「あ、きたきた。遅いよ盟友ー」
魔理沙達と別れて少し、漸くにとりの屋台についた。
「悪い悪い、ちょっと色々あってね」
「もしかしたら約束忘れてるのかと思ったよ」
「ほんとごめんって」
ぶっちゃけ少し迷ってた。河童達の出してる屋台だけでもゆうに30はある。その中からにとりを探すのはなかなかに骨が折れた。
「まぁこうしてきてくれたからいいけどね」
そういってにとりは楽しげに笑う。
「じゃあ何買ってく?約束通りオマケするよ!」
そういって屋台を指差す。たい焼き、たこ焼き、焼きそば、イカ焼き、フランクフルトなどの色々な屋台がひしめき合ってて、どこからともなく香ばしい香りが漂ってくる。
「んーそうだなぁ。じゃあ焼きそば10個とたこ焼き10個、あとフランクフルト20本にたい焼き20個貰おうかな」
「え、そんなに?こっちとしては有難いけど食べきれるの?」
にとりが驚いてそんな言葉をかけてくる。そりゃあ普通なら到底無理な量だとは思うけど………
「幽々子に頼まれた買い出しだからね」
「あーあの亡霊姫かー。納得したよ」
「ほんとあの華奢な身体の何処にそんな入るのかね」
「全部胸にいってるんじゃない?」
あーなるほどありs………ねーよ。流石にそんなレベルじゃないでしょあいつの食べる量は。
「しかしあの亡霊姫となると寧ろこれでも足りないくらいじゃないかい?」
「勘弁して下さい。財布が空になります」
タダでさえ痛い出費なのにこれ以上買ったら本当に生活できなくなとてしまう。
「それもそうだね、すぐ枯渇しそうだ」
そう言ってにとりは楽しそうに笑ってるがこっちとしちゃ全然笑えない。
「まぁ少しオマケしとくからそれを足しにしてよ」
「悪いね、助かるよ」
正直幽々子の食べる量を考えたらオマケなんてあってないようなもんだけどそれでもないよりは幾分かマシだろう。
「はい、お待たせー」
品物を入れた袋をこちらに渡してくれる。
「ん、ありがと」
「それじゃあ亡霊姫の相手頑張ってねー」
「ん、そっちも屋台頑張ってなー」
そうしてにとりと別れて、幽々子達の待つ本殿に向かった。
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「おっそーい!」
戻るなり幽々子に飛びつかれた。というか完全に出来上がっていた。
「重い……」
「女の子に重いとか言っちゃダメよ〜」
「女の子って歳k「何か言った?」………いえ、なんでもありません」
「女性にそういう事いうのは失礼だよー」
萃香が酒を煽りながら言う。確かに今のは少し、いやかなり失言だった。今後気を付けないと……。
「そろそろ離れて下さいよ幽々子様〜。涼さんが困ってますよ〜」
心配した妖夢ちゃんが助け舟を出してくれる。
あぁ、今俺の味方になってくれるのは君だけだよ。紫も萃香もニヤニヤしてるだけで助けてくれない。友達がいの無い奴らだよ。
「なら妖夢が変わる〜?」
「い、いえ!私は結構です!」
凄い勢いで拒否られた。年頃の子からしたら当然の反応なんだけどそこまで全力で拒否られると少し傷付くなぁ。
「で、頼んだ奴は〜?」
「買ってきたよ。はいこれ」
そう言って大量の食べ物が入った袋を差し出す。
「やったやった!折角のお祭りなんですし食べなきゃもったいないわよねー」
「お祭りじゃなくても年中色々食べてるじゃん」
「雰囲気っては大事なのよ〜」
そういうもんなのかな。まぁわからないでもないけどさ。折角沢山買ってきたんだ。どうか味わって食べて下さい。
「そいや妖夢ちゃん、もう手伝いはいいの?」
確か霊夢の手伝いをしてたはずだけど
「はい、ひと段落ついたので休憩頂きました!また後で行くことになると思いますが」
「そうだったんだ、お疲れ様。なら今は十分に休んでね」
「はい!そうします!」
大変だったろうに元気だね妖夢ちゃんは。俺はもうクタクタだよ。
「涼は体力なさ過ぎなんだよ」
「お前らが異常なんだよ…」
というか誰の所為で疲れてると思ってるんだ。君達の所為だよ確実に。少しは悪びれなさいよ。
「あーつっかれたぁー」
そんな声と共に肩を回しながら霊夢がやってきた。
「お疲れー。もう店はいいの?」
「もう全部売り切れちゃったのよ。もう少し作っておけばよかったわ」
おろ、それは随分と盛況だったんだね。いいなぁ。俺も全部売り切れだとか言ってみたい。
「まぁこれで当分の生活は困らないだろうし良しとしましょうか」
これ程までの霊夢の笑顔を見れる時なんてそうそうないだろうってくらいにいい笑顔をしている。
「じゃあ霊夢もきたことだし改めて乾杯しましょ!」
「そうね、そうしましょうか」
みんな本当に飲むのが好きだね。まぁもう慣れたけどさ。
それじゃあ何度目かわからないけど改めてまして
「「「乾杯」」」
明日は二日酔いかなぁ…………
次はもう少しドタバタできたらなぁと思います。
アリスさん辺りに登場して貰う予定です。
それではまた次回