だいぶ期間が空いてしまったので、かなり書き方とか変わってるかもしれないんですけど、それでも読んでいただけたら幸いです…✨
これは、悠之くんが高校を卒業して東京に行ってからのお話。
現在7月31日。明日でとうとう17歳!時間が経つのは本当に早いなぁ…。
旅館の掃除をしながらいろんなことを思い浮かべる…。
去年は確か…悠之くんがこのネックレスをプレゼントしてくれたんだよね。懐かしいなぁ…。
悠之くんがくれたネックレスは、あれからずっと肌身離さず身につけていた。
…もうあれから1年なんだ。
(そういえばこの部屋…)
私が掃除していた部屋…それは悠之くんが約1年間ずっと使っていたお部屋だった。
懐かしいなぁ…よくこのお部屋で悠之くんに勉強を教えてもらっていたっけ…。
今…何をしているのかな?きっと授業で忙しいんだよね…この前会えたのはゴールデンウィークの内2日間だけ…。
静岡から東京…別に物凄く遠いわけじゃない。会おうとすれば月一で会えると思う。
でも、悠之くんは学校も忙しそうだし、私も頑張って悠之くんの学校に入るって決めてから勉強の時間もかなり増えた。
そして、旅館の手伝いを入れると自由に行動できる時間が1年生の頃と比べるとかなり減ってしまっていたんだ。
LINE通話とかすればいつでも顔は見られるんだけど…毎日毎日する訳には行かないからなぁ…。
私は大きくため息をつく…
「何ため息なんてついてるのよ?」
後ろから声が聞こえた。
振り返ると、スイカを持った善子ちゃんの姿だった。
「善子ちゃん!?いつからそこにいたの?」
「いつからって…今来たばっかりだけど。」
悠之くんが東京に帰ってから、曜ちゃんと善子ちゃんがよく交代交代で旅館の手伝いに来てくれるようになった。
「ごめんね~いつも沼津からわざわざ来てくれちゃって…暑かったでしょ?」
「なんで謝るのよ…別に大丈夫よ。こうやって馴染みのある人がいる所の方が気が楽だしね。ちゃんとお給料も出るんだし。」
「ふふっ♪」
「…なんで笑うのよ?」ジィー
善子ちゃんがジト目で私を見つめる。
「いやぁ、善子ちゃんも変わったな~って思って。」
「はぁ?」
「初めてあった時なんか、よく分からない呪文みたいなこと言ってたのに~♪」
「あれは…その…」
「ふふっ♪」
「あーもう!謝ったり笑ったり!アンタはほんっとうにそういうところ変わらないわね!」
「まぁまぁ♪とりあえず、スイカ食べよ?私もここの掃除終わったら休憩入るつもりだったし!」
「まぁ…いいけど。てか、私が持ってきたスイカなんだけど…」
「よ~し!曜ちゃんや花丸ちゃんとルビィちゃんも呼ぼっか!」
「こら~!話を聞きなさ~い~!!」
♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢
「「千歌ちゃん~善子ちゃん~!」」
花丸ちゃんとルビィちゃんも何やら大きな袋をもって、海岸沿いにやってきた。
「お~来た来た~おはよう!ルビィちゃん!花丸ちゃん!」
「おそいわよ、ルビまる。」
「えへへ~暑いから花丸ちゃんと一緒にアイス買ってきたんだ~!」
「た~くさんあるずらよ♡曜ちゃんも来たらみんなで食べよ?」
『おーい!』
「おぉ、噂をしてみれば~!」
自転車を漕ぎながら曜ちゃんが手を振る。
「じゃーん!今日は暑いから途中でラムネを買ってきたんだ~!」
「やれやれ、何だかお腹が冷えそうな組み合わせね。」
「まぁまぁ、夏なんだし大丈夫だよ!それとも?善子ちゃんが要らないならスイカは私達だけで…」
「あーもう!私だけ仲間外れにするなぁ~!てかスイカ持ってきたの私だから!!」
そして、休憩を終わらせた後、来てくれたみんなも旅館の手伝いをしてくれた。
やっぱりみんなと一緒に作業をすると時間はあっという間だし、楽しいし、いい事だらけだ。
夏はやっぱり暑いけど、この暑さが私たちらしい…。
バテそうになるのに一日中外にいて、ちょっと休んではまた外に出て…そしてこの潮の香り。
やっぱり去年のあのころを思い出すなぁ…。またみんなでどこかへ行きたい。
もちろん悠之くんも一緒に…
~~~~~~~~
いっぱい遊んだ…いっぱいお店のお手伝いもした…沢山笑った…。
…だけど…やっぱり…
やっぱり…寂しいよ…
…どうして…貴方がいてくれないの?
「ゆうじくん…」
夜の11時…ぼそっと彼の名前を呼んでいた。
そんな…小さな願いが通じたのだろうか。
私のスマホから着信音が鳴り響く…
「…もしもし?」
「…もしもし、千歌?」
「…なんで連絡してくれないの?」
「…ごめん。今、スマホを修理に出しててさ…」
スマホの画面をよく見ると、公衆電話って表示されていた。
「一応何回か電話したんだぞ?夕方とか…」
「私、公衆電話からの着信は出ないから。」
「…なんか喋り方変わった?」
「誰のせいだと思ってるの…?」
「…ごめんな。」
「…電話してくれたから許す。今どこにいるの?」
「…今、ちょうど沼津の駅にいる。」
彼の言葉に私は驚きを隠せなかった…。
「…ほんと?」
「あぁ、本当だ。だから待ってて今からそっちに向かうからさ。」
「まって!」
「…?なんでだ?」
「私が悠之くんを迎えに行く…!」
私は勢いよく家を飛び出した。そして、自転車に股がって沼津へ向かった。
正直いって馬鹿だ。
こんな時間に、こんなに距離があるのに私は全力でペダルをこいでいた。
普通に考えれば1時間以上かかる距離なのに…
どうしてこんなに必死になってこいでいるんだろう。
自転車をこいでいると、横からクラクションを鳴らされた。
その車をよく見てみると、なんだか見覚えのある黒い車だった。
「…まりちゃんの…車?」
「ちかっち~!あなたの考えていることはもう分かってるわよ!」
そして、そのまま私を一緒に乗せてってくれた。ちゃんと自転車もトランクの中に入れて…。
「…どうして…ここに居るって分かったの?って…いつから帰ってきてたの?」
「…私はただ偶然通りかかっただけよ?帰ってきたのはちょうど今日…ちかっちが自転車で走っているのが見えたからUターンしてきたわけ。」
「…でも、どうして私の考えていることが分かったの?」
「…そりゃあ、せっかくのバースデーは大切なダーリンに最初に祝ってもらわないとね☆」
鞠莉ちゃんが運転すると、あっという間に駅が見えてきた。
「…じゃ、行ってらっしゃい♪私はここで待ってるからゆっくり話してきて大丈夫よ♡」
「ありがとう…鞠莉ちゃん…!」
私はドアを開けてすぐに駅へ駆けていった。
そして、駅の中にいる青年に大きな声で呼びかけた。
「悠之くん!!」
その言葉を口にすると、彼は振り向いた。
間違いなく悠之くんだった…幻影じゃないちゃんとここに居てくれている。
「千歌…!」
「悠之くん…!!」
バシッ
「あたっ…な、何するの悠之くん!?」
何故か私は悠之くんに頭を軽く叩かれていた。
え…普通ここは男らしく…優しく抱きしめてくれるんじゃないの?って思ったんだけど…。
「…なんでこんな無茶をしたんだ?俺からこっちに行くって言ったのに。」
「そ、それは…悠之くんが来てくれてるってびっくりしちゃって…つい…。」
「ふ~ん…」
「だ…だって…誕生日で一番最初に会いたかったのは…悠之くんなんだもん…///」
「……」
…千歌が上目遣いをして俺に視線を送る…あぁ…もうダメだ…千歌のこの視線を感じるとすぐに甘やかしたくなっちゃうんだ俺は…。
でも…こんな夜遅くに女の子が一人で来てしまっているんだ。さすがにちょっとは怒る…いや、注意くらいはしないと。
「ごめんなさい…」ウルウル
「あぁぁぁぁ…!分かった!分かったから!その泣きそうな顔をするのはやめろ!!もう怒ってないから!!!」
「…ほんと?」
「う、うん…」
「よ…良かった~」
あぁ…うん。なんだろう…この感情の高低差は…どんなに時間が過ぎても千歌の性格は変わることはないんだろうな…。
「…千歌」
「…ん?」
「お誕生日おめでとう。」
「悠之くん…!」
『うん!ありがとう♪♪』
一応続きは書く予定!