第3次スーパーロボットα外伝〜仕組まれた滅亡〜 作:リバーサクラモード本格的だよ
ーPD600年ー
ー火星ー
ークリュセ防衛自治区ー
ーCGS本部ー
ー格納庫ー
ダキュン!
ー次は何をすればいい…オルガ?ー
ーはっ!…
オルガ『何て夢見てんだよ俺は?ふーっ。』
俺の名前はオルガ・イツカ、火星の警備会社CGSで働いている一人だ。もっとも俺たちは背中に『阿頼耶識』と呼ばれる特殊モビルスーツ操縦用ナノマシンを埋め込まれている。そのために阿頼耶識の埋め込み手術をした奴らのことを『宇宙ネズミ』なんていわれているんだ。無理もねぇ、阿頼耶識の埋め込み手術は大人では上手く体に馴染まず成長期の子供ばかりが受けている。
阿頼耶識を埋め込むことにより厄祭戦時代に使われたロストテクノロジーのモビルスーツ、最新式のモビルワーカーの操縦が出来るため、ガキを使いまる儲けしようとする奴らがよく行っている俺もそのうちの一人だ。
火星の居住環境は最悪でなんでも『スペシウム』と呼ばれる物質が原因らしいが未だに治療法が確立されていないため死亡者がとても多い…そのため何十年前か前から火星の連中は『ヴェイガン』という軍隊を名乗り地球に移住しようとしているがフリット・アスノ率いる『ギャラルホルン』によってその作戦は阻まれ続けているがそれでも諦めずに戦う奴らがいるが、はっきりいって無駄と言っておこう。
当たり前だよ、相手には受け継がれてきたロストテクノロジー『AGEシステム』により作られた伝説の機体『ガンダム』に乗り襲いかかるヴェイガンのモビルスーツを倒しまくった。あまり体に変化がない俺にとってはどうでもいいがな、そのためガキどもの親は死に戦災孤児が増え、だからガキどもは自分の命を自分で守るために働いた。そのためにはどんなことをしてでも生きなければならない…だから大半のガキどもは生き残るために苛酷や阿頼耶識システムの手術を受けた。
普通のモビルスーツはヴェイガンに回されてしまうため、ロストテクノロジーのモビルスーツやモビルワーカーが必要になってくる。それらを使わなければならない仕事がたくさんあった。そのことに目をつけた大人どもはガキどもを奴隷のように扱い利益を得るという汚いことをし始めたんだ。だけどこればっかりはどうしようもない。生きるか死ぬか…そう言われれば仕方ない。生きるために俺は手術を受けた。
俺はついてた。
俺は手術の影響を受けず上手く体にナノマシンが付着してくれて、俺はここで働いてられるだが…阿頼耶識システムの手術にはリスクがある。阿頼耶識のナノマシンを体が受け入れず拒絶反応が出た場合は体のどこかが悪くなっちまう。軽い場合もあれば重い場合もある…
MZ23という名のコロニーからの移民が来るがそいつらのほうがはるかにマシだった、ヴェイガンという組織に入らず建設業務か兵士になるかという選択権があるからな…その移民の中のガキは16歳になってからそれを決めるのさ…羨ましがるやつらがいるがどうでもいいさ。
運がなかった、生まれた時代が悪かった
そんな言葉で片付けられるほど人は甘くないのさ…
ササイ『このがきぃ!!』俺は大人の一人ササイにバレて殴り飛ばされた。
オルガ『ぐわぁっ!』俺はここで働いている以上大人の指示には逆らえない。少しでもサボっているのがバレるとこうやって殴り飛ばされる。俺たちはガキだと思って大人に舐められている。だがいつかは…
ササイ『ちっ!ったくいつになったらこいつらは可愛げのある奴らになるのかね。さっさと仕事に行きやがれ!あの馬鹿でかいやつを掘り出すぞ!』ササイはそのまま格納庫から歩いていった。すれ違うように一人の大人が入ってきた。
ナディ『よう、またやられてるようだな…そりゃあこんなところでうたた寝していたらそりゃあ怒られるだろうな。そっちにいる嬢ちゃんたちは怖がってなさそうだけどな。』
そうだった忘れていたこの格納庫にはクーデターによって白き月から逃げきてきたエンジェル隊のミント・ブラマンシュ、ヴァニラ・H(アッシュ)がいた。こいつらは運悪く俺たちCGSの基地に不時着してしまったようだ。
俺は紋章機に乗っていた二人を大人どもにみつからないようにこっそりと引っ張りだしこの格納庫に隠れさせていたのだ。
ついさっき現れたばかりだが、大人どもは庭に落ちた馬鹿でかい紋章機がいくらで売れるかどうか楽しみでパイロットのことなんて気にしてなさそうだったからな。
ミント『一応お礼はいっておきますわ、ありがとうございます。あなた達ヴェイガンがこんな事をするだなんて珍しいですわね?』
オルガ『俺たちはヴェイガンじゃない!』俺は叫んで激しく否定した。ふざけるな!俺はあんな愚かな奴らとは違う!
ヴァニラ『あなた達は火星にいる人間たちは私達のようなものを憎んでいる。だから私達をどうするの?』
オルガ『何もしねぇよ、ただなんというか…あのまま身売りにあんた達を売るのが少し嫌だったんだよ…こんなことは偽善なのか…こんな他人を気遣うなんてことしていたらいつか足元すくわれちまう…どうしちまったんだろうな、俺は。』そんな愚痴を吐いていると一人の男が格納庫に入ってきた。
三日月『あ、オルガ、そこにいたんだ。そこにいる二人は?』こいつの名は三日月・オーガス俺の昔からの知り合いでミカと呼んでいる。阿頼耶識の手術を三回受けて成功したとても珍しいやつだ。
オルガ『ああ、あの落ちていた紋章機のパイロットだ。誰にも言うなよ。』
三日月『わかった、でもここじゃいずれ見つかるよ?』
オルガ『わかってるだからあの場所に移動してもらう、あそこは暖かいしな。』
ナディ『おい、あれはここのトップシークレットだぞ、それを白き月の奴らに見せたらとうなると思う?最悪ザールがここを襲って来る可能性だってあるんだぞ。』
オルガ『そうなったらそうなっただ。いくぞついてきな。』
ミント『…今は素直にしますわ。』
ヴァニラ『……』
ナディ『あーあ、俺ぁ知らねぇからな。』
三日月『俺はあんたらの紋章機を掘り出してくるから、まあ多分すぐには売らないだろうからさ、それとオルガ、社長が仕事で呼んでたからさ。』ミカ(三日月)とおやっさん(ナディ)は部屋から出ていった。そして俺が歩き出すと二人はついてきた。
ー秘密の部屋ー
オルガ『ここだ、ここならいつでも暖かい。しばらくはここにいるといい。』
ミント『こ、これは…この形状は…』
ヴァニラ『ガンダム…フレーム…』そうここにあるのは厄祭戦で使われたモビルスーツの一つガンダムフレーム、AGEシステムを使ったガンダムとは違い阿頼耶識を使うが形状はとても良く似ているからだれでも間違える。
ミント『何故ここに…ロストテクノロジーの一つガンダムフレームが…』
オルガ『しらねぇよ、昔からあったんだよ。あんたらの方が詳しいだろエンジェル隊のあんたらのほうが?』
ヴァニラ『データベースにはありませんが…間違いなくガンダムフレームです…』
ミント『私達は確かにロストテクノロジーのことをよく知ってはいますがモビルスーツやイクサヨロイについてはよくわかっていないんですのであしからず、それに同じロストテクノロジーでもこれは阿頼耶識がなければ使えませんわ、これもルネサンスで発見されたものですか?』
ルネサンス…ああ確か西の星を中心にロストテクノロジーを復元や発掘などをしている活動のことか…多分それとは違うだろうけどな…
オルガ『いいや違うぜ、ルネサンスとは関係なしに俺たちが発掘したんだ。だから今までこうやって隠しておいたこれを操るやつはほとんどいないんだ。』
ヴァニラ『阿頼耶識システムはモビルスーツやモビルワーカーと一体になることにより動かすことが出来るシステム…そのためには多量のデータを人体に移さなければならない。それに耐えるには…』
オルガ『んじゃまそろそろ行くから見つかんなよ、今はこうしているしかないんだからな。』
ミント『あなたは何がしたいんですか?』
オルガ『何?』
ミント『あなたは自分が置かれている状況が理解できている…それなのにも関わらずただ愚痴を話すだけ…それで何が変わるのですか?うさでも晴れるのですか?あなた自身は何がしたいんですか。それを教えてくれませんか…私達はここから抜け出して仲間と合流します。例えザールが相手だとしても…私達はまだ経験の積んでいない子供だとしても。』
オルガ『……そうだな…あんたの言う通りだよな…俺たちガキどもは舐められている。だけどあんたらみたいなガキでも紋章機に乗って、ザールと戦うなんてな…そうだな…そうだよな…俺が変わる変わってみせるか……ガキでも大人に負けやしないか…まあでも忠告はしておく少しだけ待ってな…いずれチャンスは来る…』そう言って社長室へと向かった。
ー社長室ー
俺は途中ビスケットという俺と同じように阿頼耶識を埋め込まれたガキと合流し、社長室に向かった。どうせ俺たちのことを弾除けからうさ晴らしのためにしか思っていない連中だ……みんな文句ばかり言うがそれじゃだめなんだ…
コンコン!ビスケットを先頭に俺たちニ人は社長室に入っていった。
ビスケット『失礼します、社長話ってなんでしょうか?』
ハエダ『遅せぇぞてめぇら!何ちんたらやってやがったんだ!!お前らは言われた通りにさっさとくりゃあいいんだよ!』こいつはマルバ社長の次にエバるハエダ…俺や他のガキからも特に嫌われていて、こいつが特に俺たちに暴力を振ったりエバりやがる。
マルバ『お前たちの仕事はこうだ…クリュセ防衛自治区その代表の愛娘を地球と西の星に運ぶ…その護衛をお前ら三番組に任せる。』マルバ社長はそう言ってタバコを蒸す…俺とビスケットは互いに見つめ少し驚いていたがまあなんとか理解した。
ビスケット『もしかしてクーデリア・藍那・バーンスタインですか?』
オルガ『ビスケット知ってんのか?』
ビスケット『ああ、確か移民してきて建設業務に勤しんでいるものを中心にメソポタミアプロジェクトを無視して火星に負担を掛けている地球に対して独立運動を行っているんだよ。アーサーという王に支配されている西の星の人とかの気持ちも理解してあげたいと考えているそうだよ。』
マルバ『今回の地球、西の星行きにはその独立運動絡みらしい。お嬢様直々の指名だそうだ。そしてもう一つ…ある男が火星連邦軍の試験を抜け出してこっちに向かってきているようだ。』ほらでた、たまにいやがるMZ23からの移住者のガキの我儘がたく、どうせ俺たちにはこんな仕事ばかりだろうな、まあそいつらの気持ちは俺にはわからねぇな、まだ恵まれているのにな。
ビスケット『お嬢様直々ですか…ところで火星連邦軍との協力で捕まえればいいんですか?』
マルバ『ああ、火星連邦軍だけでなく、ギャラルホルンやトランスバールの奴等も来るからな。』トランスバールか…あいつら運がいいんだな。
オルガ『たった一人の脱走にそんなに焦るとはねぇ…』
ハエダ『そんなことどうでもいいんだよ!てめぇらガキはいつも通り俺たちに従っておきゃあいいんだよ!』俺とビスケットはそのまま社長室から出て行った。俺は途中ビスケットと別れてあの二人のもとに向かった。
ー秘密の部屋ー
オルガ『おい、あんたらついてるなあ。もうすぐここにトランスバールの奴等が来ているらしい。』
ミント『本当ですか!やりましたわ。』
ヴァニラ『でも……みんなが心配です。』
ミント『それはそうですが…みなさんそんなにやわじゃありませんわ…』
オルガ『…あんたらはやっぱりすげぇよ…俺とは比べ物になんないな。』
ミント『そうやって自分の間違いを認めた…それならば少しは変えていくんでしょうね?自分を。』
オルガ『距離から考えてトランスバールの奴等が来るのは夜くらいだ。紋章機なら第五格納庫に置いてある。あんたらに言われてようやくわかったよ、変わるなら今だ。変わっていくんだ俺たちは!』俺は決意を固めて仲間がいる昼食場に向かった。