強襲揚陸艦ネェル・アーガマ、発進!   作:がさ丸

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今回は~...アーガマは出番少ないと思います。
メインはバナージとリディ少尉。

敵は前回洗脳(?)された五月雨さんでございます。

それでは、どうぞ。


暖かな光

「え...?ユニコーンとバンシィ!?」

 

頭に響いた声に衝撃を隠せなかった。

ネェル・アーガマの主力MSが2機、同時に出撃するのだ。

メガラニカ宙域での戦いを思い出さずにはいられない。

 

U.C.0096、ユニコーンが示した最後の座標、インダストリアル7、メガラニカ。

そこに、ラプラスの箱があるとミネバ・ラオ・ザビがネオ・ジオンが乗艦しているネェル・アーガマ艦内で口外したのだ。

そうすれば勿論、ネオ・ジオンはラプラスの箱を奪取する為に動き、その情報を察知した地球連邦もラプラスの箱を消し去るために行動を開始する。

ネェル・アーガマはラプラスの箱を守るため、インダストリアル7に向かった。

 

そこでジオンの最終兵器とも言える、ネオ・ジオングを投入してきたのだ。

ファンネル・ビット、メガ粒子砲を搭載し、戦艦とも渡り合える火力を有している。

遠距離攻撃、近距離攻撃、どちらもこなし、誰もが最強のMAだと思った。

だが、それを上回る程の可能性を秘めたMSがいた。それが『ユニコーンガンダム』である。

1戦闘単位でありながら、どのMS、MAをも凌駕する戦闘能力はまさに、可能性の神と言える。

 

フロンタルとの最終決戦でバナージは、ユニコーンの秘めたる力を解放した。

バナージの諦めない心に反応したユニコーンが発した未知の光。

かつてアクシズを押し返したガンダムが発していた光と同じだった。

それを直接、ネオ・ジオングに流し込み、フロンタルに暖かな熱を伝えた。

その熱を受け入れたフロンタルは、自身の中にあった残留思念を浄化され、それと連動するようにネオ・ジオングも灰塵と化して、朽ち果てていった。

 

最終決戦の途中で、宇宙世紀の歴史を見たバナージは、その幻想から脱する瞬間、宇宙に走る一筋の光を目撃した。

コロニーレーザー。コロニーを巨大なレーザー砲に改造し、最大級の攻撃手段として地球連邦が所持していた。その名はグリプス2。過去に大きな被害を受け、使用不可能と思われていた。だが、その陰で地球連邦はグリプス2を修復、使用可能にしていた。

そのグリプス2でメガラニカをラプラスの箱ごと焼き払うというのが地球連邦の考えだった。

 

コロニーレーザーを発射する直前、ユニコーンガンダムとバンシィはメガラニカ前面にサイコ・フィールド・バリアを展開した。そして、レーザーを受け止めた。

バンシィのサイコ・フィールドが突破されそうになるが、リディとバンシィの親和性が更なる域に達したため、サイコ・フレームの色が緑色に発行し、レーザーを相殺した。

 

これが、U.C.0096、ラプラス動乱の全貌である。

 

『俺とバナージで何とかする!』

 

――わ...分かった...!MS発進準備!

 

意思を集中させる。

すると両手にクロウボウが出現する。

その矢には、『RX-0』、『RX-0[N]』と刻まれていた。

 

『MS出撃準備!』『進路、オールグリーン!』『ユニコーン、バンシィ、出撃準備完了!』『ハッチ解放!』『いつでも行けます!』

 

――ユニコーンガンダム、バンシィ、発進して下さいっ!

 

『リディ・マーセナス、バンシィ...出る!』

 

『ユニコーンガンダム、バナージ・リンクス...行きます!』

 

響く声と共に、クロウボウの引き金を引く。

射出された矢は徐々に姿を変え、人型に変化していく。

1つは黒き獅子、もう1つは純白の一角獣。

可能性の獣が空を翔る。

 

―――――――――――――――――

◇バナージ&リディ

 

「やれるな?ユニコーン!」

 

「俺に力を貸してくれ...バンシィ!」

 

2人の声に呼応するように、コックピットのディスプレイに『NT-D』の文字が浮かび上がる。

ユニコーンの装甲がスライドし、内部骨格であるサイコ・フレームが露出する。その色はいつもの赤ではなく、緑の光を発していた。

同じく、バンシィも緑色の光を放っている。

 

『ユニコーン、バンシィ、目標はあの艦娘です!出来る限り...傷つけないで!』

 

「了解した...」

 

「分かりました!」

 

『それと...赤いMAに何かされたみたいで...金色の輪っかが出たと思ったらずっとこのままで...なんとかならない?』

 

「...!それって...!」

 

「フル....フロンタル...!!」

 

2人にアーガマが提供した情報に思い当たる節があった。

金色の輪、赤いMA。

この情報だけで敵が何者なのかを理解した。

 

「目標である艦娘を元に戻します!リディさんは援護を!」

 

「分かった!」

 

『元に戻すって...え!?そんなこと出来るの!?』

 

「フロンタルにやったことをもう一度やればいい!熱を送れば...!」

 

バナージは通信モジュールを閉じ、目の前の艦娘に意識を集中させる。

それに気づいたのか、五月雨はユニコーンに砲を向け、引き金を引く。

 

「ユニコーン!」

 

シールドファンネルを集結させ、三枚からなる巨大なシールドを形成する。

シールドに弾が着弾し、黒煙を吹き出す。

その黒煙の中から、ユニコーンが出現する。

ゆっくり、ゆっくりと五月雨に近づく。

 

「あ...あぁ...!」

 

五月雨は恐怖におののき、後ずさる。

だが、目標を破壊するまで、逃げるわけにはいかない。

五月雨は装填されている魚雷を手掴みし、ユニコーンに投げ付ける。

 

「バナージ!」

 

バンシィが魚雷に接近し、ビーム・トンファーで魚雷を切り裂く。

 

「こいつは危険だ...破壊するしか...!」

 

「待ってくれリディさん!俺が何とかします...リディさんは援護をして下さい!」

 

「武装を潰さなきゃぁ...近づけないだろ!」

 

まずは、五月雨の持っている砲塔にリボルビング・ランチャーを4発撃ち込む。

砲にめり込むと、青い光を発しながら、爆発する。

 

「....!!」

 

「そんな旧式の砲でさぁ!」

 

もう片方の砲に、ビーム・マグナムの照準を合わせる。

掠る弾道を計算し、銃口を横にずらして、引き金を引く。

紫電を走らせながら、真っ直ぐに進んでいく。

砲に掠ると、融解し、爆発する。

 

「...!?」

 

五月雨は驚いた様な顔をした。

それもそうだ。自分の武装が1分足らずで破壊されてしまう。

魚雷発射管も、いつの間にか壊されている。

 

「やれ、バナージ!」

 

「ユニコォォォオン!!」

 

背後から接近し、拳を振りかぶる。

ガシッと拳を掴まれる。

 

「な...!?」

 

諦めずにもう片方の拳も突き出す。

こちらも止められてしまう。

ならば、足だ。蹴りの姿勢をとり、足を前に出すが、突如として足が勢いを失う。

 

リディとアーガマは信じられないものを見ていた。

それは、五月雨が背負っている機関。

そこから白い手が伸びているのだ。

それはまるで、“深海棲艦”の様だった。

 

「コれで.....終ワり....!」

 

「それでも.....」

 

五月雨がギリギリと手に力を込めていく。

それにともない、ユニコーンの拳がメキメキと音をたてる。

 

「クソッ!...行くぞ、バンシィ!」

 

バンシィが加速して五月雨に接近する。

だが、機関から伸びる手によって止められてしまう。

 

「うおぉおあぁぁっ!!」

 

リディが悲痛な叫びをあげる。

 

「リディ...さん...!俺は...ッ!うおおぉぉぉぉ!!」

 

バナージが叫ぶと、それに応えたユニコーンが光の量を増す。

掴まれたままの手を離すべく、思い切り腕を後ろに引く。

そして、拳を再度突き出す。

機関から伸びる手が1つ消滅する。

空いた手で手刀を作り、もう片方の手を切り裂く。

そして両手を丁度、五月雨の頭にかざす。

 

その瞬間、バナージの頭に声が響く。

 

破壊 破壊 破壊 破壊 破壊 破壊 破壊はカいハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイハカイ.............

 

 

 

 

―――――――助けて。

 

 

「....!!」

 

ユニコーンの掌から、虹色の光が放出される。

その光が五月雨を包む。

 

「あったかい.....」

 

五月雨がボソリと呟く。

するとまた、バナージの頭に声が響く。

 

――ありがとう。

 

「.........」

 

その場に五月雨が倒れ込む。

 

「五月雨さんっ!」

 

アーガマが五月雨に駆け寄る。

ユニコーンとバンシィはアーガマの着艦デッキに着艦し、光の粒子となって消えた。

 

「五月雨さん、五月雨さんっ!」

 

必死に五月雨を揺する。

だが、反応が無い。

 

――まさか....

 

「うそ...だよね...?そうだ...司令官の所に...司令官に知らせなきゃ...!」

 

アーガマは五月雨を担ぎ、海に足をつける。

アーガマの体は海上に浮き、前に進み始める。

 

「...五月雨さん...!」

 

――はやく、司令官の所に!




戦闘描写がおかしい気がする。

というか、五月雨がマリーダさんみたいな...

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