こいつも解体か...ま、今までよく頑張ってくれたよなぁ?」

 

「あぁ、褒めても足りない位だ」

 

「じゃ、始めるか」

 

あれ...何だか.....眠...く...

 

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解体されて艦の天国(?)かなぁ...って思ったんだけど...

 

「どこだろう...ここ...?」

 

解体が始まって急に眠くなって...それで...目を覚ましたら、ここどこ?空がある。

地球?というか...海の上に立っている。

 

「すごい...こんなシステムあったっけ?それよりも...人になってる方がすごいのかな?」

 

手を開いたり、閉じたりしてみる。飛んでみたりもした。

本当に人になっている。

 

「まずは状況の確認だよね...えっとMSを...リゼルでいいかな」

 

どうやって飛ばすんだろ?と考えていると片手にずしりと重さが現れた。

見ると、握られているのはクロスボウ。クロスボウの矢の部分に小さく『RGZ-95』と書かれていた。この番号はリゼルの機体番号だ。

クロスボウを上へ向け、引き金を引いた。すると放たれた矢が光りはじめ、MSリゼルへと姿を変えた。

 

すると無線機から『こちらロメオ011。指示を!』と無線が入る。

 

「あ...えっと...この辺りの捜索を...お願いします」

 

『了解!』と威勢の良い声が返ってきて、プツンと通信が切れた。

 

――――――――――――――

 

数分後....

 

『ネェル・アーガマ、応答を!』

 

「は...ひゃいっ!?」

 

ボーッとしていて急に大きな声が聞こえたものだからすっとんきょうな声が出てしまった。

返事をすると目の前にディスプレイが出現し、頭のなかに声が響く。

 

(解析映像、来ます!)

 

出現したディスプレイにはいくつかの黒い点が海の上を移動している映像が送られてきた。

拡大して見てみると、そこには一人の少女が逃げるように海の上を移動している様子が分かった。

運が良いのか悪いのか、それらはこちらに向かってきていた。

 

「えっと...迎撃すれば良いのかな...?」

 

攻撃...攻撃...と念じると、両手に何かが握られていた。

 

「これって...メガ粒子砲?これは確か...メイン・メガ粒子砲だったよね?」

 

両手に握られているのは2連装メイン・メガ粒子砲だった。これだけでもかなりの威力を持っている。

粒子砲をこちらに向かって来るものに向ける。

 

「ど...どいてっぽい~!!」

 

「ふぇ!?」

 

逃げている少女はあろうことか自分に突っ込んできた。

ごつんと小気味良い音が響く。

 

「うぅ~...痛いっぽい~...」

 

ぽいって...確信してるわけじゃないのかな?

って...そんなことじゃなくて!

 

先程、捜索に出していたリゼルから通信が入る。

『こちらロメオ011!攻撃を開始する!』

 

「え...あ...はいっ!」

 

鯨の様な怪物にリゼルがメガ・ビーム・ランチャーを撃ち込む。

すると怪物は大きい風穴を体に開けられると、爆発した。

 

「うわ...リゼルってこんなに強かったかな...?」

 

するともう一匹の怪物が口から砲塔を出し、こちらに向かって砲撃を開始した。

なんと驚いたことに、実弾兵器を使用していたのだ。この時代ではビーム兵器が主流だというのに。

 

「きゃぁっ!?」

 

砲弾は自分に直撃。だが、

 

「あれ、痛く...、ない?」

 

砲撃されたが痛みが無かった。

装甲が厚いのが助けになったようだ。

そして、先程砲撃をした怪物を見ると、体に穴が開いていた。

 

「グギ、ガギャ...ギ...」

 

きっとリゼルに撃たれたのだろう。

すでに怪物も虫の息。今すぐにでも死んでしまいそうな声だった。

程なくして怪物は爆発、海に沈んでいった。

 

「ふぅ...終わった、かな...?」

 

『こちらロメオ011。帰還する』

 

リゼルを収容し、一息つくと、先程の少女が急に抱きついてきた。

 

「ひゃぁっ!?え?な...なんですか!?」

 

「春雨っぽい~♪春雨~♪」

 

スリスリとまるで犬の様に頭を擦り付けてきた。

春雨?春雨ってなんだろう...私はネェル・アーガマなんだけどなぁ...

 

「え?あの...えっと...貴女は...誰ですか?」

 

「春雨...、まさか夕立のこと忘れたっぽい...?」

 

「あぁ...いや!覚えてるよ!?」

 

「忘れられたかと思ったっぽい!春雨、早く鎮守府に行くっぽい~♪」

 

すごいごり押しでこの場はやり過ごしたけど...まぁいっか

 

夕立と名乗る少女に手を引っ張られて、連れていかれるネェル・アーガマ...

何も分からないから少し位、情報がほしいとおもったアーガマであった。




いろいろ展開するのが早すぎました。
なんかすいません。

ユニコーン見ながらこれ書くとなんか複雑な気分になります。

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