君の隣に、私の傍に   作:UWAIS

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読者の皆様ご無沙汰してます。はじめましての方ははじめまして。

詳しくは後ほど活動報告に書こうと思いますがここ数ヶ月色々な事情から作品を更新出来ませんでした。申し訳ないです。ようやく少し落ち着き、活動を再開しようと思いました。

そこでしばらくリハビリを兼ねて予定していた過去編を書いていこうと思います。本作に登場するキーパーソン、金剛と主人公(博士)を取り巻く物語になります。

え?大和の物語だろ!?ごめんなさい、過去編が終わったら少し甘めの話を書こうと思ってますので〜


21.「テートク」とワタシ達

建造ーーワタシがこの世に生まれたのはマザーのお腹の中から、ドクターやナースに取り上げてもらって。ではなく工廠というひどく無機質な場所で機械によって、だった。

 

最初に目にした相手はファザーとも言ってよいのかわからないけれどワタシを生み出してくれたヒト。そして青い髪の小柄な少女。

 

「司令官、建造完了です!戦艦の金剛さんですよ!」

 

「あぁ、これは心強いな。金剛、よろしくな。私がこの鎮守府で指揮を執るーーー」

 

そう言って目の前の男性は自己紹介を始めた。どうやらこの鎮守府のテートクらしい。

 

「英国で産まれた帰国子女の金剛デース!ヨロシクオネガイシマース!」

 

挨拶は始めが肝心。そう思って元気よく挨拶したのに、二人が面食らってたのを今でも覚えている。

 

 

「そうか、改めてよろしくな。うちの艦隊は今のところ戦艦はいなくてな・・頼りにしてるぞ」

 

テートクは少し顔を上げあくびをするようにして言った。後から微笑んでいたのだとわかったが初見ではわからないようなスマイル。感情表現がユニークなヒトだなぁ、と思ったものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉様!お姉様!」

「霧島が建造できたみたいです!」

 

ティータイムの準備をしていると妹二人、比叡と榛名が息を切らしてこちらに駆け寄ってくる。どうやら四姉妹のうちの末っ子、霧島が建造できたらしい。これで姉妹が揃う。そう思うとうまく言えないけれど、込み上げてくるものがありマス。

 

 

「Oh!それは早速迎えに行きマショ〜」

 

「五月雨ちゃんから第二ドックが四時間と出たと聞いたので、行きましょう!」

 

榛名と霧島はほとんど双子と言える。会えるのはもしかしたらワタシや比叡よりも嬉しいのかも知れない。戦艦三姉妹がドタドタ走っているのを見てテートクが目を丸くしてたけど、今日くらい良いデスヨネ?

 

 

 

 

 

 

 

「ウ〜、最近は演習で苦戦する時が増えたような気がしマス〜」

 

「お、お姉様は問題ないと思います!」

 

「榛名がもっと活躍できたら・・」

 

「私の戦況分析が悪いのでしょうか・・・」

 

 

姉妹揃ってのティータイム。最近の悩みについて話していると、

 

「まあ皆思うところはあるだろうが、人の部屋に押し掛けてまでティータイムしてるんならもう少し楽しんだらどうだ?」

 

 

テートクが苦笑いしながらお菓子を出してくれマシタ。今日は真ん中にジャムの塗られたクッキーデ〜ス。

 

「司令はどう思ってるんですか?やっぱり私達じゃ長門型や空母に苦戦するのは仕方ないって、そう思ってるんですか?」

 

・・・比叡、その質問はストレート過ぎデース。

 

 

「性能で及ばないところはあるかもしれないが全てにおいて劣ってる訳じゃないさ。長門型には速力で勝るし、空母には耐久力や火力で勝ってる。ようはお前達の力をどう生かすかだ」

 

 

そう言うとテートクはワタシと榛名の間の席に腰を下ろして、だから、と前置きすると

 

「ここ最近の苦戦はお前達が弱いからじゃない。むしろ力を生かせてやれない私の責任だ。すまない」

 

誰に言うでもなく謝る。そこにはワタシ達に対する労りと、テートク自身悩んでるような、少し疲れのようなものも見えマス。まぁ、そう言う所が良いというか優しくてホッとさせてくれる所なんデスけどネ。

 

「そんな、提督が謝られることじゃないですよ。いつもいつも榛名が真っ先に被弾しちゃって・・・お姉様や霧島にも迷惑かけて・・」

 

途切れ途切れに言うと榛名は俯いてしまいマシタ・・・確かにこの中で一番調子が悪いのは榛名デス。練度はワタシの次に高いハズなのに・・

 

「よしっ!四人全員でどうやって強くなるか会議するか!何人寄れば文殊の知恵と言うやつだ」

 

テートクは思い切りよく宣言してワタシ達ひとりひとりの顔を見る。全く、こう言う所はズルいデス。

 

「あ、あの提督・・・」

 

「ん?どうした榛名?」

 

「五人だと思います、提督も入れたら」

 

 

「・・・五人、だな」

 

 

肝心なところで締まりませんネ〜。

 

 

 

 

そのままディナーも兼ねてワタシが作ったカレーを皆で食べながらの会議になりマシタ。あーでもないこーでもないと話していると何だか悩んでいたのがウソのように楽しくなってきマス。

 

「やっぱり火力、でしょうか。でもそうすると限界がありますし・・」

 

「長門型の装甲相手にまともに撃ち合ってたら分が悪いですよね」

 

テートクも聞いていてうん、うんと頷いてマスけど特に自分から言ったりはしまセンネ。何を考えてるんデショウ?

 

 

「あの、提督はどう思ってるんですか?」

 

榛名、ワタシと同じことを思ってマシタカ!うぅ、言おうと思ってたのに先を越されマシタ〜。

 

「そうだな、他の艦娘に勝つには・・相手の長所も勿論だが、こちらの長所を生かすのが先決だと思うな」

 

「ワタシ達の長所、デスカー?」

 

「そう、お前達の速度。これを何らかの形で生かせないか、それを今考えている」

 

何か自信あり気に言ったテートクにワタシ達の期待も高まりマス。

 

 

 

 

この時は思いもしなかった、この会議から始まった日々がワタシ達にとってかけがえのないモノになることに。

 




と、言うわけで過去編スタートとなります。更新頻度がまたまた低くなる気がしますが気長にお付き合い頂けるとありがたいです。

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