第3次スーパーロボットα外伝〜仕組まれた滅亡〜   作:リバーサクラモード本格的だよ

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ちきしょー!なんでじゃ!バスに乗って騒いでいたら運転手が静かに喋れって!叫んだよ…まぁ、他のバスの運転手は客の多さに切れてたからなぁ…まだいいのかなぁ…どうぞ、


恨みと愛のコントラスト

 

ー火星圏ー

ーエルシャンクー

ー格納庫ー

 

俺は死ぬのか…

いや、俺はとっくに死んでいた…

あの時から…ヒューマンデブリになった日から俺は死んでいたんだ…人間として死んだんだ。

だが、それでも俺は生きていた。

ヒューマンデブリとしてでも生きてきた…そして俺は兄貴を待った。

必ず迎えに行くと約束してくれた兄貴を…

だが、ヒューマンデブリとして生活していくうちにわかったんだ。

仲間が次々に死んでいったが…仕方ないと思っていた。

そして、兄貴が来てもどうせ変わらない

死ぬのは変わらない、そう考えていたのに…

そう考えながら俺たちは部屋に集められていた。

すると司令官らしき人物が俺たちのもとに来た。

どうせ…売るんだろうなぁ…

そんなことを考えていると意外な言葉が聞こえてきた。

 

タクト『俺の名前はタクト・マイヤーズこの船の司令官をしている。ねぇねぇ、君たち?確か戦闘は命令されてたからだよね?ところでここで働かない?俺のところの雑用をやってくれないかな?大丈夫?死ぬ!可能性がゼロだから!戦闘は俺たちに任しておいてくれればよいから、君たちのことは命を懸けて守るから!』

 

は、何言ってんの?

こいつどうかしているじゃないのか!

俺たちが命を捨てるはずなのに…

なぜあんたらが命を懸けて守る!

どういうことだ…

 

ペドロ『そんなこと言って…戦場では俺たちのことを使うんだろ?』

 

タクト『ないないないよー!それにやってもらうことは簡単な仕事!仕事のことは教えてあげるし、仕事が終わったら昼寝するなり、飯を食うなり好きにして構わないんだよ。飯はおかわり自由で好きなだけ食っていい!しかも肉や魚まで盛りだくさん!味もバッチグー!一人一人に部屋もある!いいところだろ〜』

 

俺たちには期待というか複雑な感情が入り混じっていた。

今までの大人は有無を言わさず殴りつけた。

何があっても殴って従わせていた。

でも…この人はヘラヘラしながら欠伸をしてぼけーっとした態度で俺たちの前にいる。

どうすれば?

こんな大人は見たことない。

こんなにも隙だらけで俺たちに奴隷と主人というより立場より一対一の同じ立場にいるようだ…

いや、そんなことはない!

こいつは罠だ!罠に決まってるんだ!

 

昌弘『どうせそんなこと言って飯に毒でも

盛ってんだろ?俺たちはあんたらを攻撃しようとしたんだ!殺し合いをしたもの同士なんだぞ!』

俺は皆の疑問を吹き飛ばすために質問をした

これならどうだ!

さあ、本音を言え!あんたは俺たちを…

 

タクト『あ、そうなの?ごめん、ごめん寝ぼけてたからよくわかんないけどまあ、君たちは俺を殺していないし、俺たちは君たちを殺す気は全くない!毒が怖いんなら俺が食ってやるから、それでいいじゃない。君たちはさあ…生きていく価値のある。守られるべき存在、背中のことは知らないけど…君達の辛い思いはわからないけど…俺に甘えていいんだよ。君達は死んでもいい使いすてのゴミなんかじゃない!大事な生命体の一つ、背中が特徴的な人間だ、だからもういいんだよ…無駄に強がるのは…甘えてくれよ…』

 

ビトー『うっ…うっ…うっ…いいのかよ…あんた…軍人そうに見えるけど…いいのかよ…俺たちは邪魔じゃ…ないのかよ…』

皆はその場で泣き崩れて鼻水を流しながら喜んでいた。

俺も…泣いた。

だが…

 

タクト『君達は”人間”だよ。そうじゃないとかいう奴は自分のほうが偉いと思いこんでいる愚か者だよ、自分に自信を持ってくれ、さあ、ご飯でも食べようか。そうして、後は風呂でも入って部屋を割りふろう、ランファ、どれみちゃん案内を任せるよ、俺とヴァニラはブリッジに向かうから後をつけてきてくれ。』

 

昌弘『待ってくれ!俺は後でいくから、ここで兄貴と話しをさせてくれないか!』

 

タクト『わかった…ただし、ランファもいてくれ…話しを聞かれたくなかったらランファには耳栓をしてもらうから安心してくれ、何をしても俺が責任を取るから大丈夫だ。』

 

そう言ってタクトさんについていくように皆が出て言った。

すると、ピンク色の衣装をした女の子が俺へと向けて叫んだ。

 

どれみ『いいこと!あんたみたいな奴はね!少しくらい兄さんの言うことは聞いときなさいよ!いいーだ!』

 

歯茎を見せたどれみはそのままタクトのもとに向かった。

皆の姿が見えなくなった

ランファさんはその場に残っていたがイヤホンを耳につけて音楽を聴きこちらを見ていた。

 

昭弘『昌弘…お前には辛い思いをさせてしまった…だから、好きなだけ俺を殴れ。』

 

兄貴は頭を下げながら俺を見る。

その目には力強く俺を見る兄貴の懐かしさがこみ上げてきた。

だが…

 

昌弘『もういいよ、別に。あんたには家族がいるんだろ。だったら好きにすればいいじゃないか、俺はタクトさんを信じられないわけじゃあない、他の奴はどうかわからないが俺はここにいたくない、俺は天涯孤独だ。』

 

俺は兄貴が許せなかった。

俺の想いを踏みにじり家族と呼ばれる存在を手に入れてやがった。

タクトさんの話しには俺も不安と期待を持っている。

悪くない話しだし、それがベストだと思うが…俺には”あんた”が邪魔なんだ。

俺は自分の機体のもとに戻っていった。

アンカークローによって絡められていた機体は自由になっていた。

俺はそれに乗り込んだ。

これからどうしよう…東の星でも行くか…

至源エンジン騒動がある地球でもいいか…

 

昭弘『昌弘!さっきの言葉は…』

 

”あの人”が追いかけてきたが、格納庫のハッチは開いていたので、俺はそこから機体で出ていった。

あんたにはもううんざりだ。

さよなら…俺の最後の肉親…

寂しげな表情を浮かべるあの人の顔を見たが、それでも俺の決意は変わらなかった。

 

ランファ『……昭弘…あんた…これからどうしたい?これからどうするのが正解だと思う?』

 

昭弘『……俺にとって…鉄華団は家族だ。そして…昌弘も家族だ…どっちもなんて…だめだったのか…』

 

ランファ『ダメじゃない、あんたはわがままになっていいのよ。私たちがフォローはするわ、だから行ってきていいわよ。』

 

昭弘は側にあって応急修理程度しか直っていないモビルスーツに乗り込み、昌弘を追いかけていった。

 

ランファ『…家族か……私は…』

私はどうしたらいいんだろう。

昭弘に昌弘…兄弟喧嘩ってレベルじゃないような…

でも、もうカンフーファイターは動きそうもないし…どれみちゃんの魔法玉もないし…

私が二人の力になれたら…

紋章機が万全なら…私は…

 

…ランファ…ランファ…

 

ランファ『え?この声は…この声は誰…何か懐かしい声が…』

 

…ランファ…ランファ…あたしだよ…

 

ランファ(あたし…あたしだよ…この口調にこの喋り方!まさか…おばあちゃん!)

 

ランファ『!おばあちゃん!おばあちゃんなんでしょっ!どこ!どこにいるの!』

 

私は周りを見渡してみるとそこにはおばあちゃんの幽霊がいた。

はっきりと見えていた…

初めは信じられなかったが、魔法やウルトラマンに並行世界などがあると考えてみると意外に納得していた。

そしてとても嬉しいかった。

 

おばあちゃん『ランファ、久しぶりだね。元気そうでなによりね。』

 

私がおばあちゃんに会うのは久しぶり…

その姿をまじまじと見ているだけで目から涙が溢れてきた。

もう…どうしたらいいかわからなかった…

 

ランファ『おばあちゃん…ごめんね…あの時…私が…私が!おばあちゃんの代わりに実験体になっていれば…あの時…立ち向かっていれば!おばあちゃんもダリアも死ななかった…』

 

おばあちゃん『いいんだよ、確かに私は死んだけど…ダリアは死んでいないよ。』

 

…えっ…

ダリアは…

 

ランファ『えっ!おばあちゃん…今、なんて言ったの…ダリアが生きているの!』

 

ダリア・フランボワーズ…それが死んだ妹の名前、でも生きていたなんて…

死んだおばあちゃんからの話しであるから説得力はとてもあった。

 

おばあちゃん『ええそうよ…あなたが見た死体はダリアの体の遺伝子を増やした時に出たゴミでザールの恐怖を植え付けるためだったのよ…でもねぇ…ダリアはあなたたちを恨んでいるわよ…そのためにザールに従っているの…』

 

ランファ『恨んでいる!なんでダリアが!ダリアが恨む理由なん…』

 

そんなものないと思っていた。

そんな理由ないって考えていた…

でも、私は知っていた…その理由を…

同じ状況にある存在を知っているから…

 

【本当の家族はいらないんだろ!あんたは俺のことなんか気にせずぬくぬくしてやがったんだな!俺はあんたのことを待ってたのに…待ってたのにいいい!】

 

ランファ『昌弘…ダリア…ダリアは私たちを愛していた!…昌弘みたいに希望を持っていた…それなのに…私たちはダリアのことを忘れて暮らしていた…

辛いながらも…笑って暮らしていた…

それが許せなかったんだ…

昌弘が昭弘を恨むように…ダリアも私やみんなのことを…』

 

おばあちゃん『残念ながら…そうなのよ…今では…ザールの手足として働いているみたいだわ…』

 

私は足から崩れ落ちて涙を流しだした。

絶望していたからかもしれない…

 

ランファ『……どうして!どうして私はあの時身代わりにならなかったの!私のバカ!私に…私に…私にとって…ダリアは!ダリアは!大切な妹なのに…私に何が足りなかったの!あの星では皆苦しみながらも助け合っていたのに…助け合いが出来なかったことがそんなに悪いことなの!私…昭弘に…昌弘に…何もいえない!偉そうなことばかりいって!心の中では怯えて!ビクビク…情けない!なんて情けないの!私は…どうしたらいいの…おばあちゃん……教えてよ…助けてよ…おばあちゃん!』

 

おばあちゃん『あなたには…足りないものがある…見つけるのは大変だけど…タクト・マイヤーズ司令官にあって…あなたにはないもの…それを見つけたら…あなたは変われる…”黒き闇使者鎧身につけたもうと救うべしきに心強くし別の鎧来れ”…救えるわ…あなたはある可能性を持っている…だから…バイバイ…私はもうこれまで…』

 

ランファ『そ、そんな!おばあちゃん!おばあちゃん!私に足りないものってなに!おばあちゃん!おばあちゃん!』

 

おばあちゃん『じぶんで…みつけて…』

 

すうっ…

 

おばあちゃんは消えてしまった。

鎧…私に足りないもの…

彼を救う…いったいどういう意味なの…

私は涙を拭いてダリアの写真を見た。

 

ダリア…あなた…

 

ピーピーピーピー!!

 

聞き慣れない音が聞こえてきた!

緊急警報であるような…ないような!

すると一人の少年が走って格納庫にきた!

 

飛鳥『ランファさん!そこは危ない!早くこっちに!

少年が叫んだ、すごい慌てているみたいだけど…なにが…

 

ゴォォォ!!

ギァン!

 

エルシャンクが揺れた!

いったい何?

戦闘?

 

飛鳥『ううっ…この格納庫の近くで…戦闘しているんです…昭弘さんと零が!』

 

ランファ『何ですって!どういうこと!二人が戦闘ってどういうことよ!』

 

飛鳥『わかりません!でも、零が…ウルトラマンザージスが黒いんです!』

 

黒き鎧…

それが…零!

 

昭弘『おい飛鳥!早く格納庫から離れろ…零が力を溜めてパンチで潰すそうとしてやがる!早く逃げろ!』

 

そう、黒き姿のザージスは右手に力を入れてエルシャンクに突っ込もうとしていた!

 

零『みんなあああっ!逃げろおおお!』

 

格納庫に拳を突き上げてザージスが迫る!

 

昭弘『俺は…家族を…仲間を守る!』

 

昭弘の機体が格納庫の前に立ち塞がった!

するとザージスは右手の位置を少しずらして拳を昭弘の機体のコックピットに狙いを定めた!

 

闇・零『さあ…聴かせてくれよ!お前の死の音楽を!!』

昭弘はその場所から動かなかった!

 

昭弘『じゃあな…みんな…昌弘…幸せに…』

 

昌弘『兄貴いいいいいいいっ!』

昌弘の機体が昭弘の機体を弾き飛ばして昭弘の代わりに昌弘がエルシャンクの前に立ち塞がった!

 

闇・零『ダークハンドインパクト!!』

 

ガアァァァァァ!!

 

昌弘『ガッ…』

 

昌弘『…』

 

昭弘『昌弘……昌弘…おい!返事をしろ!返事をしろ!』

 

昌弘『……』

 

昭弘『返事をしろ!昌弘!昌弘!はっ…昌弘…昌弘おおおおお!』

 

ー小惑星ー

ルクス『あらあら、こんなに企みが上手くいくとは思わなかったわ。』

 

ティーゲル『戦極凌馬から貰った偽グリーフシードにこんな使い道があったとは。』

 

パンター『キュアダイヤモンドを使い捨ての人形にするだけでなく、怒りや憎しみを増大させザージスの闇の姿を引きずりだして我々は姿を隠す。』

 

ルクス『そしたら彼は人殺しのためにエルシャンクに向かった。もう一人の彼は潰したかったのね…あの船を…信用することが出来ない人間全てを!』

 

彼女たちの笑いが宇宙を包む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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