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十香の力を手に入れて半月。
六式と言ったものをガープさんに教えてもらったのだが、私には意味のないものだということを早々に理解した。精霊の力が不可視の力として六式の体術レベル以上の補助をしてくれるのだ。全ての攻撃は弾かれ、不可視の力で目標を捉え破壊する。海賊たちで表すなら、数百万ベリーの海賊なら通常の状態オーバーキル。数千万ベリーなら天使顕現の一撃でオーバーキル。億超で天使を交えた本格戦闘ができそうだ。十香がやっていたように虚空を掴む仕草をしたら海賊船が潰れた時には驚いたものだ。
ちなみに
ただ、増えた霊力のこともありどうやっても
もし次に、
という訳でだ、私は今
「
名を叫び、
実際に扱えることに感動を覚えていると、タイミングよく地平線に海賊船が見えた。海賊旗を見ると手配中の海賊でえーと…多分500万ベリーのー…すまん、海賊よ。500万クラスはうじゃうじゃいて全部把握はしてないのだ。流石にこちらの様子が見えてる奴はいないだろうし、大人しく実験に付き合ってくれい。
霊力を込めるー限界まで込めてみよう
霊力を込める―できれば全力で試したい
霊力を込める―まだ込められる。
霊力を込める―感覚的にまだまだ込めれる。
霊力を込める―なんだか、剣から紫の光が溢れだして霜が付き始めたがまだ行ける。
霊力を込める―あ、あの
霊力を込m、ちょ、まだ?!ビカビカ光り輝いてるのにまだ込めれるの!?
こ、込め…うわぁ!?アカンアカン!ヤバイよヤバイよ!!怖っ!?私の霊力既に8割込めたよ?!まだなの?まだなんですか!?
「これ以上は無理!込めた!よっしゃぁ!もう放てぇぇぇ!!!」
気分は騎士王、約8割の霊力が込められ(二人分の霊力で8割なのでぶっちゃけヤバイ)、眩く輝く
振り下ろした時に剣が通った空間を切裂き湾曲させ
擬似的な空間震が斬撃に纏わり付き
込めすぎた強大な霊力が斬撃の通る海水を蒸発させ、海底も抉り
蒸発した海水が瞬時に凍りつき幻想的な風景を生み出しながら
海賊船を微粒子レベルで分解し消し去った
( ゚д゚) ぉ・・・
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚) ・・・
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
(;゚ Д゚) …!?
「んン~っはぁ!いい天気だなぁ……………」
横に居る
「うぇいへいやッ!?いい天気ィ!!すげぇいい風!!」(現実逃避中)
私はそっと後ろを振り返る。
モーゼのごとく地平線まで割られた海、凍りつき幻想的な氷柱が並び立つ海上。未だ、ビリビリと震える空間。見当たらない海賊船。流れる冷や汗。見渡す景色はどこまでも現実を見せつけ冷や汗の量を増やす。
そして、私は言う。
「何事もなかった、うん」
全力で逃げた。
限界知らないときっとこうなる。