もうすぐビーストマン国家の狩猟解禁日という事で、猟区に指定されている竜王国から、救援のお誘いが来た。当然、今年も義勇軍を率いる事になるのだが、ブレインがやけに気合いを入れていた。コッコドールからは毛並みのいいビーストマンを2、3匹、生け捕りにして欲しいと頼まれた。未来に生き過ぎだろう、コッコドールェ…
それにしても、ビーストマンというのは文明を持たない野蛮な種族だと言われているが、人間が減りすぎない様に、狩猟期間をキチンと設定したり、決められた猟区以外での狩猟は行わない、狩猟対象の種族が厳密に定められている等、とても洗練されたルールで狩猟を行っている。きっとビーストマン国家には、人間の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律があるのだろう。人間以外は問答無用でサーチ&デストロイの法国は、少しビーストマン国家を見習うべきではないだろうか?
レエブン侯の情報によると、王国に対抗したのか空気を読んだのか、バハルス帝国が帝国四騎士を団長とした、かなりの規模の軍を派遣するらしい。これはチャンスかもしれないな…
~竜王国~
「お初にお目にかかります、ガゼフ・ストロノーフ殿。私はクアイエッセ・ハゼイア・クインティアと申します。訳あって詳しい自己紹介が出来ませんが、以前お世話になったクレマンティーヌの兄です。」
「これはご丁寧に…王国戦士長ガゼフ・ストロノーフと申します。こちらこそ御会い出来て光栄であります。そうでしたか…クレマンティーヌ嬢の兄君…」
「ええ、妹は奔放に過ぎるところがあったのですが、王国でストロノーフ殿に出会ってからというもの、神の使徒としての使命に目覚め、人類に貢献する悦びに感謝を捧げる日々を送っております。」
「ハハハ…活発でバイタリティ溢れるお嬢さんでしたな。」
こいつがクレマンティーヌの兄貴か。法国が誇るポケモンマスター、決めセリフは「行け、ギガントバジリスク!君に決めた!」に違いない。それにしてもこの男、相当できるな…顔を見ればわかる。これキチガイの顔ですわ。
クアイエッセによると、彼女はずいぶんと丸くなったそうだ。少々目に余っていた奇行も為りを潜めて、お兄ちゃんとしても一安心だろう。あと先日、無事に元気な男の子を出産したそうだ。家族が増えたよ!やったねクアイエッセお兄ちゃん♪認知?いったい何の事でしょう?
その後、心の友であるニグンサンと旧交を温めた。例の件で勲章を貰ったり、神殿で名誉職みたいなのに就いたそうだ。法国としても国威発揚に丁度良かったみたいで、いまや押しも押されぬ大スター、スレイン法国の結婚したい男性ランキング上位にランクインしているそうだ。青の薔薇の彼女達も元気にやっていると聞いて安心した。
そう、行方不明になっていた青の薔薇、イビルアイ以外の4人は、極秘に法国へ亡命していたのだ。100万人に一人という、希少な才能に恵まれたラキュースは、水の神殿の巫女姫として、今では法国に欠かせない存在になった。ガガーランと双子姉妹は、スレイン法国が誇る屈強な戦士達のふる里として知られる『スレイン牧場』で新しい生命の誕生に貢献するお仕事を頑張っているそうだ。
イビルアイはどうなったのかって?イビルアイは経験値になったのだ…俺のレベルアップ、その経験値にな…