第3次スーパーロボットα外伝〜仕組まれた滅亡〜   作:リバーサクラモード本格的だよ

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今回はまだ表現的に優しいんですが…まあ、それでもグロ系が少しでもいやな人は気をつけてください。


番外編3 ぶらさがり

ー美空町ー

ー陽昇学園ー

ー保健室ー

 

俺とタクトはどれみたちが箒に跨って小山よしみの施設に向かっていったのを見届けた後レスターの点滴を取り俺たちは保健室を出ることにした。

 

タクト『さてと、そろそろ行くぞレスター、もうここにいても意味はないし、一応関先生やゆき先生に話しをしに行くか?』

 

レスター『ああ…そうするべきだな。にしても児童虐待か…一番この世界が平和そうに見えたのにな。』

 

タクト『比較しているからよく見えているのかもしれない。しかしねぇ…どうしようもないって思うよねぇ…どの世界も、多分どれみちゃんたちの行動は無意味になるな。』

 

レスター『お前!知っていて行かせたのか…なんでだ!』

 

タクト『止めたって無駄だと思うよ。彼女たたちは友達思いなんだよ…俺やお前がどう言ったって無駄なんだ。だからやらせてやりたいんだよ…酷いというなら言ってくれて構わないよ。』

 

レスター『一度、限界や何も出来ない辛さを与えないといけないというわけか…お前にしては珍しいな。酷いとは言わないさ、それがあいつらのためになるかどうかはわからないがな。』

 

二人で話しながら保健室を出て歩いていると関先生の姿が見えたので俺たちは関先生に話しかけた。

 

レスター『関先生。』

 

関『あっ、レスターさんにタクトさん、一条さんや小山はどこに。』

 

タクト『先程帰られましたよ。…にしてもあの様子から見るに…気付いていないなんて言わせませんよ?関先生?』

 

関『…お気付きになられたんですね…小山はよく体育の授業を休んでいたとゆき先生から聞いていたんですけど…元々体が弱いものだと思っていたんですが…体を見せるのを凄い嫌がっていて施設に行っても気にしなくて大丈夫といわれたので…虐待の可能性はあったのに…私は教師失格です。』

 

タクト『ええ、その通りです。自分の生徒を守れないような人は教師失格です。そんなことを言わなくてもわかっていますから。』

 

レスター『タクト!いいすぎだぞ!』

 

タクト『少しぐらい厳しいことを言わないといけないんだよ。先生っていう職業は常に勉強しなければならない。お叱りは受けるだろう。だけど怒られるにしても気を遣われて心の中で少し安心してしまう。担任ではないとはいえ生徒が死にかけたなら先生は同じように死にかけるような思いで生徒と触れ合う必要があるんだよ。こんな俺が言うのもなんだけどね。』

 

関『タクトさん…あなたは本当に優しいんですね。もう迷いません…私は死にかけるような思いで小山に触れ合います。私は学校の教師で全ての子どもの教師で小山の教師です!』

 

そのまま関先生は走って行った。

関先生の笑顔はとても清々しく素晴らしかった。

 

レスター『普通の人なら怒るかもしれないが関先生だっからこそああ出来たんだぞ。』

 

タクト『だからこそ言ったんだよ。俺は優しいしね、それじゃあ行こうか。』

 

レスター『行くってどこにだ?』

 

タクト『言ったろ、俺は優しいと。』

 

俺はそのままある人に電話をかけた。

 

ー児童養護施設ー

 

どれみ『ここだね、よしみちゃんが暮らしている施設って。』

 

私たちは魔法を使ってよしみちゃんがいる施設の場所を探し当てた。

”みそら”って名前のようだ。

とりあえず私たちは施設の庭に降りて窓から中の様子を見ることにした。

 

あいこ『どこにおるんかなあ、よしみちゃん?』

 

私たちは誰かに見つからないようにこっそりと窓からよしみちゃんを探していた。

少ししか窓が覗けないため、よくわからないけど、三人で見ているとはづきちゃんが何かを見つけた。

 

はづき『どれみちゃん、あいちゃん。あの上からぶら下がっている袋って何かしら?』

 

私たちははづきちゃんが指差したほうに視線を向けると確かに袋がぶら下がっていた。

大きさからして米袋より少し大きめの袋だった。あれは一体何かな?ちょっと気になるな

でも…あれって!!

 

どれみ『あれってもしかしたらステーキ肉だよ!ああやって冷凍庫に入れて鮮度を保つんだよ!』

 

あいこ『どれみちゃん、そんなわけないやろ、第1うちらが見ている部屋は感じからして広場みたいなもんやで、ステーキ肉は冷凍庫に入れとくもんやて。』

 

どれみ『あ、そっか。でもじゃああれは何?』

 

はづき『うーん…ベビーメリーにしては大きすぎるし…米袋と考えるには不自然すぎるし…もしかして外国の私たちの知らない儀式とか?』

 

あいこ『よっしゃ、そんじゃま!魔法で姿を消して中を調べるのが一番手っ取り早いわ。』

 

どれみ『ピーリカピリララーポポリナペーペルト!』

 

あいこ『パメルクーラルクーラリロリポップン!』

 

はづき『パイパイーポンポイープワプワプー!』

 

どれみ・あいこ・はづき『姿を消して!』

 

三人は呪文を唱えて姿を消してすぐさま裏にあったドアをこっそりと開けて施設に入っていった。

こういう場合、ネズミやゴキブリなどになるのがいつものどれみたちだったが、今回は色々探るために姿を消した。

そろりそろりと足音も立てずに静かにドアを開けて袋のある部屋に入った。

 

どれみ(これがあの袋…え!動いてる…)

 

私たちはもぞもぞと袋が動き出して体が震えていた。

 

どれみ(これって…まさか…虫!虫が入ってるの!無理無理無理無理!)

 

私とはづきちゃんが抱き合って震えているとあいこちゃんが気になって袋をぶら下げている糸を切って袋をゆっくりと下に置いた。

 

はづき『や、やめましょうよ…こ、怖いわ…それは動くステーキとして認識しましょ…』

 

どれみ『そ、そうだよ!それに魚とか切ってる途中に息ふきかえす時があるし…』

 

あいこ『ふたりとも怖がっててもしゃあーないで!袋開けるで!』

 

あいちゃんは袋をゆっくりと開けた。

するとそこには…

 

どれみ『えっ…子ども…』

 

その袋の中には明らかにやせ細って体中血まみれの男の子がいた。

体の大きさからして妹のぽっぷより小さいと思うから多分三歳くらいだと思った。

 

あいこ『ど、どうなっとんねん…この子どう見たって怪我しとるし…口から血吐いてる…遊びにしては明らかに不自然やわ。』

 

どれみ『施設での暴力…あの施設長がやっているってこと…それにこんな声…』

 

恐る恐る子どもの首すじを見てみると、紫色に変化しており、歯が全部抜かれていた。

頬は痩せこけていて、顔には赤い生々しい血がびっしりとついていて風呂に入っていないのかとても汗臭くて涙の跡が目にしっかりとあった。

 

誰だ!!

 

バシャッ!

 

大きな音とともに身長の大きい口にたばこを蒸したおばさんがこちらに向かって来た。

私たちは姿は見えていないけど、触ることは出来るので即座に設置してあった机の裏に隠れた。

 

田土間『…ほどけている…誰だ…集合!!こい!お前ら早く来い!』

 

大きな怒号とともに何人かの子ども…いや子供たちがズルズルと妙な音を立てながら何かを引きずりながらこちらに来ていた。

私たちはその光景を見るべきではなかったと思った。

目を背けてはいけない…でも、見たくなかった、信じたくなかった現実を…

 

どれみ『そ…そんな…』

 

 

 

 


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