精霊は海兵へ   作:カミカミュ

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誤字報告って機能あるんですね(知らなかった…

ただ、報告はありがたいです自分じゃ勘違いしてる部分もあるので…


2話 訓練

 

 

 

 

 

こんにちは私です。

 

心の中で俺というのをやめました。せめて私にしないとうっかり口が滑ったときがやばい。少しずつ慣れていかないと・・・。

 

さて、今の私ですが無事三等兵になることができました。こうして心の中で喋ってる私ですが、絶賛訓練中です。

 

上官が監視している中何百人の兵士の中に紛れ込む少女が一人。そう、私である。

 

9割が男の海軍には女の私は珍しいらしく浮きに浮きまくっていた。

 

そして精霊の身体能力舐めてた・・・。

 

周りが訓練の厳しさでうめき声をあげる中私は平然としている。原作でも脅威として描かれてた精霊。可愛らしい姿をしている彼女たちだが、一人一人が災害認定されている。現界すれば空間震で辺り一帯を破壊しつくし、攻撃されればそれに対応するだけの攻撃力と防御力を有す霊装と天使の顕現。士道も精霊の力が暴走したときには人間には不可能な記録を叩き出していた。

 

まぁ、何が言いたいのかと言えば、訓練してる気がしないのである。

 

最初に体力作りで筋トレから走り込みとやっているのだが、幼い体に似合わない脅威の脚力で走れた。ここで言っておくが本気で走ることはできない。理由?踏み込んだ瞬間に地面が爆散しました。身体スペックに差がありすぎて必死に訓練している兵士たちに申し訳ないです・・・。

 

 

 

そして、次は道場に連れて行かれ竹刀片手に試合稽古中です。

 

ちなみに私は、剣術なんてこれぽっちも知りません。精霊の腕力任せの防御に銃弾を平然と避けれる反射神経による回避。そこに軽くカウンターを打ち込めば相手が倒れてくれます。他の精霊と比べると自然現象を操る私はパッとしない私だが精霊スペックで見てから回避余裕です。

 

攻撃の十香、時の狂三、再生の琴里、俊敏の八舞姉妹、支配の美九、幻惑の七罪、殲滅の折紙、全知の二亜。四糸乃はなんだ、耐久?殲滅力にも優れてそうな気もするが・・・。

 

それにしても新兵が受ける基礎訓練だとやっぱり駄目だな。精霊は反則過ぎて訓練がただの作業だ。これなら座学のほうに集中したほうがいい気がする。

 

もし、囁告篇帙(ラジエル)でもあれば色々知れて座学する意味も消えるが・・・。

 

そうこう考えている内に今日の日程をこなし、夜となる。

 

 

 

 

 

 

昼に走り込みをしていた場所に行き、色々試してみることにする。

 

まずは、空へと手を向け雨雲を作ってみる。少し力を向けた先に小さな雨雲ができ、雨が降る。用意していた桶に雨水を入れ水の操作ができるか試す。結果は成功。私の霊力を含んでいることもあり、自分の思うままに動かせる。そこから氷に変え、水に戻す。さらに気体にすることもできた。これなら、原作通りに広範囲に雨を降らせることで街一つ程度なら容易に殲滅することは可能だろう。

 

次に普通の水を汲んでくる。霊力の混ざりがない純水だ。液体から氷、液体に戻して気体、再び液体に戻し操作を試みる。純水だと的に当てるなどの単純な操作は問題はない。しかし、複雑な形をとらせようとすると弾けてしまう。これは要練習だ。桶に戻し、霊力を加えられるか試す。これは問題なく成功。そこでふと他の精霊の力は使えないかと思いつく。

 

が、霊装や天使の名を叫んでも顕現することはなく、風も炎も起こせなかった。

 

やはり精霊の力は霊結晶(セフィラ)によってそれぞれ違うのか。知識として知っていようが、再現することは不可能のようだ。

 

ここでアニメ設定の話を思い出す。そういえばアニメ版の氷結傀儡(ザドキエル)は原作の3m設定と違ってビルと同じほど巨大化してたはずだ。何だったか何かの特典で『せっかくのアニメなので頑張りました』的なコメントがあったはず。

 

もしかすると、頑張れば氷結傀儡(ザドキエル)の巨大化が出来るかもしれない。

 

しかし、どうするか訓練場で実験したら宿舎辺りまで冷気が届くよな?まして巨大化なんかして、『マリンフォードが冬島になりました(笑)』とか、打ち首待ったなし。海上に出たときに試せるかやってみるかぁ・・・。あと、空間震の実験もできたらそのときやろう。

 

おっと、空が飛べるかも確かめなければ。

 

飛ぶイメージをすると霊力が体を包むように展開され、体が宙に浮く。

 

お、おぉぉ・・・。ASTと戦う場面でビュンビュン飛んでいたが、こうして飛んでみると少し感動である。

 

 

 

 

 

 

 

5日ほど訓練という名の作業をやっていると、ガープさんがやってきた。中将という大物登場に場に緊張が走る。ガープさんは私を見つけると。

 

 

「ヨシノを借りていくぞー」

 

 

笑いながらそう言い、脇に抱えられて連れて行かれてしまった。監視をしていた上官にえっいいのコレ?と視線で問うがサムズアップされて見送られた。助けて。

 

巨体の海兵に小脇に抱えられて運ばれる少女。ガープさんが海兵じゃなければ人攫いの構図である。私はどこへ連れて行かれるのだろうか?

 

 

 

ガープさんに抱えられた私は人のいない別の訓練場へと連れて行かれた。確かここは伍長以上の上官たちが使っていたはずだ。なぜここに連れて来られたのか不思議そうにしていると。

 

 

「お前さん、新兵の訓練だと物足りなさそうにしておったじゃろ?身体面じゃなく能力面の訓練でもやりたかったんじゃないのか?」

 

 

「・・・えっと・・・当たりです。私の身体能力は普通の兵士に比べて圧倒的に上であのレベルの訓練だと鍛えてる気もしなくて・・・能力のほうも強い力を使おうとすると被害範囲が広くなりそうで簡単に訓練できなくて・・・」

 

 

「ふむ、なるほどのぉ。どれほどの広さなら大丈夫そうじゃ?」

 

 

「限界を試そうとするなら海上でやったほうがいいと思います・・・」

 

 

私の言葉にガープさんはしばらく悩むようにし、再び小脇に抱えられどこかに連れて行かれる。ここに来た意味は・・・。

 

そして連れて来られたのは、大きな犬の顔が船首のガープさんの船。私の混乱をよそに船は出港してしまった。

 

 

「あの、ガープ中将・・・。何で私は船に乗せられてるんですか?」

 

 

「ああ、ヨシノの能力なら実戦に連れて行っても大丈夫だろうと思ったからじゃ」

 

 

「ふぇ?・・・・・・えぇ!?じ、実戦!!!?いきなりですか!?」

 

 

「ぶわっはっはっはっは!ワシがついとるし問題はないわい。それでだ、強い力が使いたいんじゃろ?具体的にはどんな能力なんじゃ?」

 

 

私は少し悩むしぐさを見せ。

 

 

「先日見せた氷結傀儡(ザドキエル)の巨大化と空間震という力の実験です。実際に使えるかどうかわからないんですけど・・・」

 

 

「ほぉ、2つ目の空間震とやらはどのようなものなんじゃ?」

 

 

「えっと、大まかに言うと着弾点から跡形も無く消滅する爆発をドーム状に発生させれるはずです。でもこれは出来るかもしれないという可能性のもので、もし出来ても威力・範囲共にどれほどになるものかわかりません・・・」

 

 

「なるほどのぉ・・・可能性として聞くが大きくてどれほどの範囲になるか予測は出来とるのか?」

 

 

「うぅ・・・正直言えば、マリンフォードの海軍本部を軽く飲み込めるかもしれないです、多分・・・だから、この力は本当に試すことも出来ればしたくないです・・・」

 

 

航海を始めて数時間経ち、乗組員のバタバタとした音が聞こえてきた。この数時間私も遊んでいたわけじゃなく、船内の掃除などをしていたのだが。何だろう海王類でも出たのだろうか?そう考えながら掃除道具を片付け始める。そこへドタドタと走りながらガープさんがきた。そのまま私の襟首を捕まれ、引きずられる。目を白黒させ混乱していると。

 

 

「出番じゃヨシノ!あの海賊どもを捕まえてこーーーい!!」

 

 

「へ?」

 

 

ぶぉんと音を立て私は空を飛ぶ。いやこれ滑空!?あの人何してくれてんの!!?てか海賊って言ってたよね?視線を海に向けると一隻の船がいた。黒い海賊旗を掲げた海賊船。こうなっては仕方ない滑空している体を止め、その場で浮かぶ。

 

 

「神威霊装・四番(エル)!!」

 

 

海兵の服が光に消え、私の霊装が現れる。一度海に着地し、足場を凍らせ整える。深呼吸をして気持ちを切り替える。海水へ手をつけ、霊力を流し込み広範囲を一気に凍りつかせる。凍った大地は冷気が揺らめき未だに範囲を伸ばしていく。とうとう海賊船の船底まで凍らせ、身動きが出来ないようにする。

 

ここからだ、前回の天使の顕現以上の膨大な霊力を溜める。

 

さぁ、始めよう。

 

 

氷結傀儡(ザドキエル)!!!!」

 

 

私の叫び声と共に氷の大地からバキバキと小さな音漏れ始め、巨大な氷が擦れ合う轟音へと変わり、幾何学模様の書かれた巨大な兎が現れる。前回の顕現の大きさが嘘のように巨大な氷結傀儡(ザドキエル)が出てきた。私は背に乗りながら呆然とする。何だこの大きさは・・・軽く50mはあるぞ!?

 

 

ゴガァァァァァァァ!!!!

 

 

氷結傀儡(ザドキエル)の獣じみた声が辺りの空気を揺らす。先ほどまで船が凍らされたことにより騒いでいた海賊たちも海軍も両者共に呆然と氷結傀儡(ザドキエル)を眺めている。やった私が軽く現実逃避しかけているのだから仕方がないだろう。氷結傀儡(ザドキエル)から溢れ出す冷気は海水を凍らせるだけでは留まらず、辺りの空気まで凍りつきキラキラと光っている。

 

ハッ!そうだった空間震も試さなければ!

 

私は海賊船から少し離れた位置を指差し力を込める。どうすれば発生させるかは不明だが勘に頼り腕を振り下ろすような仕草を取る。

 

空間が、空が歪む。

 

何色もの絵の具を混ぜ合わせたように空間が歪み、混ざるように回転してゆく。やがてそれは、水滴が落ちるかのように海面へ降りて行き・・・爆ぜた。

 

 

「嘘・・・!!」

 

 

昔、設定資料を読んだときに空間震の規模は四糸乃だとC程度だったはずだ。今目の前で発生しているのは半径100mは下らない規模の範囲が海底も抉るよう破壊の嵐に包まれている。私は巨大な氷結傀儡(ザドキエル)を盾のようにし、海軍の船を守る。数十秒後空間震は消え、後に残るのは海底まで抉りとられた風景が広がっていた。

私はすぐガープさんへ頭を下げる。

 

 

「ガープ中将、すみませんでした。まさかこんなに範囲が広いとは思わず・・・」

 

 

「よいよい、やれといったのはワシじゃ。さすがにこれは予想しとらんかったがのぉ・・・海賊船まで跡形も残っておらんわい」

 

 

「す、すみませ・・・ッ!!?」

 

 

謝ろうとした私は空間震の爆心地に違和感を覚えそこを凝視する。

 

海水が爆心地へ流れ込む場所に輝く物があるのが見える。アレは・・・なぜこんな場所に・・・!

 

 

それはこの世界にあるはずのない物――――霊結晶(セフィラ)が浮いていた。

 

 

 

 

 





ちなみに私が読んだのは13巻までです。
14巻持ってるんですが今ちょっと読む時間がない…。




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